【続・東京都】人口最多を更新した大都会「東京」!人を集める魅力とは!?
7月1日現在の東京都の人口は「1,417万人」となり、過去最多を更新しました。
コロナ禍で一時期は、人混みを避けるために地方へ移住する人が増えているとニュースなどで見聞きした方は多いと思います。
多くの方は「かなりの人口流出があったのでは」と想像しますが、実際には転入超過数(=転入数 ー 転出数)をみると人口は減るどころか増えています。
では、なぜ東京都に人が集まり続けるか。
最も大きな理由は、「就職先」が多いことです。東京都には資本金1億円以上の企業が日本の半数以上を占めています。
とくに、15歳から34歳の若い世代の多くの方が東京都に集まってきています。
そこで本記事では、まずは東京都の「最新人口推移」データを紹介し、そして、「なぜ東京都に人が集まるのか」について詳しく解説していきます。
最後までお付き合いください。
東京都人口推移は過去最多
東京都の統計より2024年7月31日発表の人口推計によると、総人口は前年に比べ9万人(0.6%)増えて「1,417万人」となり過去最多を更新しました。
2015年から2020年まで毎年10万人(約8%)ペースで増加傾向でしたが、2021年のコロナ禍で3万人(-0.2%)も減少しました。
しかし、2023年以降再び人口流入の流れが加速し、ついに今年の7月1日に過去最多を記録しました。
では、なぜこれほど多くの人が集まるのか、簡単に言ってしまえば日本の首都だからです。日本の経済や社会の中心地である東京都には企業の本社が多くあることが考えられます。
そして世界的に見ても大都市です。ヒト、モノ、カネ・情報が多く集まることで、今後も人口増加は続くものと考えられます。
今年の5月21日、オックスフォード・エコノミクスが「第1回 国際都市指標(Global Cities Index)」発表し東京都は「世界4位」となっています。
参考元:Bloomberg「世界1000都市の番付、ニューヨーク首位-東京4位、アジアは低調」2024年5月21日
東京都の転入超過人口
総務省の「住民基本台帳人口移動報告」より転入者数、転出者数とその差を発表しています。転入者数が転出者数より多ければ「転入超過」となります。
下図の人口移動状況を見ると「転入超過」状態が続いているのが分かります。
コロナ前の2019年までの転入超過人口は、毎年7~8万人(平均約7.9万人)という大幅な水準が続いていました。
しかし、2020年から22年はコロナ過で減少、とくに2021年は約5.4千人となり大幅に減少しました。
2023年は、コロナの5類移行にともない再び東京都に人が流れ、2022年と比べ約3万人(約1.8倍)も増えて転入超過人口が「約7万人」とコロナ前までの水準に戻りつつあります。
今年は半年間ですでに2023年より転入超過人口は多く、年内には8万人を超えると考えます。
■東京都への一極集中
全国で見ると転入超過となっているのは7都府県(下図参照:2023年)のみで、とくに東京都が圧倒的に多いのがわかります。
このグラフから分かることが「2つ」あります。
まず1つ目は、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県といわゆる「東京圏」がメインだということ、そして2つ目が、3県(神奈川県・埼玉県・千葉県)を合計した人数よりも約1万人も多く、いかに東京都を中心に集まってきていることが分かります。
つまり「東京都への一極集中」が進んでいることが言えます。
転入超過人口の「年齢層」に注目
ここからは、2023年の転入超過人口の「年齢層」について見ていきます。
総務省の「住民基本台帳人口移動報告」から転入超過となっている年齢層は15~34歳の「若年層(若い世代)」の103,616人、他の世代は全て「転出超過」となっている事が分かります。
「15~19歳」の約1.4万人は入学などで、そして「20~34歳」の約8.9万人は進学および就職などによって転入してくる方が多いと考えられます。
一方、転出超過がとくに多いのは「0~4歳」の約5.7千人、そして「35~39歳」の約4千人となっています。また「50歳から64歳」の層も多く約1万人いることが分かります。
これらの転出理由として、前者は、まだ子供が小さいファミリー世代の方が子育てしやすい地域に移動、後者は、アーリーリタイア(早期退職・引退)やデュアルライフ(二拠点生活)などのライフスタイルの多様性による地方に移動する人と推測します。
東京都に集まって来ている年齢層は「15歳~34歳」の若い世代の方で、つまり、単身者が多く住んでいることが読み取れます。
なぜ若者が東京都に集まるのか
先述から東京都には15~34歳の「若い世代」の転入者が多いことがわかりました。
では、なぜ東京都を目指すのでしょうか。
若い世代が多く転入してくる最大の理由は仕事です。東京都は、他の道府県と比べて圧倒的に就職先が多いことです。
下図は、国土交通省「令和5年度 首都圏整備に関する年次報告」で、見ていただくと東京都には大企業が集積しており、資本金1億円以上の企業が14,495社と全国の48.5% を占めています。
さらに、全国にある資本金10億円以上の大企業の内、2,665社と全国の56.9%が東京都にあります。
つまり、東京都には資本金1億円以上の企業が半数以上を占め、若い世代の単身者が「就職」や「転職」のために転入してきていると考えられます。
単身世帯の増加と割合
東京都には、多くの企業が集中していることから単身者が多く集まっているとお伝えしました。
では、単身者はどのくらい増えているのか見ていきましょう。
東京都が作成している「東京都の統計」によると総世帯は、2015年で「約669万世帯」、2020年には「約721万世帯」です。5年間で、約52万世帯(約8%)も増加しました。
一方、単身世帯では、2015年で「約316万世帯」、2020年には「約362万世帯」です。5年間で、約46万世帯(約15%)も増加しました。
増加数で比べると、単身世帯よりの総世帯の方が多いのですが、割合で比べると2015年では「約47%」に対し、2020年には約3ポイント増え「約50%」となりました。
2020年に初めて単身世帯の割合が半数を超え、東京都に住む半分の方が単身者ということになります。
なお、全国(2020年)の単身世帯は「約38%」、ここからでも東京都の単身世帯は非常に高いことが分かります。
20代から40代の「シングル化」と「晩婚化」
単身世帯が増加傾向にあるのは「就職」などもありますが、近年、働く女性が増加したことや「結婚に対する考え方」の多様化も考えられます。
では、東京都の未婚率はどのくらいなのか、「国勢調査 人口等基本集計結果概要(2020年)」のデータを参考に見ていきましょう。
東京都の未婚率を年代別に見てみると、当然ながら年代が高くなるにつれて未婚率は下がっていることは分かります。
年代別で見ると20代で「88%」、30代では「46%」と大きく下がりますが半数近くがまだ未婚だとわかります。そして40代も「31%」と約3割近くが未婚です。
そして、下図の右端グラフですが、これは20~40代の総数の合計と未婚率の割合となっています。
20~40代の総数は607万人、未婚者数は322万人で、未婚率は「53%」と半数を超えています。5年前の2015年の未婚率は「47%」です。
つまり、2人に1人は単身者であることから「シングル化」、また未婚率の上昇は「晩婚化」が進んでいることが考えられます。
まとめ
まとめると以下です
東京都:人口1,417万人(過去最多:7月1日現在)
転入超過人口:約6.9万人(2024年6月時点)
年齢層:若い世代「15歳~34歳」を中心に集まる(2023年:10.3万人)
若者が集まる理由:最大の理由は就職(他は進学など)
単身者:全世帯の半数以上が単身者
未婚率:20代から40代の合計の未婚率は「53%」2人に1人は単身者
東京都への進学や就職を求めて転入する人の多くは単身者です。また、結婚に対する考え方による未婚化や晩婚化を考えると、これからも増え続けていくと考えられます。
そして、近年の大規模な「再開発」やリニア中央新幹線などの「鉄道路線の発展」、今まで以上にヒト、モノ、カネ・情報が多く集まると予想されます。
東京都は総人口の「約11%」が集中する世界有数の大都市で、経済・文化の中心地でもあります。
世界的にみても魅力の高い都市でもあるため、これからも人口流入は続いていくのではないでしょうか。
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