福田フクスケ@編集&ライター

『TBSラジオ「空気階段の踊り場」公式本2017-2021』、斉藤章佳『盗撮をやめられ…

福田フクスケ@編集&ライター

『TBSラジオ「空気階段の踊り場」公式本2017-2021』、斉藤章佳『盗撮をやめられない男たち』の編集を担当。田中俊之・山田ルイ53世『中年男ルネッサンス』、プチ鹿島『芸人式新聞の読み方』、松尾スズキ『現代、野蛮人入門』の構成も。fukusuke611@gmail.com

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魁!!テレビ塾 第23訓『じゅん散歩』

素人にはおすすめできない 高田純次のリスキーな話法 押忍!! ワシが当テレビ塾塾長の福田フクスケである!  『ちい散歩』『若大将のゆうゆう散歩』の後継番組を高田純次が務めると聞いて、ひそかに心躍った人は多いはずだ。あの芸能界随一のテキトーなトークが、街歩き番組の一般人との絡みでどれだけ発揮されるのか。ネット上でも、放送開始前から待望論が盛り上がった。  結果として、彼は68歳という年相応の善戦を見せていると思う。番組開始早々「今日から散歩します、純次クルーニーです」とかま

    • お前のバカで目が覚める! 第22回「生き抜く路線図、住み分けの分布図」

      生き抜く路線図、住み分けの分布図 もう誰もがすべからくひしひしと切実に感じていることだし今さらこれみよがしにこぞって指摘するのもかっこ悪いかなぁと思ってノンシャランにおめおめと素通りに徹していたんだが、せっかくの機会だから腹式発声で小気味よく言わせてもらうけど、も、なんなら照れ隠しに語尾を「れろ」にしてやぶさかに言わせてもらうけどさ、auの「世代コータイ」のCMにおける松下由樹の扱われ方、あれ、どうなんだれろ! 一体なにが「せっかくの機会」なのかはこの際触れずに押し切ろうと思

      • 男のコンプレックス Vol.22「キャラ男子の想像力」

        あだ名のブランディングが 人生を左右する!? ミニコミ誌の制作者が集まる交流イベントで、初対面の来場者にあだ名を付ける遊びをしたことがある。相手の内面は一切考慮せず、見た目の印象だけで次々と名付けていくのだ。  髪がチリチリなので“ジョンイル”、面長でしゃくれているから“ばかうけ”、口が臭そうなので“口臭街道”、殴られたような顔をしているから“撲殺”などなど。一歩間違えばデリカシーの38度線を脱北してしまいそうなギリギリの言葉選びである。  しかし、絶妙すぎるあだ名は、と

        • 魁!!テレビ塾 第22訓『マツコとマツコ』

          テレビの異化装置・マツコを 異化させるマツコロイド 押忍!! ワシが当テレビ塾塾長の福田フクスケである!  2010年代前半のバラエティは、おおむねマツコ・デラックスと歩んだと言っていい。当初は、世間もまだ「また活きのいいオネエキャラが現れた」ぐらいの認識だったし、本人も「私は異形のバケモノだから何を言っても許されている」「どうせ長くは続かない」と、自分の状況を客観視するような醒めた発言を繰り返していた。  しかし、いつからかマツコは異形のマイノリティとしての違和感や戸惑

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        • 魁!!テレビ塾
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        • お前のバカで目が覚める!
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        • 男のコンプレックス
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        • 福田フクスケのロンドン滞在日記
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        • 40歳、『ONE PIECE』を初めて読んでみる
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        • ○○○○になりたいの
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          お前のバカで目が覚める! 第21回「ひらがなで書きたい『おだぎりじょー』」

          ひらがなで書きたい『おだぎりじょー』 田村正和が「マサにガスだね」と言い出した辺りから、どうもあやしいとは思っていた。日本人の濁点・半濁点に対するデリカシーの低さに、である。  よく焼き肉屋や居酒屋に行くと、結局「ビビンバ」なのか「ビビンパ」なのか、みたいな言葉じりが気になったりするじゃない。君はしなくても俺はするのね。だから戯れにネットで検索してみたわけ。そしたらもうね、事態はそんな生やさしい次元をはるかに超越してましたね。ビビンバ、ビビンパは言うに及ばず、「ビピンパ」「

          お前のバカで目が覚める! 第21回「ひらがなで書きたい『おだぎりじょー』」

          男のコンプレックス Vol.21「やっかみ男子の嫉妬心」

          おもろうてやがて悲しきは、 男のジェラシーや!「ソネミでーす!」 「ネタミでーす!」 「2人合わせて“嫉妬心”でーす!」 「うちら姉妹ですけど、キャラかぶりすぎちゃうかってよう言われるね」 「“エーデルワイス”と“へーベルハウス”くらい似てますからね」 「似てるの響きだけやん! よく見ると全然違うんですよー。『勝間和代の生き方って、前のめりにがっつきすぎで正直マネしたないわぁ』いうのがソネミ。『金麦のCMの壇れいって、男に媚びてぬくぬく専業主婦に収まった女に見えてい

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          魁!!テレビ塾 第21訓『FNS27時間テレビ』

          テレビ局がリア充を気取る限り テレビのピンチは終わらない? 押忍!! ワシが当テレビ塾塾長の福田フクスケである!  毎年恒例の『FNS27時間テレビ』が今年も放送された。ポスターに「テレビの時代はもう終わり?」という自虐的なコピーを掲げ、「テレビのピンチをチャンスに変える」と息巻いていた今回だが、彼らが謳う「本気」とやらが、「なーんか空回りしてるなー」と思った諸君は多いはずだ。  先日、ツイッターで「リア充は、世間の多数派の価値観に従うことに違和感を抱かないで済む人のこと

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          お前のバカで目が覚める! 第20回「生ぬるい恐怖新聞」

          生ぬるい恐怖新聞 世知辛い世の中である。いきなりボキャブラリーがシルバーシートにしゃがんでしまったけど、言いますよハタチだって「世知辛い」って。爽やかな朝はコーヒーとトースト、パリッとした朝刊でエレガントに迎えたい私であるが、新聞を開けばデロデロデロ。信玄餅のきな粉をはじいてカラまない黒蜜のように、先行き不安でナイーブな記事がポタポタ垂れ落ちてくる。政治・経済・社会面どこもかしこも、取り組みを終えた力士がエレベーターにびっしりひしめき合っているがごとき閉塞感でいっぱいだ。やる

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          男のコンプレックス Vol.20「ツンデル系男子のチェックメイト」

          男のプライド鉄道は、 女性の敷いたレールを走る!? 「まだわかんないけどさあ……俺、ひょっとしたら結婚するかもしんない」  友人があやふやにそう言うのである。「俺、川原でカッパ見たかもしんない」くらいのオボロゲでヒトゴトなテンション。どうやら、彼女のほうは積極的だが、自分としてはまだふんぎりがついていない、という段階らしい。  ところが、詳しく話を聞くとどうも雲行きが怪しい。部屋にさりげなくゼクシィが置いてある、「ちょっと見てみたいから」と式場のブライダルフェアに連れて行

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          魁!!テレビ塾 第20訓『世界の果てまでイッテQ』

          出産をリアクション芸にした 大島美幸へのバッシングの正体 押忍!! ワシが当テレビ塾塾長の福田フクスケである!  森三中の大島美幸がCCDカメラ付きのヘルメットを被って出産に臨んだ様子が、『世界の果てまでイッテQ』で放送され物議を醸した。安全面や衛生面で医師がOKを出しているなら、他人が文句を言う筋合いはないと思うのだが、許せない人はいるらしい。  「プライベートの切り売りをするな」「公共の電波に乗せるものじゃない」といった非難の声があったそうだが、そんなこと言ったらたい

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          お前のバカで目が覚める! 第19回「酔って消せない過去もある」

          酔って消せない過去もある 学生街の居酒屋でだけは働きたくねぇ! 私は高らかにそう宣言する者であります。とりわけ高田馬場、しかも早稲田の学園祭の後はなおさら御免こうむる。「打ち上げ」という名の下、節操ない・歯止め利かない・総じて手に負えない、ないない尽くしのタチ悪さを孕んだ学生たちが跳梁跋扈するからだ。  はずせる限りのハメとタガをはずしきり、夜を徹してのドンチャン騒ぎ。いや、「ドンチャン」って響きにはいたいけな無邪気さがまだ三十%配合されてるけど、馬場の騒ぎはね、カタカナに

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          男のコンプレックス Vol.19「体育会系男子のホモオパシー」

          男同士で慰め合った!? 禁断の××ソーシャル・ネットワーク 人生でいちばん女にモテたかった思春期に、人生でいちばんモテなかったという経験は、男を大いに屈折させる。屈折しすぎてグニャグニャになって、“俺、もう一生女子と付き合えないんじゃないの?”というところまで追いつめられたある日、ふとこう思ってしまったことがある。 “あれ? ひょっとして俺、男もイケちゃうんじゃないか?”  自分のオスとしてのアイデンティティがグラグラに揺れ動く瞬間。“ホモの吊り橋効果”と私が呼ぶこの現象

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          魁!!テレビ塾 第19訓『みんなのニュース』

          “テレビの人質”をソツなくこなす ネット識者の空気のような存在感 押忍!! ワシが当テレビ塾塾長の福田フクスケである!  柄本佑(兄)と柄本時生(弟)をはっきり区別するのが難しいように、近年は“情報番組”と“報道番組”の線引きが限りなくグズグズになっている。フジテレビの“報道の顔”安藤優子が、夕方の『スーパーニュース』を降板し、春からお昼の『直撃LIVEグッディ!』に異動したのは象徴的だ。  最近、この手の番組で顕著なもうひとつの傾向が“ネット知識人枠”の設置だろう。日テ

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          お前のバカで目が覚める! 第18回「日本語ギャランドゥ論」

          日本語ギャランドゥ論 どうしたことだろう。このところ毎日が眠い。一日中おおむね眠くて仕方ないのだ。朝電車に揺られてはうたた寝し、授業に出ながら睡魔に襲われ、帰りの車内も寝ずにはいられず、夜は夜とて眠くなる。おいおい、お前は一体いつ目覚めてるんだ。ほとんど眠気の合間を縫って生きているようなもんじゃないか。できれば電車の中では読書や考え事をして有意義に過ごしたいのに、あっさり眠気に負けてしまう自分がふがいない。抗おうとしても心の中のルーシー・リューが「寝ッチマイナ!」と命じてくる

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          男のコンプレックス Vol.18「不合格男子の自己採点」

          未練を清算するため “恋の答え合わせ”は自分で。 ああ、恋にも赤ペン先生がいればいいのに! と思うよね。……あ、いきなり無理な共感押し付けてごめん。でもほら、恋って抜き打ちテストみたいなとこあるでしょ。毎日が女性からの出題の連続じゃないですか。 「あれ、あのコ髪型少し変えたかな? でも、もし違ってたら“話題見つけようと必死”って思われないか?」とか。 「ツイッターで“体調悪い”ってつぶやいてるけど、わざわざ<大丈夫?>とかDMしたら“彼氏気取りかよ”って引かれないか?」と

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          魁!!テレビ塾 第18訓『水曜歌謡祭』

          力みまくりの『水曜歌謡祭』に 漂うあやういバッドトリップ感 押忍!! ワシが当テレビ塾塾長の福田フクスケである!  力み過ぎてて見ていて心配になるものといえば、フジテレビの男性新人アナウンサーか、志垣太郎のこめかみの青筋だが、今もっとも力みまくっている番組といえば、『水曜歌謡祭』で間違いないだろう。  4月15日放送の初回冒頭から、和田アキ子が歌う『私がオバサンになっても』で幕を開けるという、吊り橋効果かショック療法を狙っているとしか思えないトリッキーなスタート。西川貴教

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