見出し画像

もうひとつの孤島で

今さらですが、
なぜ僕は孤島に居るのだろうか、、、、
そんなことを考えることがあるんです。

その昔、入退院を繰り返しながら、
会社員して働いていた時期がありました。

ようやく仕事も軌道に乗り始め、
自分のやるべきこと、目指すべきことが明確になった矢先、そんな大事な時に、病に侵されることがあるのかと自分の運命を憎んでもいました。

そんな時に、
あるコンピューターゲームと出会います。

僕は普段、
ゲームなどする人間ではありませんでしたが、
その時の気持ちの置き場所を求めいたのかもしれません。

現実逃避の場所として、
そのゲームの世界へとのめり込んでいったんです。


画像1



それは「MIST」というゲームソフトでした。

今でも忘れません。
何気なくリサイクルショップを散策していた時のこと
目に入ってきた「美しい孤島のビジュアル」のパッケージに、
僕は心を奪われていました。

アメリカのゲームクリエイターであったミラー兄弟によって制作され、PCや各メーカーのゲーム機など、世界中のプラットフォームで発表された伝説ともいわれたアドベンチャーゲーム。

ストーリーは、
本の中の世界「MYST島」にプレイヤーが迷い込むという設定で、
この島に散りばめられた様々な謎を、
一人の旅人として解き明かしていく内容なんです。

なんと、、ゲームの中に登場人物は自分だけ。
とにかく(一人で)あらゆる謎を解いていきながら、
何がなんだかわからないままに、
その島でやるべきこと、解決すべきことを探求していく謎めいたゲーム。

そんな、ゴールも道筋も見えない不思議な世界観に魅せられて、僕は「MYST島」の魅力に引き込まれていくことになるんです。


画像2


気がつけば、
僕は現実から逃れるように、
一日の大半を、「MYST島」の世界で過ごしていました。


ゲームを楽しむというよりは、
非現実的なその世界に逃げ込みたかっただけなのかもしれません。

MYST島から望める人工的で無機質な風景や、
ところどころに遺跡のようなものが点在している不可解さ。
さっきまで誰かがいたようで、誰もいない。
いつの時代設定なのかも分からないし、時間感覚も失ってしまう。

そんな不思議な世界に、
惹かれていったんです。

今振り返ると、
現実世界での仕事のことや、
家族や病のことも、
その「MYST島」の非現実の世界の中で
多くを考えていた気がします。


時に、このゲームの難解さが、
現実の人生の難しさと重なっているようにも感じました。


画像3


それから数年の月日が過ぎました。


気がつけば、
「MYST島」での出来事は記憶から薄れ、
僕の日常の中にゲームという存在すら、
すでに過去のものになっていました。

僕はゲームどころではなく、
会社での業績の数字、病の重み、人間関係の苦しみ、
そうした現実の感覚がまさにリアルな全てであり、
あのゲームの謎解きではなく、
「現実世界での謎解き」に忙殺する日々でした。

そして今。
色々な経験を経て、
再び僕は社会と距離を置くことになり、
世界を客観的に眺めてみようとこの「孤島」に居るわけです。

もしかしたら、
今の僕は、あの「MYST島」での思い出の続きの中にいるのでは、、、。
そんなことを考えたりもするんです。


皆さんが「note」から覗いている、
この孤島はどのように映っていますか?

この場所に居る僕自身、
まだまだ謎だらけの日々です、、、、。

あの「MYST島」で感じた時間に似た感覚とともに
こうして日々を送っています。

この孤島での出来事を、
少しづつ明らかにしていきながら、
これからも感謝とともに伝えていければと、、、。


それではみなさん、
どうか素敵な時間をお過ごしください。


遥か孤島から感謝を込めて。



いつもありがとうございます。



この記事が参加している募集

全力で推したいゲーム

心に残ったゲーム

最後までお読みいただきありがとうございます。毎日時間を積み重ねながら、この場所から多くの人の毎日に影響を与えるものを発信できたらと。みなさんの良き日々を願って。