六人の嘘つきな大学生／浅倉秋成【読書ノート】
感想文を書くだけでネタバレになってしまうので、感想文が書けまてん＞＜ ……と大胆な言い訳ができて既読者もツッコミ入れられないしそれってあなたの感想ですよね封じに最適な作品。 ⇒六人の嘘つきな大学生／浅倉秋成
成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。最終選考に残った六人の就活生に与えられた課題は、一カ月後までにチームを作り上げ、ディスカッションをするというものだった。全員で内定を得るため、波多野祥吾は五人の学生と交流を深めていくが、本番直前に課題の変更が通達される。それは、「六人の中から一人の内定者を決める」こと。仲間だったはずの六人は、ひとつの席を奪い合うライバルになった。内定を賭けた議論が進む中、六通の封筒が発見される。個人名が書かれた封筒を空けると「●●は人殺し」だという告発文が入っていた。彼ら六人の嘘と罪とは。そして「犯人」の目的とは――。怒濤の伏線回収に驚嘆の声続出！ 青春ミステリの傑作が、ついに文庫化！
登場人物
波多野祥吾（はたの しょうご）：立教大学経済学部に通う学生。散歩サークル所属。朝霞市在住で、嶌衣織に興味津々。物語前半の主人公。最適な情報から答えを導き出せる参謀的なポジション。
九賀蒼汰（くが そうた）：慶應大学総合政策学部の学生。知的で爽やか、リーダーシップ抜群。イケメン。フェアであることに重きを置くリーダー的 なポジション。
袴田亮（はかまだ りょう）：明治大学国際日本学部の学生。高校時代は野球部キャプテン。現在はボランティアサークル代表。コミュニケーション力が高く非常に明るいムードメーカー的なポジション。
矢代つばさ（やしろ つばさ）：お茶の水女子大国際文化専攻。海外旅行好きで人脈豊富。超絶美人で高嶺の花的なポジション。
嶌衣織（しま いおり）：早稲田大学社会学部学生。プロントでバイト。洞察力に優れ、物語後半の主人公。優しさと頭脳明晰さで一目を置かれる存在。影の立役者的なポジション。
森久保公彦（もりくぼ きみひこ）：一橋大学社会学部の学生。口数少ないが、野心は強い。データ収集と分析が得意。縁の下の力持ち的なポジション。
鴻上達章（こうがみ たつあき）：スピラリンクス人事部長。プロフェッショナルなキャリアを持つ。
あらすじ
この物語は、時の流れとともに展開される二つの章から成り立っている。序章「就職試験」では、2011年の静かな舞台で波多野祥吾が中心となり、彼の目を通して物語が語られる。
ここでは、波多野が成長著しいIT企業「スピラリンクス」の新卒採用プロセスに挑む。この企業は初めての新卒採用を行い、最終選考に残った六人の若者たちに、チームを組んで一カ月後にディスカッションを展開するという難題を投げかける。
物語は次に、2019年へと時を飛び、「それから」と題された後半部に移行する。ここでは、嶌衣織が物語の中心となり、彼女の視点から物語が綴られる。就職試験の舞台から時が流れ、登場人物たちはそれぞれの道を歩んでいる。
波多野祥吾と他の五人の学生たちは、スピラリンクスでの内定を勝ち取るために互いに協力し合う。しかし、本番直前の突然の通達で、彼らの試練は新たな局面を迎える。それは、「六人の中からたった一人だけが内定を得る」という過酷なルールの変更だった。かつては仲間だった彼らは、たった一つの席を巡り、互いにライバルと化す。
緊張が高まる中、彼らの前には六通の封筒が現れる。それぞれの名前が記された封筒の中には、衝撃的な告発文が入っていた。「●●は人殺し」という言葉が、彼らの間に新たな波紋を投げかける。この告発が意味するものは何か？彼らの過去に隠された嘘と罪とは？そして、この告発を行った「犯人」の真の目的とは何なのか？
物語は、信頼と裏切り、希望と絶望が交錯する、緊迫感あふれる展開を見せていく……
以下、ネタバレに近いあらすじ
最終選考では「六人の中で誰が最も内定に相応しいか」をテーマにディスカッションが展開され、自分以外の人に投票する多数決方式が採用された。
初回の投票後、参加者宛の告発文が含まれた謎の封筒が発見され、内容が明らかになるたびに投票の動向が変わっていった。告発文は参加者の過去の疑惑や秘密を暴露するもので、それぞれの票数に影響を与えた。
途中、犯人探しへと話が移り、最終的に○○○が犯人であることが示唆されたが、彼は自ら犯人であると言い残して去った。最終投票では○○○が最多票を獲得し、内定を勝ち取った。この選考プロセスは、個々の秘密や罪を暴露し合うことで、相互の信頼を損ね、予期せぬ結末を迎えることになった。
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