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【短編小説】メロンパンみたいな恋だった
ふらりと入ったパン屋さんで、メロンパンを見つけた。
「私には甘すぎる」という理由でいつの間にか遠のいていたメロンパン。小学生のころは毎日のように食べていたのに。
人気NO.3と書かれた赤い札を見たら、自然とトングが動いた。挟むと下のほうだけやわらかくて、沈む。雲をつかんでいるみたいだった。十数年ぶりのメロンパンをトレイに乗せてレジへ向かう。
透明なポリ袋に入れてもらって、ショルダーバッグの一番
ルイ13世(ショートショート)
今日はなんだかついてない。
仕事はちょっとしたミスが続き、上司にも怒られて気分が沈む。
大きなミスを1回するより、小さなミスが10回続く方が、落ち込む。
ーーお酒でも飲めたらな。
父親に似てお酒がなかなか飲めない私は、同僚がよく言う”酒で嫌なことを忘れる”なんてことはできなくて。
経済的なのはいいけれど、なんだかちょっと損した気分。
少しならいけるんじゃないか。
そんなよくわからない