【実家の空き家】「売れない」と踏ん切りをつけた後の次の一手
こんにちは。
フォレスト出版編集部の森上です。
実家の「空き家」所有者になってしまったら、放置せず有効活用するために【売る】【使う】【住む】【貸す】という大きく4つの手段があると、このnoteでもお伝えしてきました。
【売る】【使う】【住む】【貸す】という順番にも意味があり、おすすめ順、いわゆる空き家所有者にお金が残る順番であるのですが、どうしても「売れない」ものがあります。では、その次の一手をどうすればいいのか?
空き家・古家再生のスペシャリストである三木章裕さんによれば、「使う」と判断する前にいくつか手段があるといいます。
三木さんは、新刊『実家の「空き家」超有効活用術』の中で、「売れない」と踏ん切りをつけた後の次の一手を提示しています。今回は、同書の中から該当箇所を一部編集して全文公開します。
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売りたくても売れないときもある
売却から進めたのに、全然反応がない……。そんな場合もあるでしょう。
ここで、反応がないレベルを診断する必要があります。
◎レベル1……不動産業者にも売れないと断言され、断られてしまう。
◎レベル2……当初設定売価では売れない。
レベル1は、そもそも物件の市場性がない(購入者が存在しない)ケースです。
どんな場合かというと、過疎地などで辺鄙(へんぴ)なところで、ほとんど人が住んでいない、利用価値がないと思われる物件です。
「売れない」と踏ん切りをつけた後の次の一手――相続放棄・物納・ターゲット変更
「もう売れない、売るのをやめよう」と思ったら、どのような一手があるのか、気になるところでしょう。
考えられるのは、残り3つの解決法「使う」「住む」「貸す」から考えていくのが手順になります。これらの3つの解決法は、第3章以降にそれぞれ解説していますので、参考にしてみてください。
ここでは、「使う」「住む」「貸す」以外の番外編をご紹介します。
番外編には3つの方法があります。
◎相続放棄
そもそも「相続自体をしない」「相続放棄をする」という考え方です。
しかしながら、相続放棄をした場合も、「次に相続人になった人が相続財産を管理できるようになるまで、自分の財産を管理するのと同じぐらいの責任をもって管理しなければならない」という民法の規定(民法第940条)があります。
固定資産税などの支払いは免れますが、管理責任は残ってしまい、完全に手離れできたとは言えないのです。
相続放棄したから安心なわけでなく、例えば、地方の田舎で相続放棄した親の家が老朽化して近隣の住宅に被害を与えた場合、突然、あなたの管理責任を問われて、あなたに損害賠償を請求される可能性もあります。
そのため、管理責任まで免れようとするなら、家庭裁判所から選任された「相続財産管理人」が管理責任を引き継がないといけません。
しかし、相続財産管理人の選任をするには、その報酬や経費に充てる「予納金」が必要になります。
一般的には予納金は50万〜100万円ほどはかかると言われています。
相続もしていないのに、別途お金がかかるのです。最近はこのような相続を「迷惑相続」と言うそうです。
それでも、思わぬ管理責任を負うくらいなら、お金をかけてでも相続財産管理人を選任してもらうことをおすすめします。
古家を放置して維持管理の責任を負うなら、こちらのほうが安くつく可能性があります。
また、安易に自治体への寄付なども考えますが、なかなか受け取ってもらえないのが現状です。
しかし、自治体が借りてくれる場合があります。自治体の施設の駐車場や会館などニーズがマッチすれば、借りてくれる可能性もあります。
困ったときは、寄付だけでなく、借りてもらえないかどうかも相談対象です。
◎物納
流通価格(売れる値段)は安いのに、やたら不動産評価額(路線価)が高い場合があります。
こんなときに相続税が発生する場合は、お金ではなく、その古家を物納できないか税務署と交渉するという方法があります。
一般的に、古い建物は、税務署は収納しようとしませんが、交渉によっては可能性もありますので、相続税の申告をしてもらう税理士さんにご相談ください。
◎収益不動産にして売却
第5章でお話ししますが、家賃が得られる収益不動産とすることで、別の客層へのアプローチができ、現時点で売れなかった物件が再評価されて、売却できる場合があります。
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いかがでしたか?
何もしなければ金食い虫となってしまう実家の「空き家」ですが、上手に活用すれば金食い虫どころか、所有者にお金が残る、資産として潤してくれる“富動産”に変わるお宝になります。
【売る】【使う】【住む】【貸す】――。
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