【腰痛対策】なぜ腹筋をしても、腰痛が治らないのか?
こんにちは。
フォレスト出版の森上です。
腰痛の原因は、腰ではなく、お腹にあることは、先日のnote記事でもお伝えしました。
では、腹筋をしてお腹を鍛えれば、腰痛は治るのでしょうか?
せたがや手技均整院院長にして、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会認定パーソナルフィットネストレーナーとして、今までに数万人に及ぶ腰痛患者さんの施術し、腰痛改善をしてきた鈴木登士彦先生は、「腹筋をしたところで腰痛は治らない」と断言します。
鈴木先生の新刊『腰痛は肛門力で治る』の中で、「腹筋をしたところで腰痛は治らない」理由や対策法について詳しく解説しています。
今回は、同書の中からその該当箇所を一部編集して公開します。
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腹圧が偏ったままでいくら鍛えても、腰痛は改善しない
なぜ腹筋をしても、腰痛が治らないのか?
「腰痛の原因はお腹にある」と言うのなら、腹筋を鍛えれば腰痛がなくなるのではないか?
そう考えるのは普通でしょう。
しかし、いくらクランチなどの腹筋運動を行なって腹筋を鍛えても、腰痛はなくなることはありません。なぜならば、普通筋トレで鍛えているのは、体の表層部にある大きな「アウターマッスル」と呼ばれている筋肉が対象となるからです。
アウターマッスルのスイッチが入った瞬間に、インナーマッスルは活動をやめます。インナーマッスルは、アウターマッスルが稼働し始めると、30%ほどの収縮力を保ったまま働きを停止するという性質があります。
しかし、パワーハウスを形成し、腰部の安定を担っている4種類のインナーユニットは、いずれも体の深部に位置するインナーマッスルです。
ここで大切となるのは、腰痛を起こさない、あるいは現在の腰痛を治すために取り組まなければならないのは、「アウターマッスル」を鍛えて腹筋をムキムキにすることではありません。
表面からは見えませんが、パワーユニットを形成するインナーマッスルを鍛えることが、腰痛の予防と改善につながっていくことの理解が重要なのです。
腰痛を軽減する「インナーマッスル」とは?
ここで、インナーマッスルについて少し解説させてください。
まず、全身にある約600 種類の筋肉の大部分がインナーマッスルに属しています。また、インナーマッスルは、内臓をサポートして正しい位置に収める働きも担っています。
よって、インナーマッスルが衰えると、内臓下垂を起こしてポッコリお腹になります。こうなってしまったら、見た目からでもうまく腹圧がかけられないのは明白です。ポッコリお腹は、立派な腰痛予備軍だと言えます。
また、よく勘違いされているのですが、インナーマッスル=体幹ではありません。
たしかにコアと呼ばれる体幹部は、インナーユニットと呼ばれるインナーマッスルで形成されていますが、その他にも肩関節や股関節などさまざまな関節の周辺にインナーマッスルは張り巡らされていて、それぞれの関節の動きを支え、安定化を担っています。
インナーマッスルの主な仕事は、「体幹部や関節を安定させる働き」と「姿勢保持の働き」の2つです。よって、強い力を発揮して体運動を行なうアウターマッスルとは鍛え方がまるで異なります。
インナーマッスルの鍛え方は、アウターマッスルを鍛えるときのように重く、強い運動では反応せず、呼吸や、ゆっくりとした軽運動での反復動作を繰り返すことで、筋肉と神経の伝達を促しながら引き締めていく感じで行ないます。
詳しくは第3章で述べますが、腰痛を予防、改善していくためには、呼吸運動だけで十分に効果を発揮します。
と言うか、呼吸運動を通じたインナーユニットの神経~筋促通がきちんとできていない状態でアウターマッスルを鍛えると、腰痛持ちの人は改善するどころか、かえって悪化し、運動をすればするほど、立派な腰痛持ちになっていきます。
腰痛は、起こるのも治るのも、すべてお腹の問題なのです。
次の章では、より詳しい腰痛対策として、お腹のパワーハウスシステムを狂わす最重要ポイントである「肛門のユルミ」について解説していきます。
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いかがでしたか?
今までの腰痛改善にはなかった新常識キーワード「肛門力」。「肛門力」のカギを握る3つの筋肉の頭文字をとって「3K筋」という「天然コルセットのつくり方」、「恥骨タックイン」というその場で腰の痛みがなくす体の使い方など、腰痛になる根本原因と治し方を、体のメカニズムを通してわかりやすく解説したのが、今回ご紹介した鈴木先生の新刊『腰痛は肛門力で治る』です。興味のある方はチェックしてみてくださいね。
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