田島明子

普遍主義・論理主義・客観主義という近代科学の知の3原理から導かれるエビデンスではなく、…

田島明子

普遍主義・論理主義・客観主義という近代科学の知の3原理から導かれるエビデンスではなく、もっと音楽のように、象徴的で宇宙的、そして、支援者が壁のように存在するのではない、能動ー受動の往来がことばになっているような、そんなエビデンスをかたちにしたい。作業療法士。

マガジン

  • 養生する方へ

    疾病を治して健康を手に入れる西洋医学的発想ではなく、健康へ向かう身体や思考になる養生的発想や方法に関わる情報を発信していきます。出典など根拠となるところは示しますが、理解が間違っていることもあると思うので、自分であたり直してくださいね☺

  • ピアノ演奏時のフォーカルジストニア治療・リハビリ

    久しぶりにピアノ演奏を再開し、フォーカルジストニア様の症状があらわれているので、その治療やリハビリの経験の実体験をリアルタイムで語っていきます

  • アートプロジェクト

    東京藝術大学が「アート×福祉」をテーマに「多様な人々が共生できる社会」を支 える人材を育成する社会人参加型プロジェクト「Diversity on the Arts Project :DOOR」に参加し、自分たちでアートプジェクトを企画し、行うという課題をとおして見えてきたアートプロジェクトの面白さをご紹介していきます

  • 社会モデル・障害の社会モデル

    リハビリテーション・作業療法における社会モデル・障害の社会モデルの理論や実践について集積するメモ的マガジンです

  • 民藝について

    柳宗悦、浜田床司、河井寛次郎がはじめ、形をつくりあげた民衆的工藝運動。 民藝の思想や造形をみると、日本の人々に息づいた文化への愛着と誇りのような気持ちが湧いてきます。民藝の存在を知ると、もっとその奥行を知りたくなるし、また造形をみたり、触れたくなるんですよね。そして自分の暮らしの原点に何があるか、ないかを問いたくなってきます。noteのアイコンの「すべてのものは自分の表現」は京都の河井寛次郎記念館で目に留まった言葉です。生きるってそういう気概が本来必要なことなのではないかなと…

最近の記事

四季の養生(春)

私は、春はもちろん好きなんですが、冬から春へ変わるタイミングが 一番身体的には変化を感じるので、しっかり養生をしておきたい季節です。 春の3か月は、発陳というそうです。万物が芽吹くときです。人も動き出します。生じてくるものを殺さないことが大切とあります。これに逆らうと、肝を傷つけ、夏に冷えの病になりやすく、夏に生を長じることができないそうです。心身ともにのびやかに過ごすことが大事です。 春養生のポイントは2つ。 ①「風邪」を防ぐ。 春一番と言いますか、春の風に気を付ける。

    • 休養生について

       休養生は、休息と活動のバランスを意識して生命を養うこと。  休養生で心がけること 〇質の良い睡眠:夜は気を蓄え、血を作る。午前0時までには就寝し、太陽が昇る頃に起きる。 〇入浴・半身浴・足浴:お湯につかることで、冷えやストレスによって生じた体調の乱れを整え、心身を回復に導く。湯舟につかることで、身体を温め、リラックスできる。 〇自然に触れる:五感を喜ばせ、生命力を高めることができる。太陽(陽気)を浴びて「気」を養うとともに、季節の色彩を楽しみ、自然の音に耳を傾け、匂いを感

      • 動養生について

         基本は、古代の「導引吐納」にある。これは、呼吸と身体を動かす動作を同時に行う運動養生法のことである。  動養生の特徴として、自分で努力する必要があり、効果があらわれるのに時間がかかることがある。  身体を積極的に動かすことで、気血をめぐらせ、生理活動や自然治癒力をたかめ、運動器(筋肉・骨・関節・感覚器・神経・脳)の衰えや障害を防ぐことにつながる。  動功・気功の一種(六字訣、五禽儀、易筋経、八段錦が四大動気功)。太極拳は、気功の要素をもつ挙法。  動養生で心掛けるこ

        • 心養生について

          養生四要を確認しよう。(これはあとで…)  心養生で心掛けることは、「少私寡欲」「調摂情志」「順応四時」「抑目静耳」とされる。 「少私寡欲」は、私心、嗜好欲をおさえましょう、ということです。神気(精神・意識に関わる気)が破られ乱れるとあります。 「調摂情志」は、健康を損なわず長生きのためには、五志を安定・調和させることが大切とあります。 「順応四時」は、神気を四季の変化に合わせられると、静かな状態に置くことができるとあります。 「抑目静耳」は、目と耳は、神気が外部の

        四季の養生(春)

        マガジン

        • 養生する方へ
          10本
        • ピアノ演奏時のフォーカルジストニア治療・リハビリ
          11本
        • アートプロジェクト
          3本
        • 社会モデル・障害の社会モデル
          12本
        • 民藝について
          2本
        • 認知症・高齢期の人が「よりよく生きる」ための支援
          22本

        記事

          ピアノジストニアリハビリの状況

           前回にも書いたかもしれないが、ジストニアの発生の原因がわかり、右手人差し指の指先の触覚刺激によって、人差し指の動きの自由度がなくなり、曲がってしまうのと、同時に親指も曲がってしまう、という状況です。これは、日常的にも出てきて、特に、字を書くとか、PC・マウス操作とか、言語に関わる操作をするときに発生しやすいということに気づきました。  ピアノを弾き時にも、右手の人差し指の指先の触覚刺激が引き金になって、親指も曲がるので、ポジションの自由度がなくなってしまい、さらには、ジス

          ピアノジストニアリハビリの状況

          『アートにおける臨床的価値を考えるー福祉・医療とアートを繋ぐ13人のインタビューー』(インディペンデント・キュレーター青木彬)

          今日はタイトルの書籍を紹介します。書籍といっても、青木彬さんが公益財団法人小笠原敏晶記念財団による調査・研究等への助成(現代美術分野)を受けて行ったインタビュー集ということで、市販されているわけではないです。読んでみたい方はお知らせ頂けましたら差し上げます。(akiko.tajima@sums.ac.jpにメールください) ←こちら私の持ち分はなくなりましたm(__)m青木彬さんに直接お問い合わせください どんな目的でどのような人にインタビューをしているかですが、青木さんは

          『アートにおける臨床的価値を考えるー福祉・医療とアートを繋ぐ13人のインタビューー』(インディペンデント・キュレーター青木彬)

          ピアノジストニアリハビリの経過

          なんと、ピアノリハビリの記事は、ほんとに1年前、2022年2月ぶりだった。 この1年のことを書いておこうと思う。 4月終わりだかに、ファシアスリックテクニックの研修を受けて、そのご縁があって、ご厚意で会長の川西陽三先生の施術を定期的に受けさせて頂けた2022年だった。これは本当に感謝しかない。 川西先生は、ジストニア状況を実験的に見て下さっていて、そうした中、この症状が、右人差し指の末節部の皮膚刺激で生じる(ている)ことに気づき、ちよっと一筋縄には回復しない難解な症状だという

          ピアノジストニアリハビリの経過

          「愛知の障害者運動‐実践者たちが語る」(現代書館)の紹介

           まず本書を手に取ったとき、不思議とわくわくしたことを思い出す。愛知という地域が障害を持つ人たちにどのような歴史と進歩を用意してきたのか興味深く思えたからだと思う。筆者は愛知に隣接する静岡県浜松市に住みしばらく経過するが、隣り合わせであっても風通しは案外悪くて、特に点在している障害を持つ人の運動や活動の動向や、ましてや過去の出来事などは知る余地もない。本書は、愛知という地域性に焦点化し、その土地に生き、地域での暮らしの形態を創り出してきた障害を持つ人たちの様々な取り組みを1つ

          「愛知の障害者運動‐実践者たちが語る」(現代書館)の紹介

          押富俊恵さんについての中日新聞の連載

           昨年亡くなられた、作業療法士で重症筋無力症という神経難病による重度障害を持ちつつ地域での人とのつながり、暮らしの開拓を丹念になさってきた押富俊恵さんのことを取材をなさり、中日新聞で連載を掲載なさった安藤明夫さんから連載の掲載のご許可を頂きましたので全文をご紹介いたします。 【連載1】 【連載2】 【連載3】 【連載4】 【連載5】 【連載6】 【連載7】

          押富俊恵さんについての中日新聞の連載

          『民藝』読書会へのお誘い

            民藝とは、民衆が日常的に使う工藝品のことであり、民家、民具、民画を総称して「民藝」と呼ぶそうです。民藝に美の価値を見出し、言葉にし、創り、世に残してきた活動が民藝運動で、柳宗悦、河井寛次郎、濱田庄司が主たる活動者だったと認識してます。    どこでだったか、初めて柳宗悦氏の「用の美」という考え方を知り、衝撃のようなものを受けて、それから、民藝に関わる書籍を手に取るようになりました。  「用の美」は民藝の思想を現わす代表的な言葉だと思うのですが、私の浅はかな理解での説明

          『民藝』読書会へのお誘い

          最近のピアノ演奏について

           最近は、以前に比べると、よくなっていると思う。親指や人差し指の曲がり(基の位置に戻りずらい)は減ってきた。薬指・小指に力が入りずらい感じも以前より減っている。気づいたのは、これまであまり影響がないと思っていた中指が十分に打鍵が行えておらず、他指が動くと不自然に上に持ちああがってしまうこと。上に持ち上がることは以前から気づいていたが、それに問題があるとは認識できていなかった。  ショパンの別れの曲で中間部の終わりの方、何度か離れた多声で下ってくるところがあるのだが、右手がどう

          最近のピアノ演奏について

          「利他」とは何か(集英社新書)

           このなかに民藝を題材にした若松英輔氏の論考がありました。  そのなかで、柳宗悦にとって器は一家の者であって、家を訪問する誰もが逢わないでは帰れず、器たちも自分の傍にいることを悦ぶようにさえ感じる、離れ難く長い間共に過ごした、存在とあります。    こうした沈黙を通じた心の通じあいに、論理を超えた理があり、そのなかに利他の枠組みとなるものがあると書かれてありました。  民藝の思想について、本質的な理解を深めることを助けてくれると感じた文章でした。ご一読をおすすめします!

          「利他」とは何か(集英社新書)

          第22章 小筋肉のアスリートー音楽家のジストニー オリバーサックス著「音楽嗜好症」(早川書房)

          〇局所性ジストニアについての歴史記述 ・ウィリアムガウアーズ 「職業神経症」(1888年)に、20ページにわたり、記述している。「何度も繰り返す筋肉運動を行おうとすることによって、特定の症状が引き起こされる病気群で、一般に患者の職業が関係している」  当時から、この症状は脳が原因していると主張。なぜなら、発症する体の部位はさまざまだが、問題となる職業はすべて小筋肉をすばやく反復的に動かす必要があること。もう1つは、無反応や麻痺のような抑制性の特徴と興奮性の特徴とが同時に起こる

          第22章 小筋肉のアスリートー音楽家のジストニー オリバーサックス著「音楽嗜好症」(早川書房)

          「第29章 音楽とアイデンティティ 認知症と音楽療法」オリバー・サックス「音楽嗜好症」(早川書房)

           最終的に、アルツハイマー病患者は自己認識の基本的な部分、とくに自分の無能力の自覚をなくす可能性がある。しかし、自己認識や精神作用をなくすと、自己を失うのだろうか。p486  アイデンティティにはとても活発で広い神経基盤があり、個人のスタイルは神経系のごく深くに染み込んでいるので、少なくとも精神生活が少しでも続いているかぎりは、アイデンティティがすっかりなくなることはないように思えるp486  認知症者の音楽療法の目的は、患者の感情、認識力、思考、記憶、つまり残っている自

          「第29章 音楽とアイデンティティ 認知症と音楽療法」オリバー・サックス「音楽嗜好症」(早川書房)

          ジストニアについての文献紹介

           目崎高広著2011「ジストニアの病態と治療」『臨床神経学』51‐7:465‐470 を紹介します。  構成は、ジストニアの病態、ジストニアの治療、からなる。  ジストニアは、中枢性の持続的な筋緊張を特徴とする運動異常症の一症候群。Oppenheimによって1911年に提唱。つまりジストニアは疾患名ではなく、運動異常症の一症候名。ジストニア姿勢とジストニア運動を区別する。特定の随意運動時に出現、あるいはいちじるしく増強する場合を動作性ジストニアとしている。 1.ジストニ

          ジストニアについての文献紹介

          アートプロジェクトとは何か

           アートプロジェクトとは何か、1つの答えを教えてくれる本として、熊倉純子監修「アートプロジェクトー芸術と共創する社会ー」(水曜社)がある。  この本に、アートプロジェクトとは… 現代美術を中心に、おもに1990年代以降日本各地で展開されている共創的芸術活動。作品展示にとどまらず、同時代の社会の中に入りこんで、個別の社会的事象と関わりながら展開される。既存の回路とは異なる接続/接触のきっかけとなることで、新たな芸術的/社会的文脈を創出する活動、とある。 さらにその特徴とし

          アートプロジェクトとは何か