マガジンのカバー画像

怖い話

81
運営しているクリエイター

#自殺

1.5秒の誤算(怖・短編小説)

1.5秒の誤算(怖・短編小説)

《カン カン カン カン》

黒と黄色の竹竿が警告音と共に下がってくる。

(ハァ ハァ ハァ ハァ)

計画通りいけば大丈夫、、計画では上手くいく。

僕は何度も何度も心で繰り返し、恐怖心を抑えていた。

《カン  カン カン カン》

ツートンカラーの竹竿はすっかり下に下がり切り、上下に揺れて往来を制止する。

《カン カン カン カン》

(ふぅ ふぅ ふぅ ふぅ ふ、、今だ、、)

僕は竹

もっとみる

見えなくて、見えていなくて(怖・短編小説)

いつからだろう、、子供の頃、、から、、物心がついた頃から、、人と接する様になった頃から、、

コップの中から虫がウジャウジャ出てくる様になった。

水道の蛇口をひねっても虫が出てくる。

ソースを出しても、

靴を履く時も、

お風呂に入る時も、

勿論それは人の顔も同じで、

目も鼻も口も耳も、漏れなく虫が出てきている。

そんなことには慣れてしまい、見た目虫のコーヒーもお茶も飲めるし、ラーメン

もっとみる
子守唄(怖・短編小説)

子守唄(怖・短編小説)

《ズドン、、》

窓の外で大きな音がしたが、寝る時にヘッドホンをしている僕の耳には聞こえる訳もない。

僕には兄がいた、

背が高くて、カッコよくて、頭が良くて、、

比べられる僕には最悪な兄貴だ。

教師や両親は兄と僕を比べ、クラスの奴らは兄貴に近づく為に僕に近づいた。

深みのある兄貴に薄っぺらな僕。

正義感の強い兄貴に卑怯な僕。

隣同士の部屋に正反対な二人。

そんな僕が寝る時に音楽をか

もっとみる