少女/湊かなえ(2009/01/20) (著【読書ノート】
ネタバレ・あらすじ
高校生の由紀と敦子は親友同士で、ある日転校生の紫織から彼女が親友の自殺を目撃した話を聞く。その話に影響され、由紀は人が死ぬ瞬間を見たくなり、敦子は死体を見て死について考えたくなる。夏休みに、老人ホームと小児科病棟でボランティアを始めるが、それは人の「死の瞬間」に立ち合うためだった。
由紀は病棟で昴とタッチーと親しくなり、敦子は老人ホームで高雄と働いていた。昴と高雄は親子で、高雄が痴漢の疑いをかけられていたが、それは冤罪だった。この経験を通じて、由紀と敦子は死の瞬間を目の当たりにすることへの願望が変化する。また、由紀の担任である小倉は由紀の小説を盗作し、敦子の誹謗中傷によって恋人を失い、最終的に自殺する。紫織は虚偽の告発により高雄の家庭を崩壊させたが、その後自身も苦境に立たされ自殺する。この物語はフィクションのスリルを味わえると共に、物語にはいくつかの疑問点が残るが、それぞれについての解答が物語内で提示される。由紀の左手の傷の原因、フジオカさんの正体、昴とタッチー、高雄の関係、由紀の小説「ヨルの綱渡り」の真意、そして高雄が人見知りになった理由など、様々な背景が明らかにされる。
主要登場人物
桜井由紀: 桜宮高等学校2年生の女子高生。ニヒルで冷静な性格。親友は敦子。一つ年上の牧瀬と交際中。認知症の祖母の介護を家族と行っている。自身が書いた小説を元担任に盗作されるトラブルに巻き込まれる。左手が不自由で、握力が3kgしかない。
草野敦子: 桜宮高等学校2年生の女子高生。天真爛漫だが空気が読めないことがある。元剣道部で、学校裏サイトを頻繁にチェックしてしまう癖がある。過度の不安症を抱えており、過呼吸で倒れることがある。
おっさん (高雄孝夫): 特別養護老人ホーム「シルバーシャトー」で働く中年男性。敦子からは「おっさん」と呼ばれる。外見は外国の映画に出てくるような典型的な日本人。バツイチで文学愛好家。
田中昴: S大学付属病院の小児病棟に入院している小学5年生。病気で体が弱いが、由紀の目的の対象となる。
タッチー (肉まん): 昴の親友で、昴の手術成功率の低さを知っている。由紀からはその風貌から「肉まん」と呼ばれている。
その他の人物
紫織: 桜宮高等学校に黎明館高校から転校してきた生徒。親友の死について由紀と敦子に話す。
小倉: 由紀と敦子の元担任。由紀の作品を盗作し、文学賞を受賞。その後「事故」で亡くなる。
牧瀬: 由紀の一つ年上の交際相手。死に対して特別な関心を持つ。
大沼さん & 小沢さん: シルバーシャトーの介護スタッフ。敦子のボランティア活動の指導を行う。
由紀の祖母: 認知症で「フジオカ」と由紀のことを呼ぶ。
岡田さん: 読み聞かせボランティア団体「小鳩会」の代表。
三条: 三条ホームの社員。由紀が昴の父親を探す際に情報を提供。
星羅: 紫織の親友で、黎明館高校の生徒。裏サイトの記事により自殺。
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