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人間関係の相手は「責任逃れのために誠実さを欠いた人」  


こんにちは。

名古屋で社会保障制度の調査代行をしている社会福祉士の稲山です。

どれだけのめり込んでも「趣味は仕事」とは言いたくありません。
#でも、それが一番しっくりくる。



「人間の悩みは、すべて人間関係」/アルフレッド・アドラー

弊所の相談者も人間関係と闘っていらっしゃいます。

今回は30代男性Fさんの話。

※読者の皆様にお伝えしたいことは、人間関係に悩み闘っているのはあなただけではないということ、ここにもお一人いらっしゃるということです。#共感、同士、一人じゃない。内容の是非に関するコメントは差し控えていただきますようお願いいたします。






はじまり


人間関係の相手は、Fさんが高齢者介護施設(以下、施設)で相談員として勤めていた時の施設長。


Fさんは採用時に施設長から「国から出る手当は職員全員で等分、相談員にも手当を支給する」という説明を受けたそうです。しかし、Fさんが退職するまでの3年間、一度もFさんに手当が支給されることはありませんでした。結局この手当は介護職員にのみ支給され、それ以外の職員(相談員や看護師、リハビリ職員等)には支給されなかったそうです(介護職員のみを対象とする手当だった)。




3年後


Fさんはその施設を退職することになりましたが、退職間際になって施設長から「介護職員以外の職員にも手当を支給することができるようになった」という話がありました。その手当は国からではなく、法人から支給されるものでした。さらに施設長は「手当を支給してもらえるように頑張っていたんだよ。国からの手当は介護職員以外には支給をすることができなかったからね」とも言ったそうです。




なぜ「今」なのか?


なぜ今になって施設長は、国からの手当が介護職員以外には支給をすることができなかったという話をしたのか。それは自分を守ってくれるもの(法人から支給される手当)が手に入ったからだとFさんは考えています。国からの手当が自分には支給されないと分かった職員から「約束が違う」という声が上がったとしても、「その代わりに法人から支給される手当がある」という説明ができれば、上がった声を抑えられる、自分の間違いを誤魔化すことができると考えたのでしょう。だからここにきて施設長は介護職員以外には支給をするこができなかった手当の話を持ち出してきた、というわけです。




Fさんと施設長の言い分


施設長から口頭で伝えられた「国から出る手当は職員全員で等分する、相談員にも手当を支給する」ということが守られなかった場合、そのことが法律違反になるのかどうかをきちんと調べる必要があります。しかし、Fさんが言いたいのはそのことではありません。Fさんは、なぜ施設長は約束が守れないと分かった時点で職員に説明をしなかったのかということに疑念を感じています。考えられる理由は以下の通りです。


・お金が絡み、法律違反になるような間違いを認めるのが怖かった。


・間違いを受け入れ、謝罪することが難しかった。


施設長は法人に「国からの手当は介護職員にしか支給できない、介護職員以外の職員には別の形で手当を支給できないか」と掛け合っていたそうです。この行為は職員のためを思ってのことだったのだと思います。そして約3年後、介護職員以外の職員に法人から手当の支給が決まりました。その際、施設長は「今回の手当を支給してもらえるように頑張っていたんだよ。国からの手当は介護職員以外には支給できなかったからね」と話したそうです。Fさんを含む介護職員以外の職員との約束が守れていなかったことを気にしていたのだと思います。




本当に必要なこと


施設長はどうすればよかったのか、それは国からの手当が介護職員以外には支給をすることができないと分かった時点で、率直にそのことを職員に説明をする必要がありました。その説明に納得ができないという職員も出てくるかもしれませんが、それは仕方のないことです。施設長は困難な状況に立ち向かうことが難しかったのだと思いますが、一番はじめにやらなくてはいけなかった本当に必要なことは、間違いを認め、正直に説明をする、ということでした。




さいごに


Fさんは施設長についてこのように言っています。「施設長は逃げた、間違いを認めず、説明せず。これは人として弱いから。自分を守ってくれるもの(法人から介護職員以外に支給される手当)ができたから間違いを認めた、これは人として卑怯だから」


人間関係と闘っているのは、あなた一人ではなさそうです。



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