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「解像度を上げる」ためにまずすべきこととは?

フォレスト出版編集部の山田です。

前回は、仕事ができる人に共通する「解像度が高い」状態とは何かについてご紹介させていただきました。内容を簡単に振り返ると、解像度の高い状態とは「相手の持つ課題を、時間軸を考慮に入れながら、深く、広く、構造的に捉えて、その課題に最も効果的な解決策を提供できている」ということでした。

しかし、解像度が高い状態とは何かはわかったけど、その状態に至るために「どうやって解像度をあげたらいいのか」が気になるところではないでしょうか。

そこで本記事では、『解像度を上げる――曖昧な思考を明晰にする「深さ・広さ・構造・時間」の4視点と行動法』(馬田隆明 著、英治出版)から、解像度を上げる方法についてご紹介させていただきます。

解像度を上げる4つの視点

著者によると、解像度の高い人は
「一つの事象を、深く、広く、要素分解したうえで構造化し、その中でも特に重要なポイントが特定できている。さらに時間の影響も考慮している」そうです。

つまり、解像度の高さは下記の4つの視点で構成されると著者は断言しています。

【解像度が高い人の4つの視点】
①  深さ
②  広さ
③  構造
④  時間

したがって、この4つの視点を用いることで解像度を上げることができると言っています。その中でも、特に「深さ」が重要であると著者は主張しています。なぜなら、「深さがなければ、課題を考えるときも何が根本的な問題であるかがわからないから」だそうです。

まず取り組むべき「深さ」とは何か?

では、そもそも「深さ」とは何でしょうか?

深さの視点について、著者は下記のように述べています。

原因や要因、方法を細かく具体的に掘り下げることです。先ほどの例で言えば、筋肉の大まかな位置だけではなく、種類まできちんと特定できていて、それぞれがどのような特徴を持つのかまで把握できている状態です。

これに関して、著者は次のような例を挙げて説明しています。

たとえば「売上が下がっている」という課題を考えるときに、顧客数が減っているのか、単価が下がっているのか、顧客あたりの購入頻度が下がっているのか、などの課題の原因の深掘りが必要です。つまり、見えているものの奥にある原因や可能性を深く掘り下げて把握することで、解像度を上げることができるのです。

解像度を上げるには、そもそも何の解像度を上げようとしているのか、課題を明確にする必要があります。その向き合うべき課題を明確化するために、深さが重要になってくるようです。

では、実際この深さの視点をもつことでどんなふうに行動が変わるのでしょうか?

例えば、先ほどの「売上が下がっている」というビジネスの課題の場合、深さがないと「売上が下がった理由は営業訪問回数が少ないからに違いない。営業訪問回数を増やせ」と決めつけてしまいます。

一方、深さの視点をもつと、下記のように高い解像度で課題を理解した上で、行動できると言っています。

人よりも、データを用いながら「売上が下がった理由は、類似商品を売る競合が受注を増やし、獲得顧客数が減っていたからだ。その理由は競合が大幅な値引きをしているからで、競合は他商品とのセット購入を見越して大幅な値引きをしているようだ。その値引きに対抗するための対策を撃つ必要がある」

もちろん4つの視点のうちのどれか1つに集中的に取り組めばいいわけではなく、4つが相互に影響しあって、解像度は上がるのだと、著者は言っています。

しかし、解像度が上がらない状況の中で最もよくあるのは、深さが足りないパターンなのだそうです。そのため、まず「深さ」から始めることを著者はおすすめしています。

以上、解像度を上げる方法について「深さ」に注目しご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。

解像度を上げるには「深さ」「広さ」「構造」「時間」の4つの視点が必要ですが、その中でも「深さ」が重要であるということが述べられていました。もしいま抱えている「課題について十分に理解できていない」「解決策の内容がふわっとしている」と感じられる場合は、まず「深さ」を意識して取り組むことで、解決の糸口が見えてくるかもしれません。


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