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議論の極意:どんな相手にも言い負かされない30の鉄則(2023/10/6)紀藤正樹/【読書ノート】

厄介な相手に振り回されない最強スキル!
近頃SNSなどを見ていると、声が大きい人、相手を言いくるめるのが上手い人が発言力を増しているように思われる。「声が大きい方が勝ち」「言い負かした方が勝ち」――それは間違いである。論破、反論よりも本質的で大切な力。それが「議論力」だ。異なる考え方、ものの見方をする他者と建設的な議論を行い、合意形成を導くスキルが身につく決定版!

私たちが日常的に交わす言葉は、単なる会話以上の意味を持つことが多い。特に現代社会において、情報の海の中で自らの意見や考えをしっかりと伝え、相手との議論を行う能力は、非常に価値のあるものとなっている。そのための秘訣を探している方に、『議論の極意:どんな相手にも言い負かされない30の鉄則』は絶対のおすすめ。

第1章から始まり、議論の基本的な概念、日本人と欧米人の議論スタイルの違い、意見の形成における「価値観」と「理屈」の役割、そして議論を進めるための基本的な構造や反論の方法など、議論の基盤をしっかりと打ち立てる。

第2章では、「三段論法」という古典的な議論の方法を取り入れながら、実際のトレーニング問題を通して読者にその理解を深めさせる。そして、価値観の対立をどのように乗り越えるか、議論における「好き嫌い」の取り扱いなど、実践的な技術も豊富に取り扱っている。

第3章では、更に実践的な議論のテクニックが紹介される。特に、事実の確認や扱い方、意見の仮説性、論理の希釈を避ける方法など、日常の議論で頻繁に遭遇する問題点や誤りを修正する方法が詳細に説明されている。

そして、第4章では、議論力を磨くための習慣や方法が紹介される。特に、ネットの情報をどのように活用するか、異なる価値観の人々との交流の重要性、そして「知ったかぶり」を避け、謙虚な姿勢で学ぶことの大切さが強調されている。

この書籍は、単に議論の技術を学ぶだけでなく、相手の意見や価値観を尊重し、真のコミュニケーションを目指すための姿勢も同時に身につけることができる。現代社会で生き抜くための武器として、『議論の極意』を手に取ることは、誰にとっても価値のある投資となるだろう。

最後に、この書籍がただの理論的なものではなく、実際の生活や仕事、人間関係での応用を強く意識して書かれている点も、非常に魅力的である。『議論の極意』を読んで、あなた自身の言葉の力を高め、日々のコミュニケーションをより豊かにしましょう。


第1章 議論とは何か

――屁理屈、詭弁に負けないために
●議論は「発言」からはじまる
積極的に質問する欧米人、聞き手に徹する日本人
「議論」は対話の一形式
●「大きい声」が正しいとは限らない
その理屈は、筋が通っているか
しっかりした理屈で対抗する
●「意見」とは「価値観+理屈」
「価値観」は十人十色
「理屈」がなければ意見ではない
●意見の拠り所は自分の「価値観」
人は、価値観の部分で対立する
「理屈至上主義」になってはいけない
●価値観を伴わない理屈は「屁理屈」
価値観は自分の意見を貫く「背骨」
死刑制度について考える
●「会話占有率」を意識する
先に相手に多く話してもらう
相手が誤解しているとき
●議論の基本構造
「大前提」に「小前提」を入れると、「結論」が出る
●納得できない結論に反論する
反論には2種類ある
反論法①「例外的事情」を取り込む
反論法②「大前提」を動かす
論理の破綻を見抜く
●相手の「大前提」を疑う
その三段論法は正しいのか
理屈のカラクリを見破る
●相手の「価値観のゆがみ」を見抜く
意見が対立するとき、しないとき
「要注意人物」を見分ける
●小前提が大前提を覆すとき
価値観を使い分ける
大前提を覆す「新しい事実」

第2章【基本編】議論力の土台をつくる

――「三段論法」トレーニング
●不完全な三段論法に注意する
三段論法で陥りがちな3つの誤り
①論理が飛躍している
②大前提が間違っている
③結論の「すわり」が悪い
●議論力トレーニング1大前提と小前提から「結論」を考える
シンプルな構造を頭に叩き込む
トレーニング問題①
トレーニング問題②
トレーニング問題③
●議論力トレーニング2 「大前提」と「小前提」を類推する
小前提と結論から「大前提」を類推する
トレーニング問題④
トレーニング問題⑤
トレーニング問題⑥
トレーニング問題⑦
トレーニング問題⑧
●議論力トレーニング3 合意形成に導く
日常生活でも三段論法は役に立つ
大前提の相違をすり合わせて合意に至る
トレーニング問題⑨
トレーニング問題⑩
トレーニング問題⑪
●価値観の対立を乗り越える
「好き嫌い」では、議論にならない
理屈でなく熱意を示すこともある
見落としている事実はないか

第3章【応用編】議論を有利に進める

――弁護士が実践する論理テクニック
●「事実」の見極めが、議論上手の鍵
事実とは「誰が見ても同じこと」
悪意や妄想が事実をゆがめる
「数の論理」で事実をとらえてはいけない
●弁護士が実践している事実の扱い方
「事実」が判決を左右する
事実の扱いに強弱をつける
「伝える順番」の工夫で、印象が変わる
マインド・コントロールに使われる手口
●「事実」を正確に伝える
事実ほど強いものはない
徹底的に事実を突き詰め、伝える
●「意見」とは「仮説」である
意見は時と場合次第で変わるもの
絶対に正解といえる意見は存在しない
●「それは主観ですよね」と言ってはいけない
「論理の希釈」は厳禁
罵倒句など「反論できない言葉」は使わない
「あなたはわかっていない」もNG
●「特殊事例」を拡大解釈しない
例外は、あくまでも例外として扱う
特殊事例を拡大解釈すると結論を誤る
●「建設的な質問」をする
「愚問」とは何か
「何のための質問か」を明示する

第4章 議論力を磨く習慣

――異なる価値観に触れ、謙虚に学ぶ
●議論力の源泉は「事実」と「知識」
トンデモ理論に陥る人
疑似体験で「源泉」を蓄える
●「トンデモ本」に騙されない読書法
まずは「5冊」、手に取ってみる
良書との出合い方
●たしかな知識、正しい事実を得る方法
本は動画よりも時間効率がいい
事実を知るために新聞を読む
虚偽の投稿を見抜く
●ネットは「賢者をより賢く」「愚者をより愚かに」するツール
「○○さんも言っている」を鵜呑みにしない
エコーチェンバー病に注意
●「異なる価値観の人」と交流する
「心地よい人とつき合う」ことのデメリット
「違和感がある人」とあえて対話する
●「この人はなぜこんなことを言うのか」を考える
「他人の意見」は、まず聞く
「違和感のある意見」の理屈を考えてみる
●知ったかぶりをしない
「素人知識」を振りかざさない
謙虚な姿勢で学ぶ
議論力トレーニング問題解答集
おわりに





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