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学ぶべき理想の場所は

みなさん、
おはようございます。

いつものように
遥か孤島から失礼します。

今日は朝の4時に起床して、
浜辺を歩きながら考えごとをしていたんです。

日本に住んでいる小学生から
メールをいただいたんですね。

この孤島からの僕の投稿を毎日読んでくれていて、もしも、僕が思う「理想の学校」があるとすれば、それはどんな学校なのかというメッセージだったんです。

なるほどな、
そういえば僕が再び学校に通うとしたら
どんなところに行きたいと思うだろう。

今回は、いつもとお話を変えて
そんな僕が考える「理想の学校」についての
お話にしてみようと思います。

今日は小学生のその子に答えるつもりで
お話をさせてもらいますが、
みなさんも、小学生の頃に戻った気持ちで読んでみてください。


大切な何かを取り戻すきっかけになればと思います。


いつもより長文になりますが
よければ、お付き合いください。


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どんな学校が理想なのか。
色々と考えてみたんです。

好きなことが好きなだけ学べる場所?
うるさい先生がいなくて、毎日が自習の学校?
それとも宿題のない学校?

自由に思いを巡らせることはできるけれど、
どれもしっくりこない。

もしかしたら、
学ぶということに関しては
不自由ではなかったからなのかもしれません。

とはいえ、
けっして恵まれた環境にいたわけでもありません。

そんな、僕が学んだ場所は
田舎の市立の小学校。

公務員の子供も、サラリーマンの子供、
金持ちの子供も、みんな一緒。

こんなことを言うと
国の役人さんに怒られるかもしれませんが、
今思い返してみても授業での勉強の記憶はほとんどありません。
それよりも、授業外での数々の日常の中で、
「自分とは違う考え」を持つ同級生に触れて多くを学びました。

例えば、
遠足の時、周りの友達のお弁当からそれぞれの家族の様子が見えたり。
帰りの田んぼ道、農家で育った友人はタガメの捕り方や、タニシのこと、苗からお米が育つ過程までを分かりやすく教えてくれました。

時に、授業中にも関わらず母校のグラウンドに
バイクで乗り込んできた近所の中学生なんてのもいました。
そんな彼らからも、一つのものに対するプライドや仁義のようなことを学んだ。

そんな、いろいろな環境、
お金持ちも貧乏人もごちゃまぜになった市立の学校で、生きるために大切な多くのことを学んだ。

それが僕の小学生生活でした。

再び小学生からやり直すとしても
もう一度、同じ学校に通うのだと思います。
そうありたいと思うからです。

だからこそ、どれだけ考えても、
独創的な「理想の学校」のアイデアが思いつかないのかもしれません。


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とはいえ、それでは答えになりませんよね。

メールを送ってくれた小学生へのお返事として
少しだけ付け加えておきます。

あえて「理想の学校」というならば、
そういった僕が体験してきた「身近な生徒からの学び」をもっと深く学べる場所。

いろいろな個性をもった
「生徒自身が教壇に立つ学校」でしょうか。

もちろん先生の存在は必要です。
まだ未熟である生徒達に間違いがあった時のためにこそ、
大人としての導きが必要な時もありますから。

でも、先生は教壇に立たなくていい。
教室の脇に座って、優しく微笑んで
生徒達を見守ってくれていたらいい。笑

先生もその方が楽でしょう?
もしかしたら先生だって、
そんな生徒達から何かを学ぶかもしれない。

そうだ、
この際、先生も一緒にその幼き先生達の授業を
一緒に生徒になって聞けばいい。

この学校では、教科書もありません。
一時限ごとに同級生が入れ替わり立ち替わり先生となり、
自分の好きなこと、夢中になっていることを教材として
授業を展開していきます。

1日6限目まであるとすれば、
6人分の人生に触れていくことになる。

ここでは、あえて教壇と黒板を使いましょうか。
今どき、古臭いと思われるかもしれませんが、
それぞれが「教える」という自覚を持ってもらうためです。

時には教室でなくても、グラウンドや裏山に出かけていくのもいいかもしれませんね。


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机の並びは?

そうですね、
それぞれの先生に決めてもらいましょう。

机を廊下に出してしまうのもいいし、
教室の真ん中に机を集めてステージを作って
話をするのもいいかもしれない。

先生が伝えたいことの数だけ
いろいろな教室の形にすればいい。

そうやって一時限ごとに、生徒が一人づつ、
自分の好きなことや夢について話をするんです。

好きな本や、家族との出来事でもいい。
ある人は昆虫の魅力を話し始めて、
教室中が昆虫だらけになるかもしれない。
ちょっと怖いよね。でもそんなのもいい。

また、ある算数好きの先生は、
自分で発見した図形の面積の
「意外な解き方」を教えてくれるかもしれない。
おそらく、教科書で学ぶよりも
楽しい算数の時間になるでしょう。

中には「好きな人」についての想いを
話し始める先生もいるかもしれないね。
そんな時は、先生のために生徒がみんなで
アイデアを提供してあげましょう。

そんなことを言いながら、
僕自身、しばらく不登校の時期がありましたから
輪に入れない人の気持ちも分かります。
嫌な時は、そんな授業から離れてもいいんです。

みんなも、そっとしておいてあげてね。
何かしてあげられないか考えてみよう。
お昼ご飯くらいは一緒に食べない?
君のこと、少しでも聞かせてほしい。

ちなみに僕が不登校だった時、
毎朝、僕の家を訪ねて「一緒に登校しよう」と
誘ってくれる友人の姿もありました。

昨日は玄関で靴を履くところまでできた。
今日は家の門の前まで頑張れた。
明日はバス停まで行ければいい。
一週間後には学校が見えるとこまで行けるかな。

どれだけ孤独でも、
いつも側にいようとしてくれた、
そんな友人の優しさに何かを教わる。

そういった全てを含めて学ぶ場所。


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人の人生の数だけ、
そこには学ぶものがあると思うんですね。

僕がそういう学校を考えるのには
別の大きな理由もあります。

それは、個人が皆、
周囲の人々を尊敬するようになること。

大人であろうと、同級生であろうと、
後輩であろうと、子供であろうと、
学ぶべき人は、実は身近にたくさん居ることに気がつくんです。

この学校ではテストの点数や内申点で生徒を評価しません、
だって皆が先生であり、生徒なんですから。

お互いが、自分の足りないことを
周囲の人々から学んでいく。
また逆に自分が持っているものがあれば
持っていない周囲の生徒に与えてあげる。

そして次の自分の授業までに
自分の価値や希望を育てて大きくしていって、
そしてまた授業を通じて伝えていく。

子供のみなさんには、
まだ分からないかもしれないけれど、
大人になったら社会で生きていく上で
とても大切なことなんです。

いつの時代の偉い人たちも、
大富豪と呼ばれてきた人たちも
そうした考えのもとで、
自分のできることを活かしながら
それぞれの人生を歩んできたんです。



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僕は今、残念ながら(?)
大人の世界に生きています。

大人になると分かることですが、
子供時代に比べると
基本的に多くのことが自由になります。

苦手な人は避ければいいし、
やりたいことだけ選べばいい。

でもそれは自由に見えて、
偏った考えに不自由になることでもあるんですね。

合理的に考えれば、
今の時代、学校に通うなんて必要はないのかもしれない。

校舎も必要なければ
全てがオンラインでも可能です。

でも一方で、
違う環境で育ってきた人間同士、
嫌いな人も、苦手な人も一つの場所で集まり
多くを学ぶことができることは、
大切な経験になると思うんですね。

その場の空気感から何かを学び、
同級生のちょっとした言葉遣いから意外な一面を感じる。
すれ違う時の香りからも、それぞれの生活が見えてくる。

僕自身、
学校生活のそういったことの中で、
人生で大切なことの多くは学んだ気がします。

今はコロナ禍で
学びの場が分断されようとしていますが、
単純に学びのスタイルを変えてしまうだけでは勿体ない。

皆さんが近くの誰かに、
大切な何かを伝えていくその時のため、
今は自分と向き合う大切な時間を
与えられているのかもしれません。

だから、
僕はあえて今のような世の中の状況下でも
一つの場所に集い
生徒の数だけ授業が繰り広げられる
そんな学校が理想だと思うんです。


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僕はいま独りで
この遥か孤島にいます。


人は独りになった時に
そうでなかった時の大切さに気づくんです。

当たり前の家族、そばに居てくれる友人。
どれだけ嫌いだった人でさえも、
そういった存在が今の自分を作ってきてくれたんだと
その場所から離れて気がつきます。

隣の友人から何かひとつを学ぶ。
そういう気持ちで毎日を送ることができたら、
どれだけ素敵なことでしょう。

きっと、その人の365日後は、
豊かな人生になっているだろうと思うんですね。


この遥か孤島から
いつものように浜辺を歩きながら思いついた、
僕が考える「理想の学校」とは
そのような場所なんです。


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今日は風も緩やかで気持ちがいい。
波も穏やかで優しく感じる。

こんな日は久しぶりです。

水平線もいつもよりくっきり見えます。

学びというものは、いつも近くにあるもの。
それに気がついていくこと。



さて、今日もみなさん、
よい一日をお過ごし下さい。



遥か孤島からですが、
皆さんの好き一日を願いながら。

感謝を込めて、
いつもありがとうございます。








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ここで繋がることのできた、すべての人へ
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