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移動した在庫の稼働率が約4倍。作業時間は3分の1に!徹底的に『成果』にこだわった支援のリアルを聞きました

フルカイテン広報の斉藤です。2023年6月からFULL KAITENを導入するお客様を支援するCS(カスタマーサクセス)に焦点を当てた「連載_お客様の課題を発見した瞬間」を始めました。

連載3回目となる今回は、フィールドセールスの鈴木とカスタマーサクセスの太田にインタビューしました。弊社が提供するFULL KAITEN〈在庫配分〉(売れる商品を売れる店舗に適量配置するAIによるサービス)を用いて、定量成果を創出できた要因は何なのでしょうか?
カスタマーサクセスを通じたFULL KAITENの提供価値が分かる記事ですので、最後まで楽しんでいただけると嬉しいです。

この記事のサマリ

・FULL KAITENの導入を決めた経営層と実務担当者との温度差を感じた
・全員が納得して取り組むには『定量成果』が必須
・移動した在庫の稼働率が約4倍に伸長し、作業時間は1/3に低減したことで活用が加速


はじめに

弊社でフィールドセールスを担当する鈴木は、FULL KAITENがどのようにお客様のお役に立っているのかを知り、フィールドセールスの業務に活かすためにカスタマーサクセスを兼任したいと志願しました。鈴木が営業段階から担当していたベビー・キッズアパレルを扱う小売業のお客様を支援することになりました。以下はFULL KAITEN導入初期にお客様と開催したミーティングでの会話です。

鈴木:(今日は実務でFULL KAITENを使う現場の皆さんのお話を沢山聞きたいな。)貴社とFULL KAITENのデータ連携が完了したので、いよいよ本格的に活用がスタートしますね!

現場の皆様:はい…。私たちが行っている業務がFULL KAITENによって良くなるのであれば、使っても良いかなと思います。

鈴木:(現場の皆様は、自分たちの業務の進め方に強い信念を持っていらっしゃるな。それは素晴らしいことだけど、FULL KAITENを活用して成果を創出して頂くためには数字で示すしかない!)分かりました。まずは在庫配分業務に取り組み、成果を創出できるように支援させていただきます。

今回は上記のやりとりに関して、FULL KAITEN〈在庫配分〉を用いてどのように定量成果を創出したのか鈴木に聞きました。

全員が納得するのは『数字』

【左】筆者(斉藤)【右】鈴木

【斉藤】鈴木さんがご支援しているお客様は、導入を決めた経営層はFULL KAITENに対して好意的でしたが、実務担当者の皆様からは「本当に使えるサービスなの?」という温度差を感じたそうですね。この差をどのように解消しましたか?

【鈴木】定量成果の数字しかないなと思いました。「FULL KAITENで効果が出ていますよ!」という事実が無いと物事が動かないと感じたので、最初から数字を細かく追っていました。

毎週の定例ミーティングで在庫課題のどこから手を打つか議論を重ねるなかで、成果を可視化しやすい在庫配分に取り組むことになりました。そこで費用対効果が生まれれば、今後はFULL KAITEN〈在庫分析〉(値引きを抑制しながら在庫消化を実現するサービス)を活用した業務も進みやすくなると考えました。

お客様からの『与信』を高めるために行ったこと

【斉藤】今回、FULL KAITEN〈在庫配分〉を用いて定量成果を創出したと伺いましたが、成果に至るまでにどのような壁にぶつかりましたか?

【鈴木】FULL KAITENはデータ分析のサービスなので、お客様の基幹システムとFULL KAITENのデータ連携がきちんとできないと成果は出ません。お客様がFULL KAITENを契約頂いたあと約2か月間は弊社側でデータ連携を行いますが、その後「ここのデータが上手く連携されていない!」という手戻りが発生することがあります。 
これは弊社側の問題だけではなく、お客様側の数字のズレなど要因は多種多様です。

原因は何であれ、データ連携に苦戦するとお客様からの与信が下がってしまいます。
私は過去にデータ連携の業務をしていた経験や知見もあるので、不備が起きないようにお客様のデータを隅々まで見て理解するよう努めていました。

【斉藤】それによって、現場の皆様との関係性も変わっていきましたか?

【鈴木】少しずつ変化しました。お客様のデータを隅々まで見ていたことで、データに関する質問があった際は的確に回答することができました。何かデータ関連の問題があった際は、弊社の問題なのか、お客様の問題なのか切り分けてプロジェクトを推進するという姿勢で行動しました。加えて、定例ミーティングの際は、お客様が目指しているゴールに対しての現在地を示して、前進していることを伝えました。

するとFULL KAITENプロジェクトを評価する役割の方からの与信が高まりました。評価者の与信が上がると、現場の皆様からの信頼も得ることができました。

「人が少なくて、業務が大変です。」というお声もあったので、特に現場の皆様へのフォローを欠かさず行っていました。

すると、現場担当の一人が「FULL KAITENを使ったら数字も良くなりましたし、業務がしやすくなりました。」と発信してくださいました。それが後押しになって、他の現場担当の方も前向きになりました。

【斉藤】それは嬉しいですね。このお客様は、鈴木さんが営業段階からカスタマーサクセスの支援まで一貫していますが、担当してみていかがですか?

【鈴木】商談の段階から、お客様が会社として取り組みたい全体のゴールがありました。それを叶えるための手段としてFULL KAITENを導入するという道筋が明確に見えたので、カスタマーサクセスの支援ストーリーを組み立てやすかったです。 

ご支援する中で感じたのですが、あまり細かいことの対応ばかりになると、大きいゴールに結びつかないと思います。大きいゴールを目指しながら、そこにたどり着くためのステップを積み上げていかないと、定量成果を創出することは難しいと思います。

移動した在庫の稼働率が約4倍。作業時間は3分の1に!

【斉藤】ここからは、FULL KAITEN〈在庫配分〉を用いて創出した定量成果について伺います。最初はどのようなことを行いましたか?

【鈴木】大前提として、お客様の業務内容やビジネスをきちんと理解することがとても大事です。その上で、具体的な活用方法をお話しします。

このお客様は実店舗とECの両方をお持ちですが、EC部門においてFULL KAITENを導入しています。まずは、複数あるEC店舗の売上比率と、在庫の所在地を一覧表にまとめました。

EC店舗の売上比率と、在庫の所在地を示した一覧表のイメージ。赤文字の箇所が、売上シェアが大きいEC店舗

【鈴木】売上シェアが大きいEC店舗への在庫配分に注力しました。優先順位を付けることで、不要な移動を防ぐ狙いもあります。

FULL KAITEN導入前と導入後の在庫配分を比較するために、移動した在庫がどれくらい売れたのかを示す『稼働率』を算出したところ、FULL KAITEN導入後は約4倍まで伸長しました。

【FULL KAITEN導入前】

移動指示日:2023年7月初旬
SKU数  :約1,000
移動在庫数:約10,000
稼働率  :11%
創出売上 :約1,800,000
創出利益 :約960,000

移動指示日:2023年7月中旬
SKU数  :約600
移動在庫数:約3,400
稼働率  :18%
創出売上 :約990,000
創出利益 :約480,000

【FULL KAITEN導入後】

移動指示日:2023年9月初旬
SKU数  :約260
移動在庫数:約700
稼働率  :62%
創出売上 :約730,000
創出利益 :約240,000

【斉藤】FULL KAITEN導入後はSKU数と移動在庫数が少ないですが、これは何故ですか?

【鈴木】これは、敢えて減らしたわけではなく、お客様が移動する対象のブランドを絞っていたので、それに合わせて移動量は少なくなりました。ですが、今までより少ない在庫で効率的に売上と利益を創出できたことは、お客様も「すごい!!」と仰っていました。

【斉藤】素晴らしいです。お客様の作業時間も効率化しましたか?

【鈴木】はい!在庫移動担当は1名なのでその方の話でいうと、以前は毎週12時間(3時間×EC4社)ほど在庫配分業務に時間がかかっていましたが、現在は週当たり4時間ほどで業務が完了するようになったと伺いました。

今後のご支援は、カスタマーサクセスの太田に引き継ぐことになります。
引き続き、店舗でのFULL KAITEN活用をご提案させて頂きたいと考えています。


ここからは、同社(ベビー・キッズアパレルを扱う小売業)のご支援を鈴木から引き継ぐカスタマーサクセスの太田に話を聞きました。

弊社カスタマーサクセスの太田

【斉藤】太田さんは2023年10月に入社し、鈴木さんから同社を引き継ぎましたが、感触はいかがですか?

【太田】前職では大手アパレルSPAでベビー・キッズアパレルの生産を担当していました。同社の事は市場調査としてお店にも足を運んでいたため、よく知っておりました。定例ミーティングの際もお客様から頂く質問の質が高く、私も日々勉強させていたただいております。

ベビー・キッズアパレルを扱う小売業の課題

【太田】ベビー・キッズアパレルは基本的にSKUがかなり多くなります。例えば小学生なら、110センチから160センチくらいまであります。大人のS、M、L、XLの4サイズに比べてサイズ展開が多いです。

加えて、繁忙期と閑散期の差が大きいです。気温が大きく変化する際や、お子さんの春休みや夏休み、年末年始なども繁忙期です。1月、2月、6月、7月は閑散期になる傾向です。閑散期に関してはアパレル業界全体で同じ傾向だと思います。

【斉藤】自分の行動を振り返ると、気温が大きく変化した際に洋服を購入しているなと思いました。

【太田】そうですよね。前職では、全社の売上構成比のうち、キッズで何パーセント取れるかを意識して商売をしていましたが、時期による差が大きかったです。 
例えば4月頃に気温が高くなると夏物が売れて、11月頃は急に寒くなって冬物を買うのではないでしょうか。アパレル全体として気温の変わり目は商品が売れると思います。

【斉藤】生産という観点ではいかがですか?

【太田】子ども服はSKU数が多いので、生産の制約が色々とあります。工場に発注する最低ロットに満たないので作りたいものが作れないケースもあります。例えば、欲しいのは1000点なのに最低ロットが4000点以上の場合は、以下のような意思決定が必要です。

・企画自体を見直す
・色を絞る
・サイズを絞る

子ども服は大人に比べて市場規模が狭いので、生産数量が少なくなりがちです。様々な成約がある中で上手くやりくりする必要があったので、子ども服の生産は難易度が高いと思います。

今後は利用範囲をECから店舗に拡大したい

今後のご支援について話す太田

【太田】現在は、EC部門のみでFULL KAITENを活用して頂いていますが、お客様から「直営店でも導入したい。」という声を頂いています。今は在庫配分の費用対効果を見る効果検証を実施していて、成果が見えてきています。成果というのは、移動した在庫がどれくらい売れたのかを示す『稼働率』の事です。

実際の成果としては、FULL KAITEN導入前よりも移動した在庫の稼働率が上がると同時に、在庫の移動数も前より減りました。
これは、本来は移動する必要が無かった在庫を移動せずに済んだという事です。移動数が減ると、人件費と物流費などのコストの削減もできるため、その成果を受けて、お客様は店舗での導入も検討中です。

【斉藤】素晴らしい成果ですね!在庫分析の活用も進んでいますか?

【太田】はい。在庫配分と同じく、費用対効果を見るために効果検証を実施中です。前向きに取り組んで下さっており、「在庫分析もEC部門だけではなくて、店舗でも導入したいです。」と検討してくださっています。

【斉藤】同社の支援フェーズとしては自走段階にあるのですか?

【太田】はい。どの業務でFULL KAITENを使うかの業務設計は完了していて、お客様が実施した施策を元に弊社が効果検証をしています。お客様から「こういう風にデータが見たいです。」と具体的な要望を頂くので、それに対して回答しながら理解を深めています。

お客様の業績を伸ばし、チームに知見を蓄積したい

【太田】今後はFULL KAITENのデータを通じて、お客様のブランドごとやECモールごとの傾向もお伝えし、お客様の業績を伸ばすことに繋がるご提案を目指したいです。

一つ一つの施策の成果も大切ですが、業績改善に繋がる売上インパクトの大きい施策を見つけてお客様と一緒に取り組みたいと思っています。

【斉藤】そのような知見をカスタマーサクセスチームにも蓄積できるとよいですね。

【太田】はい!自走した後の支援方法もアップデートし続けているので、好事例を生み出してチームに横展開したいと考えています。

編集後記

今回は一人のカスタマーサクセスに焦点を当てるのではなく、フィールドセールスの鈴木から、カスタマーサクセスの太田にお客様の支援を引き継ぐというご支援のリアルをお届けしました。

初めは、現場の皆様がFULL KAITENの活用に対して心のハードルを感じている様子でしたが、今では定量成果を創出していらっしゃいます。
活用を進める中で越えなければならない壁や、試行錯誤も多々ありますが、FULL KAITENには『カスタマーサクセス』という心強いパートナーがいます。

在庫課題の解決は一朝一夕では実現できませんが、一緒に考え伴走する仲間がいると感じたインタビューでした。

ここまで読んで下さりありがとうございます。
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