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自分の好きなジャンルを書きたいけど……と悩むライターさん(その1)-ツカミ -演劇ライターの巻

タイトル『自分の好きなジャンルを書きたいけど……と悩むライターさん』というのは、某氏へのアンサー原稿として途中まで大昔書いたもんだけど、あらためていま現在の思考でアップデート(掘り起こし)。

当時は「なにを悩む必要があるのだ、ただのファンと違って、◯◯専門ライターになれば、取材できるし、会いたい人にも逢えるし、別の次元で◯◯と関われる。ただのファンでは絶対に知り得なかった世界が見える」みたいな返信をしたと思うけど、まずはこれだ。


■ 好きなジャンルの最強オタクになろうとも本当のことは知ることはできない…なぜなら

◯◯専門・得意ライターとして売り出した場合、当然◯◯業界を取材することになる。最近のWebライターさんだと、はじめはコタツ記事によるレビューがスタートなのかしら。

ほんで、名が売れたり経験値があがると、別の媒体からの執筆依頼も増え、同じテーマで何本も書く苦しさを経験しつつ、同時に人脈も増え、媒体によっては、必ず〝取材〟することになります。

はじめはメールや電話取材だけかもしれないけど、さらに寄稿媒体が増え、その媒体に〝インタビューベージ〟があれば、必ずインタビューの仕事もきます。

するとインタビューで「あ、ここはオフレコで」ということも多く、当然本人しか知らない情報や公にできない話をちらほら聞くように。

絶対に公にできないエピソードは当然ネットにも出ないし。
つまり◯◯に、ものすごい詳しい人でも〝知らない情報〟が耳に入るわけです。

このとき、少し偉くなった気がします。

自分はお願いしたことないけど、サインもらったり記念撮影してもらっているライターさんも多くいました。なにかの特典があることも。

これらは、いちファンだったらすぐには体験できない世界でしょう。

しかし、ある程度、強い媒体で連載していたら、大手事務所は広告案件なのでムリですが、ライターとして著名人に数カ月後には会えることも。

これが〝好きなジャンルを書きたいけど〟と悩むライターさんにまずお伝えたいことです。

■ ツカミをまとめると、こんな流れ

  • Webでなんでも◯◯ジャンルの専門レビューを書きはじめる

  • あれよあれよと、連載ページや発注が増えて、◯◯業界の人脈が増えると同時に、媒体人脈も増える(これが突然きます)

  • 取材・インタビューが必要な媒体の仕事に関わると、即インタビュー取材の仕事入ります

  • 同時に◯◯業界のコネができるので、いろいろ裏情報が入ってきます

  • 会いたい人にアポ入れられます

■ わたくし〝演劇ライター〟の場合

自分は日刊誌連載(日刊50万部)の演劇ライターとしてデビューしたので、デビュー3週間後くらいから、学生劇団の取材。

のちにちょっとずつ大きな劇団を取材し、数カ月後から役者さんインタビューや演出家インタビューなどを雑誌に寄稿しました。

演劇ライターの特典として、ほぼすべての公演が〝招待〟なので、デビュー1年目は年間190本くらいの芝居を劇場で見てます。

当時、特に演劇ファンではなかったけど、取材するうちにより好きになり詳しくなり、当然取材相手とも仲良くなります。

詳しくは書けませんが、元劇団四季の人とか、いまや某有名2.5次元演出家さんとか夜中に何時間も話たり、とにかく夜中に話す人が10数人くらいできて(いまや有名な脚本家や俳優も数人)。

お互いに夢かたってたわけです。

雲の上の人になった佐々木蔵之介氏も当時は「蔵之介〜」と呼んでました(彼は劇団広報やってたことあるのね、飲んだのは1回)。

てな感じで、演劇業界人たちと飲むことも多く、男女関係、お金の問題などなど。
ここでは書けないことたくさん。

過去にネットに何度も書いている、三谷幸喜氏の〝毒舌ぶり〟はまた書きたいと思いますけど。

ほんで、そうしているうちに〝ジャーナリスト・評論家〟の立場になっていき。
演劇界を盛り上げたい!ってな記事も増え。

演劇人から「今公演どうでした?」ときかれるようになっていきます。
ときにアドバイスも求められることも。

さらに仲良くなったら、劇団員に話していないことで相談されることに。

◯◯専門・得意ライターになると、ともに◯◯業界を盛り上げていきましょう!という仲間になるんです。

■次回は、映画ライター、ゲームライター実例と営業戦略

残念ながら、演劇ライターの仕事はのちに映画ライターやゲームライターの仕事が忙しくなり、公演もほとんど見に行けず、第一線から退くことに(その後は、プレビュー原稿ばかり書いてましたね)。

というわけで、次回は、映画ライター、ゲームライターのパターンもご紹介したうえで。

本題の『自分の好きなジャンルを書きたいけど……と悩むライターさん』についてさらに掘り起こしてみたいところ。

そのうえで、好きなジャンルで書くための営業戦略もいきたい。

※画像は生成AIです

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