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太宰の時間ですよ!

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太宰治生誕110年を記念して、2019年6月19日から2020年6月19日まで、太宰治を「接続装置=メディア」としたつぶやきをアーカイブしていきます!
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2019年7月の記事一覧

走れよメロス! 〜付け馬事件あるいは熱海事件簿〜

走れよメロス! 〜付け馬事件あるいは熱海事件簿〜

熱海の太宰治事件現場からホンノクロコがお伝えします! 

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梅雨曇りの7月、わたくしは、多くの文豪に愛された近代建築の起雲閣を訪ねました。1948年(昭和23年)、太宰治が『人間失格』を執筆した元旅館としても有名な建物です。現在の起雲閣には、旅館に泊まった作家たちの資料が展示されているのですが、そのキャプションの中に1936年(昭和11年)の「付け馬事件」がしっかりと明記されていました。(

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海をみたかい ?

海をみたかい ?

「東京の三鷹の家にいた頃は、毎日のように近所に爆弾が落ちて、私は死んだってかまわないが、しかしこの子の頭上に爆弾が落ちたら、この子はとうとう、海というものを一度も見ずに死んでしまうのだと思うと、つらい気がした。」

そのような冒頭で始まる太宰治の短編『海』が沁みる。たった5分で読み切れるテキストだが、何度読んでもぐっとくる。

戦争末期になると、日本の本土空襲は激しくなり、明日は我が身かもしれない

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七夕さまと太宰

「七夕の日に雨が降ったら、織姫と彦星は会えなくて可哀そうですよね」と、好きなひとに手紙を出したことがある。すると意中のひとは「星のある場所は雲の上だから、地上に雨が降っていたとしても関係なくふたりは会えると思っています」と返事を来くれて、ますます惚れてしまった。男のひとはロマンチストだと思った。

では、我らが、太宰治さんはどうでしょう。

「バカノ果。コヨヒ、七夕祭。 治。」

この句は、昭和1

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