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腰痛対策の必須マッスル「3つのK筋」の正体

こんにちは。
フォレスト出版の森上です。
 
腰を守っている4種類のインナーマッスルのうち、天然コルセットを形成する、特に大事な3つの筋肉があることを、先日のnote記事でお伝えしました。

では、そんな腰痛対策の必須マッスル「3つのK筋」とは、いったいどんなものなのでしょうか?
 
せたがや手技均整院院長にして、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会認定パーソナルフィットネストレーナーとして、今までに数万人に及ぶ腰痛患者さんの施術し、腰痛改善をしてきた鈴木登士彦先生は、新刊『腰痛は肛門力で治る』の中で、「3つのK筋」について詳しく解説しています。
 
今回は、同書の中からその該当箇所を一部編集して公開します。

腰痛対策の必須マッスル「3つのK筋」──K1:骨盤底筋、K2:肛門括約筋、K3:下部腹直筋

最強の腰痛セルフケアに必要な「3K筋」

 腰痛対策で必要なところは、腹腔、体幹、コア、コアハウス、パワーハウスなど、さまざまな名前で呼ばれていますが、腹横筋、横隔膜、多裂筋、骨盤底筋の4つのインナーマッスルで形成されている胴体の真ん中の部分です。
 しかし、最強の腰痛セルフケアを身につけるには、ここからもう1つ踏み込んでいく必要があります。そのためにもまずは、骨盤底筋、骨盤底筋群の中の肛門括約筋、そしてアウターマッスルの腹直筋の下部繊維である下部腹直筋というキーワードを知っておいてください。
 私たちの体の感覚は、全身が均一ではなく、部分、部分でかなりのバラツキがあることをご存じでしょうか。たとえば、足よりも手の感覚のほうが鋭敏です。背中よりもお腹のほうが、手の甲より手のひらのほうが、お尻よりも顔のほうが意識しやすく設計されています。多少の個人差こそあれ、体に投影される意識の分布図は、ちょうどホルスタインの白と黒の模様の如くまばらです。
 コアと呼ばれる腹腔をつくる4 種類の筋肉にも、はっきりと意識しやすい=動かしやすい筋肉と、意識しづらい=動かしづらい筋肉があります。意識しやすい筆頭が横隔膜であり、一番意識しづらい筋肉が、先ほどもお伝えしたとおり骨盤底筋です。
 よってパワーハウスを形成していく過程では、どうしてもコア底部を支えている骨盤底筋の筋収縮力が甘くなるのは仕方がないのです。
 しかし、構造的に、また生物学的に見て生命力の衰えがダイレクトに反映される骨盤底筋は本来、最も意識して収縮力を高めていかなければならない筋肉です。
 極論に聞こえるかもしれませんが、「腰痛対策には骨盤底筋の筋入力を徹底的に強化すべし!」と私は声を大にして言い切りたいところです。

「骨盤底筋」を徹底解剖して、鍛える方法を探る

 重複しますが、骨盤底筋は、他の3 種類のインナーマッスルに連動、言い換えると、他の筋肉に引っ張られるようにしながら収縮弛緩活動を繰り返している存在です。
 では、他の筋肉より意識の投影が薄く、思いどおりに動かしづらい骨盤底筋に向けて、どのように十分にフォーカスし、意識的に動かしていくことができるのでしょうか?
 そのためにはまず、骨盤底筋の構造から理解してみる必要があります。

『腰痛は肛門力で治る』44ページより

 イラストのオレンジ色部分、骨盤底を膜状に覆うように付着しているのが骨盤底筋です。普通、この筋組織は意識的に動かすのは難しい。では、何か改善策はないのでしょうか?
 心配ありません。ちゃんとあります。
 骨盤底筋には、イラストのように開口部があります。肛門と膣~尿道(女性)です。骨盤底筋全体を意識的に収縮させるのは難しく感じますが、骨盤底筋の一部である「肛門括約筋」を引き締め~引き上げたりすることは比較的簡単にできます。
 この収縮弛緩の反復運動は、一般的に「骨盤底筋運動」として知られ、産後や更年期の女性を中心に、尿漏れをはじめ、さまざまなシモのユルミ対策として行なわれている体操です。

「骨盤底筋運動」のやり方

①最初に息を吐きながら、コア全体を絞り、骨盤底筋を全体的に収縮する。
②次に、肛門を動かす筋肉である「肛門括約筋」をしっかりと締め上げ、肛門を引き上げるように意識する。

 このやり方で、よりしっかりと骨盤底部の収縮を強化することができますのでやってみてください。

より骨盤底部へのアプローチを強化するためのコツ

 このように、最初に呼吸を使いながら、骨盤底筋を他のインナーユニットと連動的に収縮させ、ある程度絞りあげたら、肛門を収縮して引き上げるようにスイッチしていく。骨盤底筋から肛門括約筋への2段スライド収縮が、骨盤底部へのアプローチの仕方です。
 しかし、骨盤底部へのより効果的なアプローチには、もうひと工夫が必要です。それは、恥骨からおへそまでの下腹部を強化して、普通はあまり動かすことのない下部腹直筋を、意識的に十分な収縮ができるように鍛錬することです。
 下部腹直筋を十分に収縮することで、コアの中で最も収縮しづらいですが、腰の安定性を獲得するために最も重要である骨盤底筋を、よりいっそう力強くサポートして、鋼の腰部安定性をつくり上げていくことができるからです。

「腰痛を肛門力で治す」のに欠かせない最重要キーワード「3K筋」を使いこなす

 ここまでを要約すると、腰痛と無縁でいるために、あるいは克服するためには、コアと呼ばれている腹腔に圧をかけて自らの体幹にパワーハウスを形成し、腰椎の安定性、支持性を高めていくことが必要です。

『腰痛は肛門力で治る』46ページより

 そのためには、体幹部のインナーマッスルと呼ばれる腹横筋、多裂筋、横隔膜、骨盤底筋を、息を吐きながら絞るように収縮させていきます。
 加えて、骨盤底筋をより収縮させるために、骨盤底筋の一部である肛門括約筋を収縮~引き上げるように鍛錬し、その上で下部腹直筋を連動させていく。
 これで、腰痛とは無縁でいられる最強のパワーハウスをつくり上げることができます。
 腹腔を絞っていく際の仕上げであり、最終局面で重要となる3つの筋肉の頭文字の「K」をとって「3K 筋」と命名し、この先の話を進めていきます。すなわち、K1:骨盤底筋、K2:肛門括約筋、K3:下部腹直筋、これが3K 筋です。
 3K 筋を使えるようになることが、本書のタイトルである『腰痛は肛門力で治る』の全容であり、唯一無二、究極の腰痛対策なのです。

【著者プロフィール】
鈴木登士彦(すずき・としひこ)
せたがや手技均整院院長。全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会認定パーソナルフィットネストレーナー、シニアエクササイズトレーナー。手技療法・食事栄養療法・運動療法を組み合わせ、細胞レベルからの健康体を作り上げる「自然手技療法」を創始、のべ十数万人のクライアントの健康を担ってきた。政財界関係者、政府要人、諸外国大使館関係者、プロスポーツ選手、オリンピック選手、世界的演奏者、大手企業経営者、芸能人など多岐にわたる一流の方々をクライアントに持ち、絶大な信頼を得ている。現在は、肛門力を強化するパーソナルトレーニングと整体を組み合わせたメソッドで、産後ママから腰や膝に疼痛を抱える方、生活体力を高めたい方、術後の体力強化から高齢者までの健康体作りの「整体+パーソナルトレーニング」を行なっている。

いかがでしたか?
 
今までの腰痛改善にはなかった新常識キーワード「肛門力」。「肛門力」のカギを握る3つの筋肉の頭文字をとって「3K筋」という「天然コルセットのつくり方」、「恥骨タックイン」というその場で腰の痛みがなくす体の使い方など、腰痛になる根本原因と治し方を、体のメカニズムを通してわかりやすく解説したのが、今回ご紹介した鈴木先生の新刊『腰痛は肛門力で治る』です。興味のある方はチェックしてみてくださいね。

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