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自律神経のなかで最も大切な「迷走神経」を整えるストレスとの付き合い方を紹介!

こんにちは。
フォレスト出版・編集部の美馬です。

これまで6回にわたり9月新刊『自律神経のなかで最も大切な迷走神経の整え方』(小林弘幸・著)の「迷走神経」について詳しく解説をしてまいりました。本日はいよいよ最後、迷走神経を整える方法を、第6章「迷走するストレスとの付き合い方」から一部抜粋・改編してお伝えしていきます。

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過剰なストレスで「防御システム」が失われる?

自律神経のバランスを保つシーソーで、交感神経側に大きく傾ける「ストレス」ほど、わずらわしいものはありません。ストレスは一生をかけてもなくなりません。この世から、ストレスが消えてしまうことはないのです。

太古の昔から、人は心と体にふりかかる負荷と対峙してきました。その証しとして、人にはストレスに対抗するための「防御システム」が生まれたときから備わっています。それが「ストレスホルモン」です。

ストレスを感じると、交感神経のはたらきがぐーんと跳ね上がるのと同時に、副腎皮質という腎臓の上部にある親指ほどの小さな臓器から「コルチゾール」というホルモンが分泌されます。コルチゾールは、普段は代謝や免疫にかかわり、体がほど良く動くように調整していますが、ストレスを受けた緊急事態においは、まずほかの臓器に「敵(ストレス)が来たぞ」とシグナルを送ります。そして、体をストレスのダメージから守ります。

ところが、ストレス過多の現代社会。次々と緊急事態が起こればコルチゾールも必要以上にはたらかなくてはならなくなります。本来、心と体を守るはずの「ストレスホルモン」が過剰に、しかも長期間にわたって分泌されると、免疫や代謝のバランスが崩れてしまいます。さらに、息をつく暇もなくふりかかるストレスに、副腎皮質も疲弊し、やがてコルチゾールが分泌されなくなります。こうして、ストレスと対峙する「防衛システム」を失ってしまうのです。

やりきれないほどのストレスを感じたときの対処法

たとえば、「苦手なタイプの新しい仕事」を頼まれたとします。身構えていると、「嫌だな」という感情が先立つでしょう。人の脳は「苦手」というキーワードにストレスを感じ、そのストレスは負の連鎖を招きます。「嫌だな」という感情は、「だから後回しにしよう」という気持ちにさせるのです。

嫌なことを後回しにすればするほど負荷がかかります。自分で問題のハードルを上げて、ストレスを肥大化、重荷にしているのと同じです。ストレスを感じたときこそ、背筋を伸ばして視野を広くしてみましょう。「苦手なタイプの新しい仕事」に向き合うときも、「苦手」というワードではなく、「新しい」という言葉に魅力を感じることもあるかもしれません。

実際、「嫌だな」「苦手だな」と思うようなことでも、やってみたら「そうでもなかった」と思うことは多くあるものです。難しいと感じるレベルでも、少しずつクリアしていくプロセスのなかで、やりがいやよろこびを感じることも少なくありません。

ストレスに直面したとき、「嫌だな」というネガティブな感情を抱くと交感神経が一気に刺激されます。じつは、交感神経が過剰に傾くと「心の視野」を狭くさせ、主観的にしか考えられなくなるという問題も引き起こします。

背筋を伸ばして姿勢を正せば、呼吸も深くなり、迷走神経が活性化されていきます。副交感神経が優位になると、客観的な思考ができるようになります。ストレスを感じたときでも、自分を俯瞰してみることができれば、ポジティブな感情が芽生え、「ま、いいか」と思えたり、「やるだけやってみるか」と気持ちが変化するものです。

強いストレスを和らげるかんたんな方法

とは言っても、著者も一瞬のミスも許されない手術をする前は、ストレスが
重くのしかかると言います。先ほどの俯瞰してとらえるということにも通じますが、そんな時、著者は以下の方法を実践しているそうです。

強いストレスにさいなまれたら、「嫌だな」と目をそむけないで紙に書き出します。次に、そのストレスから生じるリスクや心と体に与える影響を「小」「中」「大」「特大」にランク付けします。

不思議なことに、その時点で、あれほど心にのしかかっていたストレスが解消されていることがあります。これは、問題を整理してランク付けすることで、「この先どうなってしまうんだろう」というモヤモヤした不安な気持ちがなくなるからです。

人は、ストレスによって起こるハプニングの大小よりも、それによって引き起こされる先の見えない「モヤモヤした不安」の大きさによって、ストレスや恐怖を増大させてしまう生き物です。ふりかかっているストレスを丁寧に一つずつ書き出してリストを作っていくと、最初に「特大」とランク付けしたものでも、「たいしたことないかも」と思えてくるものです。

ストレスを10個ほど書き終えるころには、「なんで、自分はこんなことで嫌な気持ちになっていたのか」と不思議に感じるくらい。ばかばかしいとさえ思えてくるものばかりです。また、ストレスのなかでも、自分の力ではどうにもならないこと、今は考えても必要のないこともわかってきます。今、どうにかできないものは頭を抱えて悩むことはありません。

このように、ストレスと真っ向から向き合うことで「自分にとって何が大切
か」「自分はこれから何をしていきたいのか」に気づくことができます。ポイントは、リスト化するときにパソコンやスマホに打ち込まずに、手書きすること。できるだけ、ゆっくり、丁寧に書き出すことで、交感神経が落ちつき、迷走神経がよろこんではたらいてくれます。

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以上、迷走神経を整えることのできるとてもかんたんなストレスとの付き合い方の一部をお伝えしました。本書ではまだまだ具体的な方法が数多く掲載されています。ぜひお手にとって実践してみてください。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

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