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「ADHDで生活がままならない」人が、行政の支援を受けるときのコツ【保存版】

発達障害やそれに伴う二次障害としてのうつ病などによって、家事ができず、部屋がめちゃくちゃになってしまう……。

そんなとき、行政の支援でヘルパーさんに掃除や家事を手伝ってもらえる場合があるらしい。

知らなかった。じぶんは当事者ではないが、こういった情報が必要な人に届いてほしいと思う。そして活用してほしいと思う。


福祉サービスを受けるときの「コツ」がある

コロナへの対応で色々言われているけれど、なんだかんだ日本は、他国と比べれば福祉が充実している国だ。

でも日本の福祉サービスは、それが必要になったときに向こうからやってくることはなく、必要なときには自分で動いて自分で取りにいく必要がある。

さらに福祉のサービスを受けるときには、「ちょっとしたコツ」を知っているかどうかで、そのサービスをスムーズに受けられるかどうかがずいぶんと変わってくるらしい。

その「コツ」を知らなかったがために、窓口の人に無理と断られ、本来受けられるサービスを受けられていない人も、少なくないらしい。

しかも、じぶんが受けられそうなサービスの存在を知っても、ほとんどの人は

「でも、受ける条件厳しいんでしょう?」
「でも、とてもめんどくさいんでしょう?」

などと、細かく動く前からあきらめてしまいがち、らしい。

上述のADHD当事者さん向けの支援サービスは、必要な人には積極的に紹介していきたい。

そして、紹介するならば

・何からやればいいのか
・どこに相談すればいいのか
・サービスを受けるための「コツ」

もセットで伝えたい。

というわけで、行政や福祉の支援に詳しい公認心理師の上田さんに、このADHDの方向けの支援サービスを受ける際のポイント、コツについて伺った。

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(F太)
上田さん、実際に障害や病気のある当事者が、ヘルパーさんを頼めるかどうかを相談したいとき、まずどこに相談すればよいのでしょうか?


(上田さん)

まずは「特定相談支援事業所」の相談支援専門員へ相談してもらうことになります。「計画相談支援」というサービスです。

ヘルパーのサービス「居宅介護の家事援助」の必要性(回数と時間)を判断して計画を作成してもらい、その後役所へ提出することで、サービス受給権が認められます。


(F太)
なるほど。自分が住んでいる自治体の「特定相談支援事業所」に相談する、というのがファーストステップになるということですね。

「特定相談支援事業所 〇〇(住んでいる地域)」でググってでてきた窓口に電話したり足を運んだりすることになりますか?

(上田さん)

その通りとなります。
「特定相談支援事業所 立川区」などでググりましょう。


『WAMNET(ワムネット)』というサイトが便利

(上田さん)
福祉業界のサービスを検索したり調査するときには、『WAMNET』の使用をお勧めいたします。おそらく一番のワン・ストップ・サービスかと思われます。

特定相談支援事業所 つまり『計画相談支援』のサービスを探すときの手順はこんな感じです。↓

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サービスを受ける際の注意点

大前提として、『障害のあることを証明できる』ことが障害福祉サービスを受ける要件になります。

当たり前なのですが、障害のある人だけが受けられるサービスなので、何をもってそれを証明するかが最初のポイントです。

ADHDっぽい…… だけでは、残念ながら対象外となります。

たとえばこういったものが、サービスを受ける際には必要になります。

・障害者手帳
・障害者年金の証書
・診断書
・自立支援医療の受給証


「たらい回し」に遭わないために

実は、サービスを受けたいのにスタートすらできない、という事態に陥ることは多いです。特定相談支援事業所がなかなか見つからず、たらい回しに遭うケースがしばしば起こります。

理由は、事業所によって『得意・苦手』があるためです。

身体障害・知的障害・精神障害(発達障害)のそれぞれに、強い事業所もあれば、弱い事業所もあります。

相性の良くない事業所に相談した結果、「ちょっとウチでは…」となってしまうことがあるのです。

また、たらい回しが起きてしまうもうひとつの原因として、相談支援専門員の一人あたりの担当ケース数が100人を超えていることが多く、現場が疲弊しているという状況もあります。

これ以上新規の依頼を受けると潰れてしまうので「ちょっとウチでは…」となることが多かったりします。

そこで以下では、たらい回しに合わないための、コツをいくつかご紹介します。


対策1 役所に相談(障害福祉課窓口or保健師)

あたりの良さそうな事業所を前もって教えてもらう。できれば予約して、役所へ出向いて相談した方が大切にしてくれます。
間に入って交渉してもらうこともお願いするといいですね。

対策2 サービス提供事業所に相談

はじめに居宅介護のヘルパー事業所をWAMNETで探して、自分で電話して決めてしまいます。
そしてその事業所に、特定相談支援事業所探しを手伝ってもらうという方法です。
この方法はよく使われる手です。

対策3 セルフプラン(自分で計画をつくる)

セルフプランは国が推奨していませんが、自治体によってはOKを出すところもあります。
セルフプランのつくり方は、役所の障害福祉課に出向いて所定の書式をもらい、そのまま記入方法も教えてもらうのがいいですね。

対策4 議員に相談

上述の対策は、いずれも役所へ ヘルプを求める方法になりますが、腰の重い役人がいるのも事実です。
そんな時は地方議員に相談することです。議員から役所に一本連絡を入れてもらうだけでも、対応がスムーズになると思います。


上田さん、ありがとうございました。

日本には、書類を出せば受けられるサービスっていうのがけっこうある。でも、その書類を出すまでが大変。

この「書類を出すまで」をサポートしてくれる、上田さんのような方がいらっしゃるということはとてもありがたい。

福祉を目指す方、福祉周りの知識が得たい方はぜひ、上田さんのTwitterをフォローしてみてください。

https://twitter.com/bobby_tubuyaki





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