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復讐の協奏曲/中山七里(2020/11/11)【読書ノート】

私の仕事は無罪にすることで、真相を明らかにすることではない。
30年前に少女を惨殺した過去を持つ弁護士・御子柴礼司。
事務所に〈この国のジャスティス〉と名乗る者の呼びかけに応じた800人以上からの懲戒請求書が届く。
処理に忙殺されるなか、事務員の洋子は、外資系コンサルタント・知原と夕食をともにした。がしかし、翌朝、知原は遺体で見つかり、凶器に残った指紋から洋子が殺人容疑で逮捕された。洋子の弁護を引き受けた御子柴は、洋子がみずからと同じ地域出身であることを知り…….。
一度心に巣くった獣は、簡単に消えはしない――
めぐる因縁そして〈復讐〉の結末は!?

あらすじ(ネタバレあり)

"正義"の執行者として活動していた御子柴は、女児を殺害しバラバラにした「死体配達人」としての過去が暴露されたにも関わらず、依頼をこなし続けていた。ある日、東京弁護士会会長・谷崎に呼び出され、自身に対する大量の懲戒請求書が届いていることを知らされる。これらは「世間を騒がせた犯罪者だから」という理由で送られており、ブログ主「この国のジャスティス」の関与が疑われた。
御子柴は事務所に戻ると、事務員・洋子が請求書の処理をしていた。御子柴は請求者全員に対して業務妨害と名誉毀損で損害賠償を請求することを決め、処理を洋子に任せる。数日後、洋子は外資系コンサルタント・知原徹矢と食事をするが、知原はその夜殺害される。御子柴が不在の隙に刑事・桶屋が事務所に来て、洋子は殺害容疑で逮捕された。

洋子が警視庁にいることを知った御子柴は、刑事・桶屋と話し、洋子の殺人容疑を知る。洋子は殺人を否定し、ナイフにも見覚えがないと主張する。御子柴は弁護で洋子を助け出すことを約束し、調査を開始する。谷崎の事務所で人員を頼み、過払専門弁護士・宝来を代わりの事務員として迎え、ブログ主を突き止める約束をする。調査で知原が女性と交際し、利用後に捨てることを繰り返していたこと、その女性たちの名前リストを得る。また、知原と女性たちを繋いでいた南雲涼香の存在が浮かび上がる。しかし、調査中に御子柴は襲撃され、救急車を呼んで治療を受ける。

病院で治療を受けた後、御子柴は女性たちと仲介人・南雲涼香について調べる。その中で、知原と交際後自殺した女性・日比野美鳥の存在が明らかになる。御子柴は美鳥の家族を訪問し、美鳥の恨みを共有する森沢家も調べる。同時に、洋子の過去にも目を向け、彼女が母子家庭で育ち、戸籍が存在しないことを知る。調査を進める中で、御子柴は洋子のルーツが自分が関わった女児殺害事件と関連していることを発見する。

初公判前に洋子と接見した御子柴は、彼女の無罪を証明するために全力を尽くす。公判では、ナイフの加工方法や血痕の証拠が不十分であることを指摘する。第二回公判で、ナイフに残った指紋の位置から、犯行に使用されたナイフがレストランで使われていたことを明らかにする。最終的に、事件の真犯人が森沢雛乃であることが判明し、彼女は自殺した日比野美鳥の妹であった。また、ブログ主であり、襲撃犯でもあった野際貴子の正体も明らかになる。彼女は御子柴や他の人物に対する恨みを持つ佐原みどりの母・成美によって操られていた。最終的に、御子柴は洋子の無罪放免を勝ち取り、事件の顛末を成美に告げ、洋子の無罪放免パーティーへと出かける。



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