不機嫌の発生源は、やった側ではなく、反応した側だと娘がいう。
#20230922-237
2023年9月22日(金)
「パパ、嫌い」
ノコ(娘小4)がそこにいないむーくん(夫)を睨むような目つきでいう。
「どうして?」
児童相談所からの帰り、住宅街のなかの細い道をノコと手をつないで歩く。
「だって、いろいろ文句いうじゃん。ご飯のときだって、残すな、左手出せ、肘つくな、とかさ」
ノコがすべてをやっているからであって、食事のマナーを思うとむーくんが正しい。
「食事中は、歩きまわるな、歌うな、おかわりは食べ終えてからにしろ・・・・・・それからそれから」
これだけ挙げられるということは、一応聞いてはいるようだ。いわれてすぐに直さないので、耳に届いていないのかと思っていた。
「ひどいじゃん! パパだってできてないのに」
え?
むーくんは残さないし、左手は食器に添えているし、肘はつかない。歩きまわらないし、歌わないし、おかわりはきちんと食べ終えてからする。
「パパはしてないんじゃない?」
「だって、パパ、お食事中にスマートフォン見るじゃん!」
あぁ、確かに時々スマホが震えると手にしている。スマホを持たないノコはこれだけは真似できない。今からむーくんも食事中はスマホを見ない習慣をつけなければ、いざノコがスマホを持ったときに注意できなくなる。
私は困った笑みをノコに返す。
「だから。パパ、嫌い」
だから?
思わず首を傾げてしまう。
注意されるようなことをしているのはノコだ。そもそもノコがそのようなことをしなければ、むーくんは注意をしない。
私としては、ノコからはじまる。むーくんからではない。
「パパがイライラするからいけないんじゃん」
イライラするのは、いくらいってもノコが改めないからだ。
「ノコさん。ノコさんが肘ついたり、歩きまわったりしなければ、パパも注意しないんじゃないかな」
「きつくいうパパが悪い。パパがイライラしなければ、私もイライラしない」
要は、ノコがマナーを破るようなことをしてもやさしく注意すればいい。それをはじめからノコにはきつく聞こえる声や言葉で注意するので、むーくんが悪い。
つまり、パパが悪いということか。
おもしろいなぁ、と笑ってしまう。
はじまりは、食事中のふるまいに適さないことをしたノコではないんだ。
自分がそういうことをしなければ、むーくんは気分を害さないとならないんだ。
ノコの発想が予想外過ぎて、おかしくてならない。
確かにむーくんがやさしく注意し、そこでノコが改めればいざこざは起きないかもしれない。やさしくいって、ノコがすぐ直すのならノコのいい分もわかる。
人のせいにするな、ともいえるが、イライラの発生源をどこだと思うかの違いが実に愉快だ。
そっかぁ・・・・・・
やった人間ではないんだな。それに反応した人間なんだ。
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