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【フォレスト出版チャンネル#219】ゲスト|リモートワーク時代のマネジメントで変わったこと、変わらないこと

このnoteは2021年9月15日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。

 

リモートワークがうまくいく組織、うまくいかない組織

渡部:フォレスト出版チャンネルのパーソナリティの渡部洋平です。今日も昨日に引き続いて株式会社アタックス・セールス・アソシエイツ、主任コンサルタントの山北陽平さんがゲストに来てくださっています。森上さんと共に今日も伝えていきたいと思います。山北さん、森上さん、今日はよろしくお願いいたします。 

山北・森上:よろしくお願いします。

渡部:昨日の放送では、山北さんのお仕事内容や山北さんのコンサルタントになった経緯ですね。意外と言っていいのかわかりませんが、プロミュージシャンであったお話だとか、僕らもすごくお世話なっている横山信弘さんから指導されて成長されたお話など、かなり刺激を受ける内容になっていますので、ぜひ昨日の放送も聞いていない方はチェックしてほしいと思います。さて本日は、コロナ禍をきっかけに加速したリモートワーク時代において、今までのマネジメントと変わったことと、変わらないことを含めた、リモートワーク時代のマネジメントについて詳しくお聞きしたいと思います。部下が二人以上いる方、経営者の方には役立つお話が聞けると思いますので、ぜひ楽しみに聞いてください。
では、本題に入っていきたいと思いますが、森上さん、マネジメントですね。コロナ禍のリモートワークも当たり前になってきておりますし、かなりやり方が変わってきているんじゃないかということで。

森上:そうなんですよね。渡部さんも、今、デジタルメディア局の中で部下がいたりとか、僕も編集部の責任者として、いろいろと部下のマネジメントというのもありますが、実際どうですか? リモートになって、変わった面、変わってない面って渡部さん感じたことってあります? 特にない?

渡部:そうですね。こんなこと言っていいのかわからないんですけど、たぶんリモートワークになって、変わったことと、変わらない、そもそもの本質ってあると思うんですけど、そもそも本質のほうがまずできていないんで、リモートワークどうのこうのじゃないっていう……。

森上:(笑)。やっぱりリアルで伝わること、伝わらないことってあったりとか、やっぱり感じることってあるんですけど。実際、山北さんは一般的に、クライアントさんのコンサルタントに入っている現場の中で、コロナ禍をきっかけに、リモートワークでマネジメントにおいて変わったことってあったりします?

山北:そうですね。うまくやれている会社もありますが、そうじゃない会社というところが非常に多いかな、と。営業の職種ってどちらかというと、リモートワークはやりやすい職種です。工場であったり、それこそ店舗っていうことになると、どうしても箱であったり、工場の中の物を回さなきゃいけないといったことから、そもそもリモートが成り立たない職種があります。営業という職種はリモートワークは非常にやりやすい職種ではあるんですよね。ですが、マネジャーがうまくマネジメントできていないというところから、リモートワークがうまくいってないという、そういう組織が多いのかなと、いろんなとこを見ていて感じるところではありますね。「できない」って言っている人たちは、「いや、マネジメントを今までやってこなかったからでしょ」っていうですね。

森上:ああ、そもそもマネジメントそのものをやっていなかった。なるほど。コロナ前にちゃんとマネジメントできていたところは、リモートワークになっても、うまく回っている、マネジメントできている。その逆は全くダメって感じなんですね? じゃあ、あまりリモートは関係ないって感じですか?

山北:そうですね。営業の職種が、そもそも毎日何時間も組織のメンバーが顔を合わせながら仕事をするという職種ではないですよね?

森上:そうですね。

山北:コロナになる前から、顔合わせずにそれぞれで動いていたっていうところがありますので、最後に集まるところが会社だった。夕方とか朝一に顔を合わせてっていうところ、あとは月に1~2回会議をする。そういったところはありますけれども、マネジャーとして、部下の行動、組織の成果を気にして今までやってきた人は、コロナ禍になってリモートワークになったとしても、変わらない。手法は変えていかなきゃいけません。お客さんとどう接点を得るか、やり方を変えるかといったことは、これはコロナ禍の状況に合わせて変えていく必要がありますけれども。
でも、そのやり方はもうだいぶ確立してきていますし、お客様側も「もう会わなくても営業を受けるのは当たり前だよね」とか、「オンラインで打ち合わせをやるのは当たり前だよね」となってきていますので、コロナ禍になったばかりくらいの去年の4月、5月ぐらいは何やっていいのかわからないってところで苦しんでいましたけれども、もういろいろとできる時代になっていますので、そういう意味では、今、「営業ですけど、会社に来てもらわないとできないですよね」といったことだと、残念ながら組織として変化に対応していないことになってしまいます。

森上:なるほど、なるほど。よくアタックスの横山信弘さんはじめ、山北さん、他のコンサルタントの方もよくおっしゃることとして、「行動」、「大量行動」ってありますね。あれはリモートになって、むしろ営業マンは「大量行動」しやすくなったっていう感じですか?

山北:そうですね。これも営業のスタイルによりますけど、既存のお客さんとのやりとりの中で、こちらが能動的に動かなくても、ある程度の受注もらっているようなルート営業的な営業に関しては、コロナ禍になって一定のお客さんからの受注が減ったということで、そのお客さんたちに会おうとしても会えないとか、何回も面談しようとしても会えないというところがありますけれども、ただ職種によって新規の活動をもっとやらなきゃいけないとか、常に新規の活動をやりつつ、リードを取っていくような営業スタイルを普段からやっていた方たちにとっては、むしろ行動しやすくなってますね。

森上:なるほどね。リモートワークが常態化したことによって?

山北:そうですね。ちょうど私は今、セッションをやらせていただいているんですけれども、この期間に、過去に「壁マネジメント」を指導させていただいた部下の方たちが、会社は面談と飛び込み営業は一切やめて、電話とオンラインだけで全部クローズするというスタイルに変えて、過去最高益を出しました。行動量も成果も出続けている、と。その管理に「壁マネジメント」が使われています。

森上:なるほど。じゃあ、結局、コロナ禍での営業のリモート、ビフォーアフターに関係なく通用するのが「壁マネジメント」と言えるわけですね。

山北:そうですね。なので、今までなかなかうまくやれていなくて、オンラインになってしまい、リモートワークで営業活動をやっていますという組織からのオーダーをいただくことがあるんですけれども、そこで「じゃあ、オンラインを使ってどういうふうに部下を管理していきましょうか」と。コロナ禍の前であれば「普通に管理していきましょう」ですが、コロナ禍の状態で言うと、「リモートワークで、壁マネジメントをどういうふうにしましょうか」となり、設計自体はほぼほぼ変わらないですね。

「指示だけマネジャー」になっていないか?

森上:なるほどね。そうなんですね。「壁マネジメント」で一番わかりやすい例って、山北さんの御本(『結果を出すリーダーは動かない』)の冒頭に出ていた、「〇日までに出さなきゃいけない書類を、出さない部下が何人かいたと。例えば5人のうち1人だけいつも出さない部下がいると。それに対してどうマネジメントしていくか」という話ですよね?

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 山北:そうですね。

森上:たぶん、リスナーの皆さんはちょっとわからないと思うので、簡単にあのエピソードってお話いただくことできますか? 壁マネジメントのやり方の……。

山北:大丈夫です。そうですね。『結果を出すリーダーほど動かない』の冒頭で話をさせていただいて、「なぜ部下は動かないのか」というところなんですけれども、その理由は2つありますと書かせていただきました。
1つ目の理由としては、「動かなくても何も起こらなかった」というところですね。動かなくても、マネジャーから何も言われなかったということです。それ自体が経験となっていくと、「決めたことをやらなくても済ましていいんだ」という、こういった価値観がついてしまうところですね。

森上:なるほど。

山北:いつも出さないメンバーは同じになってしまうと。言われてもやらなくてもいいんだという癖がついちゃっているということなんですね。やらなくても済んだ経験という点が1つ目の原因のポイントになりますよね。で、まあ、ほぼ同じではあるんですが、1つ目は「やらなくても済んできた経験」、2つ目は「やらなくても済ませてきた経験」ということですね。ちょっと2つ目のところは、1つとも被るんですが、やらなくても、マネジャーが関与しなくて、そのまま素通りになってしまっていた、というところですね。最終的には、決まったことをやらなくても済ましてきちゃった、マネジャーの責任だということ。これがお伝えしたいところなんですね。

森上:なるほど。

山北:部下が動かない理由は、まさにそこです。本来は必要なこと、絶対にやってほしいこととして設定することばかりじゃないですか。それをやらなかったとしても、そのまま過ぎ去ってきたという経験を組織の中にさせればさせるほど、ルールがつくられたとしても、結果的に守らなくてもいいという組織の風土になっちゃうんですね。

森上:なるほどね。

山北:どこかで、それを断ち切ってかなきゃいけないですよね。「これをやろう」と決めたことに関しては、できない理由がない状態にしなきゃいけないんですが、やると決めたことに関してはやりきらせる。マネジャー自身がかかわっていかない限りは、やりきる習慣って絶対につかないですよ、と。そのために、マネジャーは多少嫌われることもあると思いますし、嫌だな、めんどくさいなと思われることもあるでしょう。ただ、これは、マネジメントする方の仕事であり、責任ですね。だって成果を出すために組織のメンバーのリソース、必要なことに向けて行動させなきゃいけません。やりきらせなければ、成果って生まれないわけですから。自主性で、「我慢していたら、いつかやってくれるかな」って思って、1カ月経っていたなんてことであれば、成果につながらないわけです。部下は「やらなくてもいいんだったら、やらないです」って考えているとしたら、どんな我慢して待ったって、優しい言葉で促しても、やらなくてもいいんだって決めきっちゃっているわけですから。

森上:なるほど。ルールをつくった。そのルールを守らなかった部下がいました。そのときにルールを守らなかった部下に対して、何もそれを管理しなければ、やりきらせなければ、「それは、上司もルールを守っていないことだよ」ってことを言いたいんですよね。

山北:そうですね。本の中でも「指示だけマネジャー」という言葉を出させていただいているんですけれども、よくあるパターンなんですけれども、「これ、やっといてくださいね」と伝えるだけ伝えて、その後、何もしない。「言ったんだからやるのが、当然でしょ」ってことですね。私のコンサルの経験でもそうですけれども、これでやってくれる人は1/10ですね。そして、めちゃくちゃ優秀な人だけです。
多くの人は、「やっておいてくださいね」っていうことを伝えた、プラス、スケジュールを決めて、その上でさらに確認して管理していくということですね。ここがセットになってないと、実行してくれないですし、それがさらに毎週やらなきゃいけないとか、毎日やらなきゃいけないってことであれば、習慣としてできあがる。習慣化するまではとにかく一緒に付き合ってやっているのか、やっていないんだったら、やりなさいよってことですね。ここを付き合って、「介入」と言っているんですけれども、この管理をセットにしていかないと、言っているだけでは絶対にやってもらえないです。9/10の人は、自分の意思でなかなかやってくれるってことはないですよね。

森上:なるほど。

山北:ですが、「指示だけマネジャー」は、「言ったんですけどね。やってくれないです。彼らが悪いんです」って、責任放棄をしているっていうことですね。でも、違うんです。マネジャーはそうやって自分で決めたりとか、会社の方針として決まったことをやりきらせるのが仕事です。責任ですから、やりきらせるまでかかわらなきゃいけない。だから、マネジャーなわけですよね。にもかかわらず、指示だけして、やってくれないのを部下のせいにするのが「指示だけマネジャー」で、非常に危険な状態です。マネジメントとして、うまくやれない、やっていない人を表す、ちょっと皮肉的な言葉として「指示だけマネジャー」と書かせていただいておりますね。

動かない部下が動くようになる「壁マネジメント」3つの仕組み

森上:なるほど。いや、すごくわかりやすい解説ですよね。叱るとかじゃなくて、ちゃんと仕組みがあるんですよね?

山北:そうですね。

森上:それが、「壁マネジメント」のめちゃめちゃいい特徴だったですよね?

山北:そうですね。「壁マネジメント」をシンプルにしているのは、ルールをちゃんと決める。できない理由のないルールを決めて、実行させていく「ルール決め」という1つ目の点と、2つ目は、先ほどお伝えした指示だけではなくて、介入をしていく。今日やると決めたことを、やれるかどうかの計画の確認と、結果の確認ですね。できれば、朝と夕方に2分ずつでも構わないので、「今日やること何?」って、「これやるって言っていたよね?」って確認して、夕方は「今朝確認したやつは、できた?」っていう、こうやって確認をするという介入ですね。

で、3つ目のポイントは、フィードバックのルールがあるんですけれども、フィードバックっていうところを、いかに相手に次は望ましい行動をとってもらって、望ましくない行動をやめてもらうか。行動分析学を基に、マネジャーがどういうふうにフィードバックするのかという、ルールも設定をしています。

そのやり方は行動分析学を基にしています。あんまり聞きなれない言葉ではあるんですが、「好子(こうし)と嫌子(けんし)」という、好きな子と書いて「好子」、嫌いな子と書いて「嫌子」という、こういったフィードバックのやり方を伝えています。「好子」とは、相手にメリットのある、そういったフィードバックをしますよと。「嫌子」は、デメリットあるフィードバックをする。それは何かと言うと、ルールに対してその行動をやったか、やってないか。できない理由のない状態になったルールに対して、できたか、できないかというところですね。

イレギュラーがあってできなかったことは、それは仕方ないので、イレギュラーは排除しますが、「やろうと思ったらできたよね」ってことに対して、ただ習慣化していない、新しいルールであったとするならば、できたということであれば、ちゃんと褒めてあげる。メリットのあるフィードバックをしてあげる。上司から褒められる、上司から「この行動でOKなんだよ」って言われることって、本人にとって非常にメリットがあります。「この方向性でやっていけばいいんだ」ということがちゃんと感じられるフィードバックになるわけですね。

一方、できない理由がないにもかかわらず、スケジューリングもしていました。でも、自分の意思で「ちょっとうまくできなくて……」となれば、「それはおかしいよね」っていうことで、デメリットのフィードバックを出しますね。ここは叱る、注意をする、もう一度その行動を実行させる、ということですね。

そういったフィードバックを行なっていき、できた場合には褒める。できなかった場合は次できるようにちょっと注意するとか、次にやるスケジュールをちゃんと決めさせてとか、今すぐやりなさいってことで改めてやらせるということですね。こうしたことをやっていくことによって、次も同じ注意を受けないようにしようとなるわけです。褒められた人は、これをやれば認められるんだったら、次もちゃんとやろうというところですね。ルールどおりの行動をやれば、メリットがあるということを感じて、その方向に進んでいくという管理ですね。

これを細かくやっていって行動が習慣化するまできっちり介入して、管理して、その上で常にフィードバックをしっかり、と。できた場合には、褒める。できない場合は注意するということを繰り返していく。その流れ、当たり前の流れでは、あるんですけれども、多くの場合はこれをやれていないですよ。言いっぱなしがほとんどです。

森上:つまり、ルールを習慣化させることが1つの目的なので、最初は朝に確認して、夕方に確認っていうのを繰り返しつつ、ちょっとできるようになったら、1週間単位、よりできるようになってきたら、1カ月単位と徐々に増やして、期間を広げていく。そこで習慣化を身につけさせる。そのマネジメントの仕組みが、今の「好子」「嫌子」の話だということで、よろしかったですかね?

山北:そうですね。その流れでやっていくだけで、決めたルールに関して、朝ちょっと、夕方ちょっと確認していくっていう。これだけでも、今までマネジメントをやってなかったんだとすると、かなり効果がありますよ。

森上:なるほどね。

山北:リモートワークであれば、以前は、会社で朝、夕方にそれぞれちょっとずつ会えてできたんですが、今はわざわざやらないとその時間がリモートなので取れないということあるかもしれません。それならば、zoomでも、それ以外のツールでも、何でもいいじゃないですか。LINEだって、メンバーの中で打ち合わせしたりすることができるわけですから、そういった機能を使って、5人くらいのメンバーであれば、朝5分、夕方5分、マネジメントのための時間をつくっていって、リモートワークであれば、タスク管理をするといいですよね。スケジューラーにちゃんと載せておいて、そのスケジュールどおりに行動ができたのか、できなかったのかっていうところですね。

森上:なるほどね。

山北:そして、マネジャーがそれに対して評価をしていく。「好子」を出すのか、「嫌子」を出すのか、「OK! できてよかった! これからも頼むよ!」と好子を出すのか、「ちょっとそれができなかったのはおかしいですよね。何でやらなかったんですか? 明日、それのリカバリーをやらなきゃいけないですけど」っていう嫌子を出すのかっていうことですね。毎日5分ずつ取るだけでも、大きく変わりますよ。

森上:なるほど。まさにすごく基本的なところですけど、いかに介入を好子、嫌子を使いながらやっていくか。それが「壁マネジメント」の本質。それが、いわゆる壁になるわけですね。

山北:そうですね。あとは、やっぱり感覚だけでやっていてもダメなので、そういった行動をやったのか、やってないのか。どういうフィードバックをしたのかってことを非常に簡単で構わないので、履歴をつけていくといいですね。これを「スコアリング」って言うんですけれども。

森上:はい。御本の中でも書かれていますね。効果的なスコアリングの仕方みたいな。

山北:そうです。非常に簡単なので、好子を出したのか、嫌子を出したのか、行動をやったのか、やってないのか。あとは、やっぱり成果につながらなきゃいけないので、その行動をした結果、何かしらの成果につながったのかどうか。その成果も中間成果と最終成果っていうところで、成果基準を決めておく必要があります。これはKPIの考え方と同じなんですけれども、その行動した結果でKPIの数値が増えたのか、増えてないのかっていうところですね。そこも管理するんですけれども、まずは行動ができたのかどうか。その結果、成果につながったのかどうかっていうことですね。

森上:なるほど。

山北:そんなに時間はかからないですからね。

気弱なリーダーや女性マネジャーに最適!「壁マネジメント」

森上:今回の御本の読者さんからの反応を見て、すごくよかったなと思ったのが、例えば年上の部下がいるとか、ちょっと気弱なマネジャーだったりとか、そういった人たちもこの仕組みを使うと、いい意味で仕組みのせいにできるって言ったら語弊があるんですけど、それがやりやすくなりますよね。動かしやすくなると言うか、マネジメントしやすくなると言うか、気が引けたりとか、そういう性格とか関係なく使えるっていうのも1つの大きな特徴ですよね。

山北:はい。スコアリングシートをつけておくことによって、やれていない人は、これだけやれていないんですよって示すことができますし、自分のフィードバックのやり方を変えることで、やってくれたのか、やってくれなかったのかってことをジャッジして、検証していくことができます。だから、部下が年上とか、女性のマネジャーも最近多くなってきたっていうところで、部下が男性社員ばっかりでも関係なしに、見せることで使えます。「私は毎日指示しているけど、あなたはやってないですよね」っていうところも、履歴を見せられますし、自分のマネジメントのやり方をどうやって変えようかなっていう、そういった検証にも使えるっていうことがあります。この2つのツールがあれば、「部下がどうだ」っていうところは関係なしで、ちょっと切り分けてマネジメントすることができますね。

森上:なるほどね。あとは御本にも書いてありましたし、読者の方で、そういう方が結構多かったのが、お店の小売店の店長さんとアルバイトさんの関係ですよね。そこで結構うまく使えたっていう店長さんとか。いわゆるアルバイトさんって時給なので、やっぱり責任がちょっと弱いというか、その人たちにどうマネジメントしていくかっていうところで、この「壁をマネジメント」を使ったら、うまくいったっていう。アルバイトと社員の関係でのマネジメントにも使えるし、社員同士の上司と部下でも使えるし、っていう。いろんな場面で使えそうですよね。

山北:そうですね。店舗の中でのルールとかに関しては、介入して言うだけでもかなり変化するというふうに、いろんなところからも聞きますし。

森上:本の中でも、お店の事例が出ていましたもんね?

山北:そうですね。「お店のアルバイトさんって、なかなかうまく動いてくれないですよね」って、それってマネジャーの責任です。言ってないだけってことが多いですよね。

森上:なるほどね。そのあたりをちょっとやるだけでも、全然変わってくるってことですね?

山北:それはもう変わりますし、スコアリングをつけていけば、それで誰ができているの、できていないのってわかりますので。その場限りで、感覚的にやっていたらダメです。

森上:そういうマネジメント手法をまとめた「壁マネジメント」のノウハウが詰まった本が『結果を出すリーダーほど動かない』ですね。これは2017年に出た本で、おかげさまで、いまだにずっとロングセラーで売れ続けていまして、時代を問わず使える本なんだなと、改めて我々も感謝しております。素晴らしい御本を本当にありがとうございます。

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山北:ありがとうございます。

森上:渡部さん、すみません。ずっと山北さんと私だけでしゃべってきちゃったんですが……。

渡部:いえいえ。大丈夫です。今日はもういないつもりで。

山北・森上:(笑)。

森上:もうだいぶ時間がきちゃったんで。

渡部:本当に今日のお話を聞いていて、ためになると同時に、耳が痛いようなお話がすごく多かったので、個人的に考えていきたいなと。マネジメントする側としても、される側としても、非常にためになる時間でした。ありがとうございます。

山北:やっぱりマネジャーの人たちは、成果を求められるんですよね。その行動をやったかどうかなんていうことではなくて、もうミドルマネジャー以上の人は成果で評価されますので、その人たちは、やっぱり成果を出すために行動してもらわなきゃいけないんです。その権限がマネジャーにはありますので、「部下が動いてくれないんです」って言っている時点では、「自分の成果を出せないんです」って言っているみたいなもんですから。

森上:なるほどね(笑)。

山北:やっぱり1つ型を持っていただいて、その上で、管理していただくことを覚えていただくだけで、お仕事がだいぶ楽になるだろうなっていうところは思いますね。

森上:はい。ありがとうございます。

渡部:今回お話しいただいた「壁マネジメント」について書かれた御本ですね。『結果を出すリーダーほど動かない』、こちらに関しては、チャプターにURLを貼っておきますので、今日の話がグサッときた人はぜひ、今すぐクリックして、買っていただけるといいのかなと思いました(笑)。

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森上:(笑)。

渡部:ちなみに個人的に聞きたいのですが、タイトルを付けたのは森上さんなのか、山北さんなのか。『結果を出すリーダーほど動かない』という書名なんですが、やっぱり動いていく必要性があるなっていうのを逆にすごく感じたんですけど、タイトルはどういう意味があるんでしょう、これ?

森上:これね、すごく迷ったんですよ。リーダーが動かないんじゃなくて、動かないのは、先ほどの「壁」っていう、その意識と、マネジメントして部下の言い訳とかで動かないっていう意味で、実際にはめちゃめちゃ動きます。介入をバンバンするんで。たぶん一番マネジャーが、リーダーが動くものだと。ただ一応、昨日の放送で「壁マネジメント」の山北さんの解説があったとおり、動かないで、堂々とそこで壁となるといったところに、本の焦点を当てて、タイトルにしたっていうのが、本質的なところです。

山北:そうですね。なので、本のコメントでも、「なぜ動かないのかということが、最後まで全部読んでわかった」っていう人がやっぱりいましたけど、読んでないんだろうなあっていう人は、「めっちゃ、動くじゃないですか?」っていう……。あとたまに「山北さんの本を読みました」って、「やっぱりマネジャーは、動くべきじゃないですよね」って、言ってくる人がいるんですよね……。

森上:それは読んでない(笑)! 全然読んでない(笑)!

山北:「そうですね」って、答えるんですけども。

森上:(笑)。

山北:読んでくれてないんだなっていうのは、わかりますね。

森上:その答え合わせにもなるという、タイトルですね。

渡部:そうなんですね。「動きたくない」っていう自分の欲求を正当化するために手に取りたくなるタイトルだったりとかするな、と。

山北・森上:(笑)。

渡部:でも、それで読んだら、ガツっといかれて、「そうか……」って思っていただくのが一番いいですね。

森上:そうですね。本当に最後まで読んだ方は絶対意味がわかります!

山北:クレーム的に「めちゃくちゃマネジャー動かなきゃいけないじゃないですか!」って言ってくる人のほうが、読んでくれてありがとうっていう感じです。

森上:そうですね。

渡部:そういうことになりますね。

森上:本当にそうだと思います。

渡部:ありがとうございます。今日はいろんな秘密を明かしていただきましたが、ロングセラーで売れていて、評価も高い本ですので、ぜひチェックしていただきたいと思いました。山北さん、2日間聞いていただきましたリスナーの皆様に最後のメッセージをお願いしたいと思います。

山北:はい。今日も聞いていただいて、ありがとうございます。コロナ禍でお仕事をしていく、特にマネジャーの方ですね。成果を求められます。すごく大変な状態ではありますけれども、ここでやっぱり力っていうのが試されますし、こんな状態だからこそ試せることがあります。組織の力を試していく、組織の力を強くするというところも、こういった時代のときに、強くしておくほうが、あとでさらに花咲く成果につながっていきます。そのための1つの型として「壁マネジメント」という手法ですね。使っていただけるんじゃないかなというふうに思いますので、この放送を聞いて気になった方は、ぜひ本を手に取っていただきたいと思います。ご視聴いただきありがとうございました。

渡部:はい。山北さん、それでは本当に2日間どうもありがとうございました。

山北:ありがとうございました。

森上:ありがとうございました。

(書き起こし:フォレスト出版本部・冨田弘子)

 

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