見出し画像

再読 『登山者のための法律入門』

知人のSNS投稿でこの本について触れられていた。それを見て、以前買って読んだことを思い出し、再読しようと思ったら見当たらず。結局、オンラインで注文して2度目の購入をした。

と言うわけで、再読に加え、再購入だ。

この本に限らず、本には読むべきタイミングのようなものがある。読みたいとおおって読んでみてもいまいち中身が入ってこなかったり、改めて読んでみるとたくさんの発見があったり。また、社会情勢は変化するので感じ方も変わる。ともあれ、再読してよかった。気がついたこと、気になったことを今回も触れていこうと思う。


ヒヤリ、ハット

「山でヒヤリとした経験は何度もあるが、今まで大丈夫だったので、次も大丈夫だろう」ではなく、「山でヒヤリとした経験は何度もあるが、今まで大丈夫だったので、確率からいえば、次は重大な事故が起きるかもしれない」と考える必要があります。(P.17より)

自身が走る時のこと、大会を運営する時のことを思い返しながら読んだ。

回を重ねて経験が増えているのに一向に安心できない。僕は大変臆病な性格だ。だからもしかしたらこれが幸いしているのかもしれない。けれど、そこで慢心せず、臆病になるべき所は臆病に、リスクを減らしつつ、最大限楽しみたい。


登山は他人の山を登る行為

日本中の山は必ず土地所有者がおり、登山は他人の土地を登る行為です。どんなに辺鄙な山奥の崖や谷でも、必ず土地所有者がいます。仮に日本に人跡未到の土地があったとしても、土地所有者がいます。(P.18より)

土地に関するくだりはこの後もたびたび出てくるのだが、山に入る上でこの感覚はとても大切だ。「誰かの土地にお邪魔している」「誰かが手を入れてくれているから通ることができる」という気持ちを忘れずに通ることでおごった振る舞いも減ると思っている。自然に対して謙虚であるべきなのと同様、山に入ること自体に対しても謙虚でいたい。

また、イベントをする上では地域の理解や土地所有者や管理者との合意形成、理解、応援が大切になるのはここからも明らか。僕の場合は主として山を走るが、せっかくならば気持ちよく行き交いたいし、持ち主と面識があるならば気持ちよくお借りしたいと思っている。


行政指導と法律の必要性について

富士山の登山料や富士山での夏期以外の登山禁止は、行政指導であり、法的拘束力がありません。行政指導は、行政の「〇〇してはどうですか」という指導、アドバイスであり、それを受け入れるかどうかは登山者の自由です。しかし、そのことを知らなければ「富士山では登山料を払わなければ登山ができない」と勘違いする人がいるでしょう。また、「冬の富士山は、法律で登ることが禁止されている」と勘違いする人がいるかもしれません。
 このような勘違いをしないためには、法律とは何か、行政指導とは何かを知っておくことが必要です。 (中略)   以上のように、登山に関する法律的な問題を指摘すると、「そんなことを書くから、法的なトラブルが増えるのだ」と言う人がいます。しかし事実は逆です。登山に関する法的な規制やトラブルが増えたので、法律を知っておく必要があるのです。(P.23~24)

僕はこの辺りの理解が曖昧であった。これを読んで、あの看板は行政指導にあたるのだろうな?と言った具合に1つ1つ考えるようになった。行政指導に関して言えば、事例のように富士山にいつ登るか?どこまで登るか?は個々の判断に委ねられることがわかる。行政指導だから強制力はない。なので、行ってしまえではなく、強制力の有無と合わせて自身の力量を踏まえ楽しむことが大切だと思う。


登山道でのトレイルランやマウンテンバイクの是非

僕のnoteを読んでくれる人が一番関心があるのがこのくだりだと思う。P.93〜96に色々と書いてあるので、是非読んで欲しい。

日本の登山道でトレイルランナーやマウンテンバイクの利用者と登山者とのk関係が問題になるのは、登山道のオーバーユースに原因があります。登山道が混雑すれば、登山者同士でも衝突事故や鎖場での渋滞がもたらす事故などが起き、環境へのダメージをもたらします。登山者とトレイルランナーの間で生じる問題は、登山道が混雑すれば登山者同士でも起きます。登山道の管理者が適切に管理し、登山道が混雑しなければ、トレイルランナーやマウンテンバイクの利用者と登山者の間の問題はほとんど生じないでしょう。
 また、トレイルランナーやマウンテンバイク利用者が登山者に衝突しないように注意すべきことは当たり前の注意義務であり、衝突事故の可能性を理由にトレイルランニングやマウンテンバイクを一般的に禁止することはできません。それは、街中の歩道でジョギングをする人が歩行者に衝突する可能性があるという理由から、歩道を走ることを禁止できないことと同じです。(P.95~96)


この他にも
「だれでも自由に山を登ることができるのか」
「山はだれのものか」
「登山道に標識、目印のテープ、リボンなどを設置してもよいのか」
など、定期的に山に入って遊ぶ人ならば、アクティビティを問わず読んでおいて損はないと思う。

法律、行政指導、ルール、マナーと区切りが難しいがそれらを踏まえ、これからも自分なりにではあるが、楽しく山を走りたい。


【今後の予定】
6/20(日)ジュニアトレイルランニングスクール〜逗子のローカルトレイルを走ろう〜
7/25(日) 赤ちゃんから聞ける小さな小さな音楽会(第1部)と子どもも大人も一緒に学べる音楽会(第2部)

8/28(土) Duo Espoir 20周年記念リサイタル
9/26(日)第6回NAGANO Jr TRAILRUN in 富士見高原
10/10(日)トレイルシンポジウム2021

10/17(日)第13回TOKYO Jr TRAILRUN兼-U15ジュニアトレイルランチャンピオンシップ
11/7(日)逗子トレイル駅伝2021兼U-12ジュニアトレイルランチャンピオンシップ

「RUNNING ZUSHI」
逗子市内池子の森自然公園内400mトラックを拠点にしたランニングチームです。
Facebookページ
instagram

最後まで僕のnoteを読んでくださりありがとうございます!!
「スキ」「フォロー」していただけると励みになります。
過去のnote記事はこちら

2021-05-12 07.45.23のコピー


この記事が参加している募集

#読書感想文

188,902件

最後まで読んでくださりありがとうございます。僕の経験や感じていること考えをいろいろと書いていきます。noteの記事を通じて一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです!「スキ!」や「サポート」はとても励みになりますので、宜しければ応援の気持ちも込めてよろしくお願いします!