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【スモールビジネス】お客さまは「メリット」より「ベネフィット」を求める

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
 
お客様にセールスするとき、自社の商品やサービスを購入することにお客様に「メリット」を訴求することは定番のセールス手法でしょう。
 
ただ、リピーターを獲得するためには、「メリット」より「ベネフィット」にフォーカスすべし――。
 
そう主張するのは、自身で複数のジム経営をしながら、スモールビジネス専門集客コンサルタントとしても人気を博している日野原大輔さんです。
 
日野原さんの新刊『神・リピート集客術』の中で、なぜお客様はメリットよりベネフィットを求めるのか、その違いは何か、ベネフィットを提供するためにはどのようにすればいいのかについて詳しく解説しています。そこで今回は、同書の中から該当箇所を全文公開します。

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「メリット」と「ベネフィット」の違い

 この章では、お客さまがリピートする真の目的を知るための質問テクニックを紹介するとともに、新しい価値の提供を通じて驚きや感動を与えるビジネスの極意について、お話ししていきます。
 お客さまの要望に応えるだけでは、「ありがとう」と言われることはあっても、驚きや感動を届けることはできません。
 お客さまの要望の裏側にある本当の目的、夢、お客さま自身が気づいていない問題点などを発見し、具現化していくことが大切です。
 そこで知っておきたいのが、メリットとベネフィットの違いです。
 メリットとは、その商品やサービス自体が持っている機能的な価値やセールスポイントのことです。ダイエット食品であれば、低カロリーや手軽に食べられるといったことが最大の商品特徴であり、メリットです。
 一方のベネフィットは、利益です。同じダイエット食品なら、低カロリーの商品を別の食品と継続的に置き換えることで、体重が減るというもの。お客さま自身が使用した先に得られる恩恵が、ベネフィットです。
 まずは、この違いを明確にしておきましょう。

トレーニング業界での、メリットとベネフィットの違いとは?

 われわれのビジネスであれば、「肩こりや腰痛を軽減したい」と来店されるお客さまがいます。その方には、次のようにメリットとベネフィットの違いを分けてご説明します。
「これから行なうトレーニングは、肩こりや腰痛の軽減を目的とした動きを取り入れています。1回体験するだけでも少しは身体が楽になるでしょう(=ここまでがメリット)。ですが、より良い身体の状態を目指すためには継続が必要です。もし、今すぐに痛みを取りたいのであれば、応急処置として鍼灸院や病院へ行くことをおすすめします。
 ただ、トレーニングを継続していくと、自分の力で肩こりや腰痛を改善できます。痛みの出にくい身体を根本からつくっていくことで、ストレスのない生活を送れる可能性がありますよ(=これがベネフィット)」
 そうお伝えすると、リピートを決断される方がほとんどです。なぜなら、お客さまが本当に求めていたのは、その場しのぎの効果ではなく、もっと遠くにある「痛みからの完全解放」だからです。
 つまり、お客さまは、メリットよりベネフィットを求めていると言えます。
 このように、メリットとベネフィットを分けて説明すればするほど、実はお客さまの購買意欲が高まります。
 メリットだけでなく、購入後に得られる変化や結果(ベネフィット)にもしっかり焦点を当てて説明することで、お客さまは未来の自分の姿を想像でき、確実に自分事として捉えるようになるからです。

あなたの商品・サービスの「ベネフィット」は何?

 そこで大事になるのが、自分のお店ならではのベネフィットは何かということです。
 レストランであれば、お客さまはおいしい料理を食べることの「その先の目的」があるかもしれません。たとえば、カップルで来店され、「ちょっと店内を見せてもらっていいですか?」と言われたとしたら、次のようにベネフィットを語ってみるのもおすすめです。
「こちらのテーブルにお座りいただくと、この角度から見える富士山がとてもきれいですよ」
「このお席は人目につかないので、半個室のような使い方ができます。大事なお話やお祝いでしたらおすすめのお席です」
「本日はグループのお客さまがいらっしゃるので、少し騒がしいかもしれません。こちらのお席でしたらお二人で静かにお食事を楽しんでいただけると思います」
 などと言いながら店内を案内することで、食べる前に「自分たちの食事シーン」がイメージでき、テンションが上がって「ここで食事したい」という感情が湧いてくるのです。

お客さまに未来の姿を想像させる──ボンディング・ボルテージ

 これが「ボンディング接客術」でお客さまと強い絆をつくる上で重要なポイントの4つ目「ボンディング・ボルテージ」、すなわち興味づけです。
 梅干を見ると唾液が出る現象のごとく、人は未来の姿を想像するだけで、脳内の働きによって、その状況に置かれたときと同じような感情を体験できることがわかっています。
 車のコマーシャルで、小さかったわが子が大きくなって、一緒にドライブする未来の映像を見せたり、家電の宣伝でその商品の購入者インタビューを載せ、どれだけ家事が楽になったか語ってもらったりすることで興味が湧いて、将来の自分と重ね合わせた未来を想像でき、購買欲求をより刺激することが可能になります。
 逆に言えば、「その先の映像」を想像させることができなければ、どんなに商品の品質が良くても、売れない可能性があるということです。
 皆さんも、自身のお店のメリットはたくさん思いつくはずです。それらをできるだけリストアップするところから始めてみましょう。
 その上で、「このメリットから、こんなベネフィットが生まれる」と、言語化してみてください。
 より具体的なベネフィットを伝えることで、ぜひ、お客さまのボルテージを上げていただきたいと思います。

【著者プロフィール】
日野原大輔(ひのはら・だいすけ)
ジム経営者。スモールビジネス専門集客コンサルタント。
1976年、福井県出身。サラリーマンの養父、専業主婦の養母に育てられる。活発な幼少期を過ごし、小学生時代は生徒会役員、サッカー部の副キャプテンを務める。中学、高校時代、野球部の活動に励む。千葉商科大学に進学し、演劇部の活動に励む。卒業後も演劇を続け、映画(藤原竜也の映画)に出演。当時先輩に「役者で大成したかったら肉体を鍛えろ」と言われ、スポーツクラブでアルバイトを始める。すると、売れっ子のパーソナルトレーナーとなり、個人売上は平均月80万円以上、営業成績は120店舗中で全国3位内を8年キープ、店舗売上No.1を8年キープした。26歳のとき、役者よりもトレーナーとして一流になる道を選択する。2009年、独立し「加圧スタジオLib」を開設。「お客さまを喜ばせる日本一のスペシャリストになりたい」という理由で、20種の資格を取得。2019年、東京都台東区にヨガスタジオMAKOTOを開設。2021年、同区に「ピラティススタジオFeel Body」を開設。また、ジム運営をする中で編み出した「ボンディング接客術」を軸に、パーソナルトレーナーやフィトネスインストラクターそしてスモールビジネスオーナーに向けた経営セミナーを実施している。人生のミッション「Life is beautiful 出会った人々の人生を少しでも美しくする」を基に「お客さまと一緒に感動する人材」を一人でも多くすることを目標に活動をしている。

いかがでしたか?

「新規客の獲得」コストは、「リピート客の確保」コストの5倍かかるといわれています。スモールビジネスの経営を安定させるのに必要なのは、100人の新規顧客より1人100回の予約――。
「リピーターに支えられるストック型ビジネス」の実現に導く、スモールビジネス向け集客&接客術の決定版ともいえる新刊『神・リピート集客術』(日野原大輔・著)は、好評発売中です。興味のある方はチェックしてみてください。

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