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最近のピアノ演奏について

 最近は、以前に比べると、よくなっていると思う。親指や人差し指の曲がり(基の位置に戻りずらい)は減ってきた。薬指・小指に力が入りずらい感じも以前より減っている。気づいたのは、これまであまり影響がないと思っていた中指が十分に打鍵が行えておらず、他指が動くと不自然に上に持ちああがってしまうこと。上に持ち上がることは以前から気づいていたが、それに問題があるとは認識できていなかった。
 ショパンの別れの曲で中間部の終わりの方、何度か離れた多声で下ってくるところがあるのだが、右手がどうしてもうまくいかない。疲れるとますますうまくいかず、何が原因しているんだろう、ひと指ひと指意識しながら弾いてみると、中指がほとんど動けていないことに気付いた。
 ジストニアは感覚に異常が生じると言われているが、これは、脳卒中後の人の感覚鈍麻とは性質が異なり、普段は触っている感じも動かしている感じもわかるのだが、ピアノを弾いているときには、どのように動かしているのか、どこにどのように指が位置しているか、イメージからずれが発生しているということだと思う。それもミスタッチの原因につながっているのだと思う。ジストニアになると、鍵盤と指の位置関係がイメージと異なってしまうので、思うように動かせないのと相まって、ミスタッチが増えてしまう。
 プロの演奏家が、ジストニアのある手を諦め、片手で弾かれることを選択されるというのは、そんなことが原因しているのではないかと推察する。
 改善の方法は、ジストニアの症状が出てしまったら、なにか、脳で十分に動きを処理しきれず弾いていたのだと認識し、ゆっくり、強く打鍵せずに、症状がでないかたちで立ち戻って演奏する。それが基本のように思う。
 現在は、日によってピアノを弾いていないときも、ジストニアの症状が現れるときもあるし、そうでないときもあるので、症状に一貫性がないので、困る。あと、半年前にも結構よくなったかなと思って正常を10として7ぐらい回復したかなと思っていたが、今にして思うと4~5ぐらいだったかなと思うので、感覚的に気づけていない異常性が隠れている可能性はまだまだあるのかも知れない。
 イメージだけでは回復は難しいと思っている。演奏のリハビリでなんといってもヒントになるのが音だからだ。音のフィードバックがリハビリの意欲にもつながるし、自分なりの改善・回復の指標になっていると感じる。ピアノ演奏はほしい音・リズムとの闘いなのだ。ジストニアのリハビリをしながら演奏するのは、ジストニアのコントロールと音楽を奏でる修練の両方を同時に達成しようとする難しさがあるが、両方の橋渡しが改善への道だとも思う。   

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