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文字原稿から「欲しい情報」を効率的に「とれる」人がやっている、たった1つの秘策

こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
 
文字情報から、自分が欲しい情報を効率的に入手する――。
それを専門にやっている職業があります。
 
「(情報)クリッピング」という専門職です。
 
クライアントから依頼されたキーワードが掲載されている新聞・雑誌・WEB記事など、各メディア媒体からすべて拾い上げて、クライアントに提供するというものです。
 
そんな情報クリッピング職を17年にわたり従事し、情報クリッピングマスターにして、プライベートでも“無類の本好き”で、これまでに4,800冊を読破している人物がいます。
 
「名もなき読書家」さんです。
 
Instagramでも人気の読書案内人として知られ、Voicyのパーソナリティもされているので、すでにご存じの方もいらっしゃるかもしれません。
 
▼Instagram:「名もなき読書家」(@no_name_booklover)

▼Voicy:「名もなき読書家のホントーク!」

そんな博覧強記の「名もなき読書家」さんが、情報クリッピングで鍛えて身に着けたスキルを普段の読書でも導入し、「欲しい情報」を着実に吸収し、血肉化する読書術が「キーワード読書術」です。読む前に、いや、できれば本を選ぶ段階から「キーワード」を設定し、本を入手し読書するというメソッドです。
 
このメソッドの重要エッセンスをわかりやすく解説した、名もなき読書家さんの新刊『失敗しない読書術』の中では、欲しい情報を「効率的にとれる」人がやっている、たった1つの秘策について詳しく解説しています。そこで今回は、同書発売に先立ち、該当箇所を一部編集して全文公開します。


「クリッピング」と「キーワード」

「はじめに」でも触れましたが、私が17年間従事している「クリッピング」という仕事について、もう少し詳しく説明させてください。
 
(参考)「はじめに」を全文読める記事はこちら

 クリッピングとは、新聞・雑誌の中から必要な記事を探し出すこと。そして、クリッピング会社はクライアントが欲しい情報に含まれる「キーワード」で注文を受けます。
 現在、依頼されているキーワードは、なんと1500個……!
「はじめに」の事例に出した「大谷翔平」のようなキーワードが、1500個あるということですね。しかもその内容は、ビジネス・医療・食品・化粧品・スポーツ・音楽など、多岐にわたります。
 たとえば、渋谷のスクランブル交差点を歩いているときに、あなたはすれ違う人の「メガネ」「帽子」「コート」「靴」「カバン」、いくつまでなら同時にチェックできるでしょうか? 「メガネ以外は無理」という人もいれば、「5つぐらいなら全部いける」というツワモノもいるかもしれません。

【あなた】
・見るもの → スクランブル交差点ですれ違う人
・頭に入れるキーワード → メガネ、帽子、コート、靴、カバン
・同時にチェックできる数が多いほどすばらしい
 
【プロの調査員】
・見るもの → 新聞と雑誌
・頭に入れるキーワード → クライアントから依頼された1500個
・すべてを同時にチェックしなければならない

 クリッピング業務において、プロの調査員に与えられているミッションは、依頼された1500個のキーワードが掲載されている記事を、「目視」ですべて漏らすことなく見つけること。
「そんなの本当にできるの?」と思うでしょう。できないんです、誰でも最初は!
 そもそも、「調査員=特殊能力の持ち主」というわけではありません。東京大学やハーバード大学など、いわゆる超名門大学を卒業した人は1人もいませんし、「人とかかわらない仕事がしたかった」というちょっぴり消極的な志望動機の人や、入社した時点では業務内容をよくわかっていない人も多いです。
 そんなごく普通のスペックの新人に、「今からこれを読んでクリッピングをしてみて」と言って新聞を読ませるとどうなるか?
 まあ見事なまでに、見落としてしまうんですね。情報をとるのが仕事なのに、まったく情報がとれない。これでは使い物になりません。

情報を「とれる人」と「とれない人」は、何が違うのか?

 同じ新聞を読んで、「大谷翔平」の記事を目ざとく見つけるベテラン調査員と、見つけられない新人。いったい何が違うのか、ちょっと脳内を覗いてみましょう。

【新人】
特に何も考えず、漫然と読んでいるので、大谷翔平の記事に気づかない。
(=あてもなく、ブラブラ散歩をしている)
 
【ベテラン】
最初から「絶対に大谷翔平の記事を見つけるぞ!」という強い意識を持って読んでいるので、キーワードが目に飛び込んでくる。
(=目的地に向かって、意志のある足取りで歩いている)

 つまり、ベテラン調査員は、①読む前にキーワードを頭に入れて、②そのキーワードを狙って読んでいるのです。
 先に決めて読むから、目当ての記事がアンテナに吸い寄せられてくる。そして、アンテナの感度もすごく高い。携帯電話の電波の受信状況がいいと、アンテナのマークが3本立ちますが、「大谷翔平」というキーワードに対して「バリ3」(=バリバリに3本立っていること)になっているようなイメージです。
 一方の新人は、電波が1本……ではなく、アンテナそのものが立っていない。1500個のキーワードを1日や2日ですべて覚えるのは無理な話なので、これは仕方がありません。誰もが「圏外」からスタートして、研修期間に何度も記事の見落としを指摘され、悔しい思いをしているうちに、電波が1本、2本と立つようになる。だんだん見つけられるキーワードが増える。
 このようにして、人は情報がとれるようになっていくのです。
 時には、アンテナの感度が高くなりすぎて、「大分」「大台」「大会」……これらの漢字がすべて「大谷」に見えてしまったり、「住宅街でオオサンショウウオを保護」という記事を「オオタニショウヘイサンを保護」と空目してしまうことも……。
 でも、これくらいアンテナが強化されると、そのキーワードが入っている記事は見落とさなくなります。
 1500個すべてのキーワードに対して、アンテナが「バリ3」になる。多少の個人差はあれど、入社して3カ月も経てば、だいたいみんなこのレベルに到達します。
 実際、プロの調査員の見落とし率は0・01%以下。「ほぼ見落とすことはない」と言っていいでしょう。人間は、最初はとてもできないように思えることも、3カ月必死に訓練すればできるようになります。要は「慣れ」なんです。
 クリッピングは特別な技術ではなくて、誰もができること。もちろん、あなたにもできることは言うまでもありません。

【著者プロフィール】
名もなき読書家(なもなきどくしょか)
情報クリッピングマスター。京都市生まれ。立命館大学産業社会学部卒業。2005年から現在まで、クリッピング業務(=新聞・雑誌から必要な記事を見つけて切り抜くこと)に従事。「文章を読むプロ」として17年間、毎日朝から晩まで「アンテナを立てて、情報を漏らさず、大量の活字を読みまくる生活」を送り、クライアントに25万点以上の記事を提供してきた実績を持つ。プライベートでも“無類の本好き”で、これまでに4,800冊を読破。読んできた文字数の合計は、公私を合わせると「35億字」を超えている。これまでの経験・知識・知恵から導き出したノウハウを「キーワード読書術」として完全体系化。
◎Instagram:「名もなき読書家」(@no_name_booklover)
◎Voicy:「名もなき読書家のホントーク!」(https://voicy.jp/channel/2972

いかがでしたか?
 
超一流の「情報クリッピングマスター」が、【必要な情報を吸収し、自分を成長させる】新しい読書術を大公開した新刊『失敗しない読書術』は、Amazonでは8月23日から先行発売、全国書店では8月25日より順次発売されます。興味のある方はチェックしてみてください。

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▼新刊『失敗しない読書術』の「はじめに」「目次」の全文が読めます。

 


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