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自律神経のなかで最も大切な「迷走神経」を整える呼吸法を紹介!

こんにちは。
フォレスト出版・編集部の美馬です。

これまで2回にわたり9月新刊『自律神経のなかで最も大切な迷走神経の整え方』(小林弘幸・著)の「迷走神経」について詳しく解説しました。本日は、そんな迷走神経を整える方法を、第3章「迷走神経を整える呼吸法」から一部抜粋・改編してお伝えしていきます。

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迷走神経を刺激する呼吸筋の使い方

呼吸筋の動きは、迷走神経に大きく影響を与えています。呼吸をするときに上下に大きく動く横隔膜のまわりには、意識しなくても呼吸ができるように自律神経が密集しています。つまり、横隔膜の動きが大きくなればなるほど自律神経が刺激され、交感神経と副交感神経のバランスが整います。

ここで重要なのは、「じょうぶなカゴ」である胸郭のなかには「圧受容器」がいくつもあるということです。この圧受容器は、圧の刺激を感じる神経センサーのようなもので、息を吐くことでセンサーがはたらきだします。息を吐くと、胸郭が縮まるわけですから、胸腔内の圧力は上昇します。その結果、圧受容器に圧力がかかり続け、自律神経が刺激されるというわけです。

日ごろ、無意識にしている呼吸では、肋間筋と横隔膜という呼吸筋が伸び縮みをしていますが、意識してゆっくりと深く息を吐くことで、呼吸筋のほかに「内肋間筋」「腹直筋」「腹斜筋」などの筋肉が動き出します。これらの筋肉は、言わば呼吸筋のなかの「サポート役」です。このサポート役の力が加わると、より胸腔内の圧力が上昇して、圧受容器に刺激が与えられます。つまり、息を吐く時間が長ければ長いほど、肺にあるセンサーが反応してくれるということです。

迷走神経を整える「1:2呼吸法」

ゆっくりと、深く息を吐く。この時間を長くすることが、休息やリラックスを担う迷走神経を高めて、自律神経のバランスをさらに整えてくれます。とは言っても、緊張したときや焦ったとき、パニックを起こしそうなときに、
急にゆっくりと深い呼吸をしようとしても、なかなか実践するのは難しいかもしれませんね。

そこで、本書で紹介されている、とてもかんたんな呼吸法「1:2呼吸法」を普段から意識して実践することをおすすめします。

① 足を肩幅程度に開き、背筋を伸ばしてまっすぐ立つ。肩の力を抜いて、両手を脇腹に当て、肋骨の下を軽くつまむ。
② リッラクスした状態で3〜4秒かけて、鼻から息を吸う。
③ 6〜8秒かけて、口からゆっくり吐く。軽く上体を前に倒し、両手で脇腹の肉をおへそ側に集めて、適度な刺激を与える。

大事なことは息を吸うよりも吐くことを意識した、1:2の割合で呼吸することです。3秒吸ったら6秒吐く。2倍の長さでゆっくりと吐くことで呼吸筋がしっかり動きだします。

お腹に手を当てて腸の動きを意識するとよりGOOD!

これにより、迷走神経が整うだけでなく、腸のぜん動運動も活発になることが期待できます。

「ため息」は心身を回復させる最高の呼吸法

時間をかけてゆっくりと、長く吐くことが迷走神経を整えるための重要なポイントであることはおわかりいただけたと思います。じつはわたしたちは、知らず知らずのうちに、ある行動で「長く吐く」動作をしています。

それは、「ため息」です。

嫌なことや心配ごとがあるときに、無意識のうちに「はあ〜」とため息をつきますよね。「ため息をつくと幸せが逃げる」とネガティブにとらえられることが多いですが、自律神経の視点からみると、心身のコンディションを回復させる、もってこいの方法とされています。

嫌なことや心配ごとを抱えていると、呼吸は速く、そして浅くなります。この状態が長時間続くと、酸素が欠乏して、脳や体の機能が慢性的に低下して
しまい、つねにネガティブなことが頭をよぎるようになります。こうして負の連鎖ができあがってしまうのです。

このとき、ため息で「はあ~」と、長く息を吐き出してください。
息を長く吐くことで、「酸素をもっとよこせ」と体がほしがるようになりますが、これにより新しい酸素をたっぷりと取り込んでくれます。

ため息は、迷走神経を刺激して、酸素不足の状態から回復するための、一つの防衛反応と言えるようです。

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以上、迷走神経を整えることのできるとてもかんたんな呼吸法をお伝えしました。本書ではまだまだ具体的な方法が数多く掲載されています。ぜひお手にとって実践してみてください。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

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