#134 新規事業担当者にとってのゴールって何だろう?
どんな仕事にもゴールの瞬間がやってくる。
成功にしても失敗にしても終わるときが来るのは仕方がない。ただ、どんな仕事でも成功で終わりにしたいのは当然の心情でしょう。
では、新規事業創出という仕事のゴールはどこだか分かりますか?一般的な仕事よりも時間軸が長く、しかも区切りが分かりにくいのが良くも悪くも新規事業の特徴です。
それでも担当者は人間なので、自分なりにゴールを迎えて達成感を感じられない日々が続いていくと、やっぱりやる気がそこまで続きません。では、新規事業創出者にとって正しいゴールって何なんでしょうか?
新規事業創出にはどういったプロセスがあるのか?
一般的には新しい事業を創出した段階でゴールなどですが、実際にやることは分解して考えると
アイデアを企画にまとめる
顧客ニーズなどを聞いて企画案のブラッシュアップする
事業・知財戦略を立てる
予備試作などを行って原理検証をする
量産プロセスの検証
量産立ち上げ
などと多くの工程に分かれています。
もちろん、これを全部一人でやれるのが理想ですが、現実問題としては全てをやるのに10年位かかるものもあります。また、後半のステージになると多くの人が関与してきます。
また、担当者によって最初のステージが得意な人もいれば、量産立ち上げに力を発揮する人がいます。その全てに高い能力を持っている人はごく稀です。
ゴール設定を失敗することによって引き起こされる不幸
だからといって、ステップごとに分担を分けると、次のステップに進めることだけを最優先して、後のステップに行ったときに困ってしまうケースも散見されます。
その辺のさじ加減はすごく難しい。例えば、最初のアイデアを企画にまとめる段階でも必ず多くの人の審査をクリアしないといけません。
そうなると多くの人は自分の企画を良く見せようとします。嘘はつかないですが、都合の良いストーリーを作り上げてしまうのです。でも、それは多少は仕方がないことなのでしょう。
そういったことにセンスがあって、見た目にすごく格好良い企画書を作れる人もいます。でも、そういった企画書が必ずしも優れているとは限りません。むしろ、見た目だけに騙されて失敗するケースが多いと思っています。
自分が企画担当者であれば、当然「仕事の成果=企画が審査をクリアすること」です。それができないようであれば、評価が下がってしまうのです。そうなると、行けるところまで行ってどうしようもなくなってから中止みたいなことになってしまいます。
私が一番危惧しているのは、「企画を通した人=出来る人」、「企画を通せなかった人=できない人」みたいなデジタル的な価値観が生まれてしまうのが問題なのです。
そうなると、多少無理やりでも良いので新規事業創出の企画を通そうとしてしまいます。でも、全てがうまく行くはずがありません。ダメなら傷口が広がらないうちに辞めるのが一番なのです。
ではどうやっていけば良いのでしょうか?
一番の問題は、中止の決断をした人が評価される仕組みがないのです。それを何とかしていかないと日本のようなカルチャーでは新規事業がどんどん生まれてくることはないでしょう。
VUCA時代と呼ばれている昨今では、どんどん新しいチャレンジをしながら自分たちで未来を作っていくことが求められます。そんなスピード感のときに何年もかけて企業の企画書をこねくり回しているような企業は早晩脱落します。
今までは開発した製品が20~30年のも長きに分かって利益を上げてきたので、それでよかったでしょうが、今は技術や市場も日進月歩です。
去年流行していた製品が2年後にはすっかり見なくなったなんてことも多いです。そういった時代に対応するためには、新規事業はどんどんチャレンジして、経験値を高めようという風況はあります。
それ自身は私は賛成なのですが、始めたことを中止できない仕組みを解決しないままに、どんどん新しいことを始めても全く意味がないのです。
それは、中途半端に始まったテーマが不良採算のように積みあがっていくだけで、新しいことに挑戦して得られた知見が増えていく訳ではないのです。中途半端な状態が一番リスクです。
そのためには、中止を含めた公正な判断を出来るようになること、またそういった人材を正しく評価して出世させることが重要になってきます。やはり、これからの時代は「チャレンジ」をして、どんどん新しい体験をしていくことが求められます。
そのチャレンジの一つ一つが新規事業担当者としてのゴールだと思います。その小さいゴールの積み重ねが、新規事業担当者としての成長につながりますし、いつかは大きな花を咲かせることになるでしょう。
今日は抽象的な内容でしたが、新規事業担当者としてのゴールについてまとめました。正確なゴールが何かというよりも、ゴールに向かって挑戦しつづけながらも、冷静な判断を出来るようになりたいものです。
では、また明日のnoteも読んでください。
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