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ただいま、娘はお菓子禁止中。

#20240305-369

2024年3月5日(日)
 食事習慣に関して、さまざまな説があるのは知っている。
 1日3回、朝昼晩と食べるのが一般的になったのは、ごく最近だという。
 体調がよい食べ方がすべての人間において同じではない。同じほうがむしろ不思議だ。

食べたいときに。
食べたいものを。
食べたいだけ食べて。
それで体調がよいのならいいと思う。

 そのような食べ方をして、具合が悪くなるのならさすがに考え直すべきだと思うが、快調ならきっとその人に合っているのだ。
 とはいっても、子ども――ノコ(娘小4)は別だ。
 大人より子どものほうが1日3回食べるという先入観がなく、自分の身体の声にまっすぐだと思うが、お菓子に関してはたがが外れるというか、暴走するように見える。
 お菓子をむさぼるノコの姿を見るたびに、あるTVテレビ番組を思い出してしまう。

 動物は本当に必要な量のみ食べるのか。その実験をしていた。
 まず、ニホンザルにかし芋を与える。サルはある程度食べて満腹になるとその場を去っていった。群れの順位なのだろう、順番を待っていたほかのサルがきて芋を食べるが、ある程度食べるとやはり去っていく。そして、また次のサルが食べにくる。
 次に、砂糖をまぶし、バターを塗った蒸かし芋を置いた。
 今度は食べるのをやめない。まわりをキョロキョロ見回しながら、せっせと芋を口に運ぶ。待っているサルがじれて、にじり寄ってくると、食べているサルは威嚇し、芋を渡そうとしない。黙々と食べ続ける。
 砂糖や脂質を多く含む高カロリー食品は、脳の報酬系を刺激し、「気持ちいい」と感じる脳内物質であるドーパミンを分泌させるという。放出されたドーパミンは摂食中枢に「もっと食べろ」と指令を出し、腹は満たされているのに食べるのをやめられなくなる。
 かれこれ10年以上の番組なので、今は違う見解かもしれないが、とにかくサルが芋を奪われまいと警戒しながらむさぼるさまが衝撃的だった。
 お菓子を食べるノコにそのサルが重なってしまう。

 食欲旺盛で、お菓子を食べても食事をしっかり食べる子どもならば、まだよい。
 ノコの場合、お菓子は食べるが、食事になると途端興味をなくす。
 お菓子の栄養素をノコの身体が成長のために欲しているのならいいが、どうにもドーパミンに踊らされているように見える。
 思うままに、起きて、食べて、寝てよいのは、そうしたことで体調がよいと判断できる人に限る。
 ノコはまず定時に起きて、定時に就寝し、朝昼晩と食事をしっかり摂って、生活リズムを作る段階だ。
 朝食をきちんと食べる。ノコの朝食はたいした量ではない。
 目下、むーくん(夫)はノコにそれを徹底させている。

 朝食を残したら、おやつはなし。

 一見不憫ふびんに感じ、そこまでして食べさせる必要があるのだろうかと思ったが、はじめてみたら夕飯を食べる量が増えた。
 学校から帰り、小腹が空いたとわめきながらも公園へ遊びに出、宿題をする。「ママママ、ご飯まだ」と催促されるのもおやつを抜くようになってからだ。
 お腹が空いているからか、食事への集中力も少しだが高めだ。体を揺らしたり、あちこち見回したりが控えめになる。おかわりもするようになった。
 もちろん、おやつなしは無期限ではない。朝食完食が1週間続いたら、おやつは復活する。
 それがちょうど今朝までだった。
 今日、ノコは学校から帰ったら、おやつを食べることができる。
 久し振りのおやつ。
 せっかく食事量が増えてきたため、惜しくなってしまう。
 でも、おやつの魅力は私だってわかる。たくさんは食べないが、私はまったく甘いものを口にしない日はない。なにかしら、食べている。
 ノコがおやつをがっついて、「もっと食べたい! もうちょっとだけチョーダイ!」といいませんように。
 ノコが夕飯をしっかり食べてくれますように。
 小雨が降り出した窓の外を眺めながら、ノコが帰る時刻に思いを馳せてしまう。
 「今日からおやつ食べていいんだよね!」
 そう叫んでノコは登校していったのだから。
 忘れやしないだろう。

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