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#361【ゲスト/ライター】フリーライターという生き方

このnoteは2022年3月30日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。

フリーライターになるまでの紆余曲折

今井:フォレスト出版チャンネルのパーソナリティーを務める今井佐和です。本日は編集部の森上さんと共にお伝えしていきます。森上さん、どうぞよろしくお願いいたします。
 
森上:よろしくお願いします。
 
今井:今日も素晴らしいゲストに来ていただいているんですよね。
 
森上:そうなんですよ。僕は、『男のためのハズさないワイン術』とか、『スパイス活用超健康法』『酒好き肝臓専門医が教えるカラダにいい飲み方』、こういった健康とか食の本を編集担当していまして、そのライティングとかでもすごくお世話になっている方で、本当に出版業界の大先輩なんですよ。今日はお忙しい中来ていただきました。来月からアメリカに行くっていうお話も聞いているので、そのあたりもちょっといろいろとお聞きできればなと思っております。

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今井:『酒好き肝臓専門医が教えるカラダにいい飲み方』とか、『男のためのハズさないワイン術』とかって以前にVoicyでもご紹介したことがあるご本ですよね?
 
森上:そうです、それです、それです。
 
今井:そんな素敵なブックライターさんがゲストということで、本日のゲストはフリーライターで、フリー編集者の牧野森太郎さんです。牧野さん、本日はどうぞよろしくお願いいたします。
 
牧野:よろしくお願いします。
 
今井:では、私から簡単に牧野さんのプロフィールをご紹介させていただきます。牧野森太郎さん。ライフスタイルやインテリア、自動車雑誌などの編集長を経て、現在はフリーランスの編集やライターさんをされていらっしゃいます。健康関連、食関連、スポーツ、アウトドアなど幅広いジャンルに寄稿していて、アメリカの国立公園を訪ねることをライフワークとし、著書に『アメリカ 国立公園 絶景・大自然の旅』『自分自身を生きるには 森の聖人ソローとミューアの言葉』、共に産業編集センターさんから出ている本があります。ビジネス書や心理もの、スピリチュアルの本が多い印象のフォレスト出版なんですけれども、先ほどご紹介したワインの本だったり、肝臓の本だったり、健康関連ですとか、食関連の本も結構出しているんですよね。
 
森上:そうなんですよ。先ほどもちょっとお話したんですけど、『男のためのハズさないワイン術』『スパイス活用超健康法』『酒好き肝臓専門医が教えるカラダにいい飲み方』、この3冊についてはすべて牧野さんにライティングをお願いしてできあがった本なんです。
 
今井:そうだったんですね。そんなライターさんとしてご活躍されている牧野さんですが、牧野さんがライターになるまでのいきさつをお聞きしてもよろしいでしょうか?
 
森上:最初は出版社ですか?
 
牧野:実は私は地方大学の農学部を出ているんですけれども、大学在学中から本を作る仕事をしたいなというふうに希望していたんですが、地方にいると、大きな出版社しか知らなくて、どんなふうに本を作る仕事に携わったらいいかっていうのは全くわからなかったんですね。それで一般企業に就職したんですけれども、東京に出てきてみると、意外と門戸が広いと言いますか、フリーで仕事している人もいれば、小さい出版社もあったり、編集プロダクションみたいな業務もあったりということで、もしかしたら自分にもチャンスがあるんじゃないかなと思いまして、27歳のときにいったんドロップアウトして、ある出版社のアルバイトで採用してもらって、そこからこの業界に入りました。
 
森上:そうですか。
 
今井:アルバイトとしてスタートされたんですね。
 
牧野:そうですね。1日5000円っていうアルバイトだったんですけど(笑)。
 
森上:(笑)。かなり安い感じになっちゃいますね。
 
牧野:それまで勤めていた会社からすると、収入はガタ落ちでしたけど。でもやっていて楽しかったって言いますか。本が毎月1回できてくる、この自分の成果を手に持つってことに喜びを感じて、それからはこの道一筋になっちゃいました。
 
森上:そうだったんですね。ご本人の中で出版にかかわりたいという想いがもう学生時代からあったっていうことなんですね?
 
牧野:そうなんですよ。
 
森上:そうでしたか。
 
牧野:まあ、父親も本好きで、家にたくさんの本があったっていうのもあると思うんですけれども。学生の頃も本をみんなで読んだり、創作したりするようなクラブに入ったりして、そういう仕事に就きたいなというふうには思っていました。
 
森上:そうですか。アルバイトから始まって、そこで出版社の社員になるんですか?
 
牧野:そうです。アルバイトのところでいったん社員になりまして、そこから細かくなっちゃいますけど、他の出版社に移ったり、編集プロジェクションに移ったり、いろいろとしているうちに15年ぐらい前ですかね。フリーランスになって、ライターと編集を請け負うって言いますか、自分で企画を立てて、版元に持ち込むようなことをするようになりました。
 
森上:そうなんですね。得意なジャンルっておありだったりしますか?僕の場合だと健康本とか食に関するものって、やっぱり牧野さんかなと思ってお願いすることが多いんですけど。
 
牧野:やっぱり編集の仕事が一番楽しかった頃に作っていたのが、男の趣味みたいな本が多かったので。まあ、アウトドアですとか、自動車ですとか、あと祭りの本も作りましたし、あと旅行ですとか、ファッションですとか。ですから、なんとなく自分の中では「得意なジャンルは何ですか?」って言われれば、「男の趣味に関する本」と考えています。
 
森上:なるほど。いわゆるカルチャーというか。そっちに近いのかな?
 
牧野:そうですね。車の本もアメリカの西海岸の影響を受けた、そういうカスタマイズって言いますか、ドレスアップするようなものが最初だったので、なんとなくアメリカ西海岸のカルチャーっていうのには非常に親しみを感じています。子供の頃からそういうのが好きだったっていうのもありますけど。
 
森上:なるほどね。牧野さんの年代から考えると、アメリカンカルチャーの走りと言うか。
 
牧野:そうですね。音楽ですとか映画ですとか本ですとか、割と中学生、高校生の頃は、そういうアメリカのカルチャーが好きでしたね。
 
森上:なるほど。実際にそこでやっていたのは、書籍が多かったんですか? それともムックとか雑誌とかが多かったんですか?
 
牧野:そうですね。雑誌がよく売れた時代だったんで、1990年代の前半ぐらいのときから。
 
森上:(雑誌)全盛期ですね。
 
牧野:ええ。ちゃんとした本を作れば、結構どの本もよく売れて。そういう意味でも、仕事が楽しかったですね。

専門テーマをとことん追求し、著者になりきる/ブックライターの仕事内容

森上:なるほど。佐和さん、牧野さんは雑誌とかもやられていて、趣味とかそういったものにすごく関心の高い方だから、カメラも撮っちゃうんですよ、プロ級の。
 
今井:写真撮影されるんですか?
 
牧野:写真も好きで、たまに写真の仕事もあります。
 
今井:カメラマンじゃないですか(笑)!
 
森上:そうなんですよ。実際、撮影していただいたこともありますもんね。
 
牧野:はい。「スパイス」のとき。
 
今井:「スパイス」の本で、写真を撮られたのは牧野さんだったんですか!?
 
牧野:そうですね(笑)。
 
森上:そうなんですよ。本当に何でもできるというか、本作りに関してはもういろんなことが……、ライティングもできれば、編集もできれば、写真も撮れるっていう、オールマイティな。
 
今井:ダンディな大人の男性の趣味を網羅しているっていうのも、また素敵ですよね。
 
牧野:網羅かどうかわかりませんけど(笑)。
 
森上:ご一緒させていただいて、すごく思うのが1つのテーマに対してグッと入り込んで、ワインの本とかでもこだわりがちゃんとしっかりおありなんですよ。よくご存じのプロ級のソムリエとも対等に話ができるくらい。
 
牧野:やっぱり仕事が楽しかった頃って、ある程度絞った読者に対して本を作るのがうまくいったし、好きだったんですよね。で、取材対象の方ですとか、読者と渡り合うためには、ある程度自分もその世界を勉強して、話ができるってところがポイントだと思っているので、取材の時は予習していくようにはしています。
 
森上:そうなんですよ。もう本当に鏡のような……。僕なんかはやることが広く浅くなっちゃうんですけど、ご一緒させていただくと、深さとかこだわりとか、そういった部分っていうのは、本当に勉強させていただく感じですね。本当にすごいです。
 
今井:ちなみにこの書籍ライター、ブックライターというお仕事なんですけれども、もしかしたらVoicyのリスナーの皆さんで、どんなお仕事だろうと、いまいちつかめない方もいらっしゃるかもしれないので、どのような仕事内容なのか、簡単に教えていただいてもよろしいでしょうか?
 
牧野:そうですね。書籍のライターとしましては、まずは企画を立てるところから始まりまして、それは版元さんからいただくこともあれば、自分で持ち込むこともあるんですけど、そこで企画の内容に合った著者を……、どの方にアドバイスをいただこうかを検討して、著者の方の了解を得たところで、僕がそこに取材に行ってお話を聞きながら、一緒に文章にまとめていくっていう、そういう作業ですね。
 
森上:やっぱりどうしてもいろんな専門家の方が著者さんとしていらっしゃるんですけど、それを言語化する、テキスト化することが得意な方と不得意な方がいらっしゃって、言っている内容はすごいことなんだけど、文字に落とせないっていう方も専門性のある方ほど多いので、今、おっしゃっていた健康本のお医者さんもそうですし、ビジネス書だと経営者の方々も言っていることはすごいけれど、やっぱり文章にはできないとか、そのあたりで言語化してくださる方として、やっぱりライターさんはすごく心強い味方であるという感じですね。
 
牧野:あと、本にするためには、章立てですとか、話の流れとか、そういう読む人の立場に立った構成ができてないと本にならないので、その辺をお手伝いしている、そういう側面もあります。
 
森上:そうですね。雑誌だと単発で終わっちゃいますけど、本として1冊になってくると、流れというのもありますから、その構成というのを編集者と一緒にやったりとか、いろいろとネタ出ししたりとか、そういう形でご一緒させていただくっていう場合もありますね。
 
今井:牧野さんが汲み取ったり、章立てしていなかったら、この世には出ていなかった経営者だったり、お医者さんだったりの想いとかが世の中にはいっぱいあるってことなんですね。
 
森上:そういうことなんです。ただ文章を書くのが好きっていうだけだと、ブックライターとしては難しいですよね。どうしても引き出す力とか、著者さんの内容を、読者目線で語ってもらうとか、そういったことっていうのは質問力とか、そういったこともすごくスキルがないとできないですね。単にブログを書いているのとわけが違うので。
 
牧野:そうですね。たくさん本をもう出されている著者の方も多いので、たくさんの著書の中から、今回の企画にぴったりなのはどの部分なんだっていうのを選んで、それを読んでネタを集めてからお話を聞きにいくっていうのが割と重要で、そうすることによって必要な情報を効率よく引き出すっていう。その辺はある程度のテクニックがあるかもしれません。
 
森上:そうなんですよ。実は牧野さんから原稿をついこの前にいただいて、今、ちょうど私が編集中の本があるので、これから大忙しっていう感じなんですけど、いい形でまたできればなと思います。
 
今井:ところで、先ほども来月からアメリカに行くなんていうお話だったり、アメリカの絶景のお写真とかいうお話もあったりしたんですけれども、編集者、ライター以外はどのような活動されていらっしゃるんですか?
 
牧野:そうですね。雑誌を盛んに作っていた頃に、先ほどもお話しましたけど、アメリカの西海岸に取材に行くチャンスがよくあったんですけど、それを足がかりにして、自分でアメリカを旅行するようになったんです。それが忘れもしない2001年の同時多発テロの直後ぐらいだったんですけれど。アメリカでボロいキャンピングカーを1台買いまして、それを直しながら、最初はカリフォルニア州、ネバダ州、アリゾナ州あたりをウロウロしていたんですけど、そのうちアメリカ一周っていうのをしてみたいなと思い立ちまして。
 
今井:アメリカ一周ですか!?
 
牧野:はい。それでその車を直したり、買い替えたりもしたんですけど、それをしているうちに、自然ですね。アメリカの国立公園を中心とした自然のすごさっていうのに感動して、アメリカの国立公園を訪ねていくっていうのをライフワークと考えて続けています。
 
森上:これは今度の4月にまた再開っていう感じなんですか?
 
牧野:そうなんです。しばらくレンタカーで行ったりしていたんですけど、やっぱりちょっと物足りなくて、現地で先日車を1台で買いまして。
 
森上:すごいですよね。キャンピングカー、めちゃくちゃかっこいいですよね。
 
牧野:知り合いに探してもらって、ようやく見つけて。それで4月の後半から3ヶ月ぐらい。
 
森上:すごいな。でも、アメリカに行っている間も連絡取り合いますもんね?
 
牧野:はい。旅行を始めた頃っていうのは、仕事の合間に10日とか、2週間とかで行っていたんですけど、その頃は2000年代のはじめですから、連絡の取りようがなかったんですよね。
 
森上:確かに。ネット環境ないですもんね。
 
牧野:ですから、携帯電話も持っていませんでしたし、インターネットでつながるところも少なかったので、いったん行っちゃうと、逃げ切った感じがあったんですけど(笑)。
 
森上:(笑)。
 
牧野:最近はもう世界中どこに行っても追いつかれる。
 
今井:捕まっちゃいますもんね(笑)。
 
森上:東京のどっかの出版社の森上ってやつからいきなり電話がかかってくるとかね。そういうことがあるっていうことですね。
 
牧野:見ると森上さんから着信だっていう(笑)。
 
森上:(笑)。
 
牧野:そういう感じになっちゃっていますよね。
 
森上:すみません(笑)。そんな感じで、そろそろお時間ですかね?
 
今井:はい。ここまで牧野さんのフリーライターのお仕事についていろいろとお伺いしてきましたが、お時間が来てしいました。明日もゲストにお越しいただけるということで、明日は海外経験が豊富な牧野さんが、実は海外で雑誌を立ち上げた経験もあるということで、ぜひそのあたりの奮闘記などについて詳しくお聞きしたいと思います。本日は牧野さん、森上さん、ありがとうございました。
 
牧野:ありがとうございました。
 
森上:ありがとうございました。
 
(書き起こし:フォレスト出版本部・冨田弘子)
 

 

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