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遊び場と匣の向こう側:ビデオゲームと少年少女たち

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「ゲームとは、芸術の一形態であり、プレーヤーと呼ばれる参加者が目標達成を目指して、ゲームトークンを介して資源管理のため意志決定するものである」(グレッグ・コスティキャン)  「…
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2017年6月の記事一覧

『アはアーケードのア』 第14回『ゼビウス』(1983年/ナムコ)

『アはアーケードのア』 第14回『ゼビウス』(1983年/ナムコ)

ゲーム史において時計の針を大きく進めた作品 地上と空中を撃ち分けて進んでいくゲームシステム、無彩色のグラデーションで表現されたメカニック、絵巻物のように進んでいく背景、神秘的なSE、バックストーリーを感じさせる謎めいた世界観と数々の隠し要素……『ゼビウス』はその後のビデオゲームに大きな影響を与えた黎明期の傑作です。

 『ゼビウス』を初めてプレイしたとき、じつに不思議な気持ちになったことをよく覚え

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『アはアーケードのア』 第13回『スペースインベーダー』(1978年タイトー)

衝撃的だった『スペースインベーダー』との出会い
『スペースインベーダー』は西角友宏氏がAtariの『Breakout』(ブロック崩し)をヒントに作り出したといわれています。『Breakout』のブロックを動かし、弾を撃たせ、より能動的な遊びに進化させたのが『スペースインベーダー』です。

 社会現象にもなった『スペースインベーダー』という作品があったからこそ、多くの人々が「テレビゲーム」というもの

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『アはアーケードのア』 第5回『オメガファイター』(1989年UPL)

『アはアーケードのア』 第5回『オメガファイター』(1989年UPL)

伝説のゲームデザイナー“MTJ”の移籍後第一作 『オメガファイター』は、MTJこと三辻富貴朗(みつじ ふきお)さんがディレクターを務められた、独特のパワーアップシステムを持つ縦スクロールシューティングゲームです。

 三辻さんは『ハレーズコメット』『スーパーデッドヒート』『バブルボブル』『レインボーアイランド』『ヴォルフィード』『サイバリオン』『マジカルパズルポピルズ』など数々のユニークな作品を世

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「交換日記といえば」 カワグチより

エミリへ

ときに君は、『超兄貴』というゲームを知っているかい?

↑これ。

詳しくは説明しないよ。知りたければググってくれ。

今ではこんなんなっちまった俺だけど、昔は女の子と交換日記をしてた時代もあったのよ。

小学校5年の時、給食を食べる班で交換日記をやろう、ということになった。その班には俺が好きだったガンダさんもいたので、そりゃもうテンション高くウケようウケようと日々の出来事を盛って書い

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子供がプロゲーマーになりたいと言ってきたら――『月給プロゲーマー、1億円稼いでみた』書評

子供がプロゲーマーになりたいと言ってきたら――『月給プロゲーマー、1億円稼いでみた』書評

現状の日本のesportsシーンを考えると、「プロゲーマーになりたいという夢」に対して親が提示できる現実的な選択肢は2つしかない(よほど裕福な家庭でない限りは)。

諦めさせるか、まず相応の実力を身につけてから挑戦すべきと諭すか。

人生に何のリスクヘッジもせず子供がプロゲーマーを目指して一直線に邁進することをサポートするのは、親の気持ちとしてはかなり厳しいものがあるだろう。

弊誌の読者なら、2

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芸術は誰のもの?

芸術は誰のもの?

最近ふと考えることがあります。例えば10本映画を観て10本楽しめる人と3本楽しめる人だったら10本楽しめる方がお得なんじゃないだろうか?

どういうことかと言うと、僕は映画が好きで、なおかつミーハーなので流行りの映画は一通り見るんですが、どこか批評的な目で観ていて純粋に映画を楽しめているのだろうか?と思うときがあるのです。どこか粗探しをしてしまっていると言いますか…。

どういった目で作品を受け止

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