見出し画像

モンスターカスタマーを思い出す

こんにちは。
オーストラリアに住んでいるフミです🍇

先日読ませてもらった記事で、
「分かる〜」というものがあったので、
共有させてください。


子どもの頃から日本とアメリカを行き来していて、
オーストラリアに住んでいた時期もあり、
オーストラリアへの移住を計画されているTakさん。

いろんな文化に触れてきた方ならではの、
「日本の生きづらさ」に触れている一節。

よく日本はサービスがすごいと言われてると思います。
僕も同じく、そう思います。

アメリカ🇺🇸に住んで、オーストラリア🇦🇺にも少しいて、台湾🇹🇼、中国🇨🇳、韓国🇰🇷に出張し、イタリア🇮🇹、マレーシア🇲🇾に旅行に行きましたが、やはりホスピタリティレベルは高く、道も綺麗だなと。

でもそれに慣れすぎて、少しでもその枠から外れると不機嫌になったりするのは、
自分たちで自分たちを生きづらくしてない?って思うんですよね。

Takさんの記事より

これを読んで、ふと思い出したことがあります。

日本で社会人2年目の頃。
本社配属を目指しながら
銀座近くの食物販の店で、楽しく勤務していました。

ある日のことです。
カウンターで二人組の女性にコーヒーを頼まれ、
バリスタにオーダーを通し、お会計をします。

女性の年齢は30代後半か40代。
身なりにかなり気を遣っている、美魔女という感じ。

コーヒーを提供して、数分。
その二人の女性がわたしの元へ戻ってきて
とつぜん怒鳴り始めたのです。

「ケーキセットがあるなんて知らなかった!
 なんか甘いもの食べたいって会話、
 聞いてたくせに、なんで勧めなかったわけ?!」
「こんな最低な店員、初めてなんだけど!」

5分間くらい捲し立てられました。

当時のわたしのお店には、
様々なサービスがありました。
もちろんメニュー表には載っています。

ランチにセット価格でコーヒーを付けられたり、
飲み物とケーキと頼むと合計金額から値引きがある、
マグカップを選ぶとちょっとお値引きがあるなど。

正直なところ、全てのお客様に、
ランチのメニューからケーキのメニュー、
お値引きのサービス、タイムサービスなどを
事細かには説明しません。

ましてや、カウンターに来て
サッと「コーヒー2つ」なんて言うお客様に
つらつらと端からサービスの説明をするのは、
ホスピタリティが高いとは言えません。

お客様の全会話を聞いてはいませんし、
ケーキを頼みたいなら今からでも
セットのサービスには応じると言っているのだから、
セットにしてって言うだけではないでしょうか。

何を説明しても、妙齢女性の絶叫は止まりません。
お店じゅうの店員と客に見つめられながら、
ひたすら「申し訳ございません」を繰り返しました。


わたしのお店には、こういった「銀座の美魔女」が
多く来店していました。
お客様の前で泣き出してしまう、
時にはトラウマを抱えてそのまま辞めてしまう、
アルバイトの子も何人も見てきました。

わたしは泣きません。
自分が悪いと思えない文句には何も感じないからです。
でも、みんながそうじゃない。
そこまでしてこき下ろす必要がありますか?

こういう極端な例じゃなくても、
料理の提供が思っていたよりも遅いと怒ったり、
前はやってもらえたのに、と駄々をこねたり。


そうしているうちに、厄介なお客様がいるから
「ルールなので」で通そうという策が生まれ、
一般のお客様に喜んでもらうことよりも、
モンスターカスタマーをキレさせないことを優先して、
逆に融通の効かないサービスを生み出したり。

接客業についている人が、
モンスターカスタマーに怯えて
生き生き仕事できなかったり。


一方、オーストラリアでは確かに、
お客様が怒っているのを見たことがありません。

「これ、言ったやつと違うんだけど。
 あ、変えてくれる?悪いねえ。」
「机拭いてくれるの?
 確かにちょっと汚れてるね。ありがとう。」
「電話オーダーしたもの取りに来たよ。
 あ、まだ出来てない?
 オッケー、先に払ってもいいのかな?」
「新人さんなの?ゆっくりでいいよ。
 初めのうちは、周りの店員に注目されて、
 かえって緊張しちゃうよねえ。」

日本の感覚で働き始めた時は、
わたしみたいなカタコトの人がオーダー取ったら
聞き返しすぎて、ブチギレられて仕事にならないよ!
と思ってたのに、全然へっちゃら。

お客様がその態度だからこそ、
その場その場で応じられるサービスは応じます。
説明すれば分かってもらえるし、
こちらにも、心身ともに余裕があるからです。
win-winじゃないでしょうか?

オーストラリアでは、オーダーを取ってもらう時に
「すいませーん」と店員を呼ぶのはNG。
オーダーを取るタイミングは店員が決めます。
忙しい時はちょっと待ってね、ということ。
その代わり、オーダー前のお客様はチェックする。


なんでこう違うんだろう。
そこにやっぱり、日本の接客業軽視があるのではと。
そんなことないと言いつつ、見下している。

もし対等な関係、例えば仲のいい友達にだったら、
「ケーキセットがあるなんて知らなかった」
って店中に響き渡る金切り声で5分間キレ続けません。

やはり、店員には何を言ってもいい、
というところから来ていると思うのです。
これは、クレーマーに限らず、わたし含めみんなも、
店員に対する態度のレベルが低い。
やってもらって当たり前。

また、期待値をお互いに上げ合って、
足のつかない海であっぷあっぷしてる感じ。
きっと美魔女たちも、
誰かに引き上げられた期待値に応える生活で、
毎日ストレスだらけなんじゃないでしょうか。

すぐに世の中の考え方が変わったりはしない。
だけど、まずは自分から、
相手への期待値を上げすぎず、
ありがとうと言えていけたらな〜
改めてそんなことを思いました。

わたしの中の「ありがとうを忘れない」は
これをベースにしていきます。
世の中のサービス業のみなさま、本当にお疲れ様です。


最後にはなりましたが、Takさんの文章は、
気付かなかった視点を与えられたり、
海外移住に向けて具体的に歩く姿を
リアルタイムで追うのがワクワクしたりと、
とてもおもしろいので、ぜひ読んでみてください✨

この記事が参加している募集

振り返りnote

業界あるある

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?