見出し画像

【考察日記】 なぜ社会には『クソどうでもいい仕事』が存在するのか? | 日本では『意味のある仕事』をするとお金がもらえないようになっている。

なぜならば、
社会的に無意味で不必要で
有害な仕事こそが

世界を支配する人たちの
利益になっているからです。



どうも、
読書セラピストのタルイです。

久しぶりに仕事について
考察をしますね。


あるアメリカ人が
この世界を見てみると、

不思議なことに気づきました。


人々は必要のない仕事に
忙殺されているのです。

穴を掘って埋めたり

誰も読まない書類を
書いたりしています。


しかし
そんな仕事は
社会的に尊ばれて
高い給料をもらっています。

その一方で、

介護士や保育士
スーパーやコンビニで働く人
トラックの運転手
農業や林業や漁業に従事する人など

本当に意味のある仕事
している人たちは貧しくて
長時間労働や過重労働に
苦労しています。


どうして
こんな世の中になってしまったのか?


あるアメリカ人の名前は
デヴィッド・グレーバーさん


彼の著作では、
その理由を探っています。



いまから100年前の産業革命。

人々は仕事から解放されて
自由な時間を増やそうとしていました。

自動化や機械化により、
多くの仕事がなくなり、

農業や家事に
従事する人の数は激減しました。


当時、経済学者のケインズは

「20世紀末までに
 テクノロジーの進歩によって
 週15時間労働が達成されるだろう」

と予測してました。


しかし、
世界で人を支配する人たち
それを嫌がったのです。

そのために

仕事は尊いものだと思わせて
無意味な仕事を作って
人々を縛ったのです。


現に管理職・事務職・
サービス職に就く人の数は 

1910年から2000年の間に
実に3倍にもなったのです。

現在のアメリカの仕事のうち、
75%がこれに当たるとされています。


イギリスとオランダでの調査では
一国の労働人口のうちの
37%から40%が

自分たちの仕事を
なんの影響も及ぼしていない
と感じているそうです。


その仕事からは体力的のみならず、
精神的ダメージも受けるのです。



デヴィッド・グレーバー

この「クソどうでもいい仕事」を

「ブルシット・ジョブ」
と名付けました。

ブルシットジョブとは、
働いている本人でさえも
その存在を正当化しがたいほど、


完璧に無意味で、
不必要で、
有害でもある、
有償の雇用の形態


なのです。


さて、本題です。


いまの日本における
クソどうでもいい仕事
なんでしょうか?


例えば最近
ある大手の中古車販売会社は、
自動車保険の保険金を
不正に請求していたことが
発覚しました。

事故車を修理する際、
わざと傷をつけたり、
不要な部品交換をしたりして、

修理費用を水増しするなどの
手口を使っていました。


あなたは
このような不当な手段を用いて
ノルマを達成しようとする
仕事はどう思いますか?


以前には
政府が重要な文書を黒く塗って
隠したりする仕事に
従事する人もいましたね。

彼らはお金や権力を
たくさんもらっています。

でも、
彼らの仕事は誰にも役に立ちません。


私はこれらの仕事は
「クソどうでもいい仕事」
だと考えます。



ここからは

「クソどうでもいい仕事」とは何か?

なぜ「クソどうでもいい仕事」が
生まれるのか?


どうやったら
「クソどうでもいい仕事」が
無くなるのか?



ここから一緒に本質を
考えていきましょう。


◆クソどうでもいい仕事の5タイプ

クソどうでもいい仕事
=ブルシットジョブ

この章では略してBSJとします。


では、そもそもBSJとは何か?

デヴィッド・グレーバーの
言葉を借りれば
5つのタイプ
に分類できます。

BSJ❶ 取り巻き(flunkies)

誰かを偉そうに見せたり、
偉そうな気分にさせたりする
ためだけに存在する仕事です。

例えば、受付係や
ドアマンなどがこれにあたります。

彼らは自分の仕事
が本当に必要かどうか
疑問に思っています。



BSJ❷ 脅し屋(goons)

雇用主のために他人を脅したり
欺いたりする要素を持つ仕事です。

例えば、
テレアポ営業や
いかがわしいセールスマン
企業弁護士
広報の専門家ロビイスト

などがこれにあたります。


彼らは自分の仕事が
他人に迷惑をかけていることを
知っています。



BSJ❸  尻ぬぐい(duct tapers)

組織の中に存在してはならない欠陥
取り繕うためだけに存在する仕事です。

例えば、
バグの多いソフトウェアを
修正するプログラマーや

機械の故障を直す
メンテナンススタッフ

などがこれにあたります。


彼らは自分の仕事が
本質的な問題の解決には
なっていないことを知っています。


BSJ❹ 書類穴埋め人(box tickers)

組織が実際にはやっていないことを
やっていると主張するために
存在する仕事です。

例えば、
無意味なレポートや
書類を作成する管理職や

形式的な監査や
コンプライアンスを行う担当者などが
これにあたります。


彼らは自分の仕事が
無駄であることを知っています。



BSJ❺ タスクマスター(taskmasters)

他人に仕事を
割り当てるためだけに存在し

ブルシットジョブを作り出す仕事です。

例えば、
無意味な会議や
プロジェクトを開催する中間管理職
部下に不要なタスクを課す上司

などがこれにあたります。

彼らは自分の仕事が他人の仕事を
邪魔していることを知っています。



以上は
アメリカでの事例をもとに
類型化されてます。


もちろん日本の働き方でも
BSJは生み出されます。


その理由は
日本の産業構造が
重層的な下請け体質
なっているからです。


重層的な仕事には、
間に入ってお金をもらう人が
多くなりやすいのです。

つまり「中抜き」です。


間に入ってお金をもらう人は、
自分たちの仕事が
大切じゃないことを知っているので、

高いお金を取ったり、
悪い物や人を売ったりすることが
あります。


例えば、
派遣会社や人材紹介会社は
正社員と非正規社員の間の
仲介役として機能してますが

これらの中抜き業者は
労働者のスキルや
キャリア形成に寄与することは
少ないのです。

なぜならば、

派遣先や紹介先が
ブラック企業だなんて
口が避けても教えてくれません。


このように
労働市場の流動性や
透明性を低下させています。



さて、
あなたはここまでを読んでみて


「BSJでも給料が
 高ければいいじゃないか?」

と考えたりしませんか?



私はいつもこのBSJについて
考える時に

過去に目撃した
Aさんのことを思い出します。


Aさんは私からみても
10年に一人の逸材でした。


BSJを作り出す
「タスクマスター」としてだけでなく


業績をよくみせるために
決算書にお色直しをする
「書類穴埋め人」となったり


会社の出店計画の失敗を
「尻ぬぐい」をしたりする。


経費削減のため関連業者に
無理難題をふっかける
「脅し屋」でもありました。


そして、
社長の腰巾着として
「取り巻き」に努めることが
存在理由だったのです。



二刀流ならぬ五刀流。


Aさんはまさに
BSJ界の大谷翔平でした。


キングオブBSJだったのです。


そんな彼の仕事の誇りは
仕事を休まないことを
アピールすること

仕事と24時間向き合ってることが
自分の自尊心の拠り所でした。


しかしその中身といえば

上の人から振られた仕事を
下の人に丸投げする。

右の人から聞いた話を
左の人にしゃべるだけ。


まったく意味をなさない
中間役だったです。

Aさんは
いまの日本でジョブ型雇用が
当たり前になる以前に
多く存在した

無能になるまで
昇進を繰り返すタイプ
の典型でした。


これは統計的データがないので
私の推論ですが

パワハラをする人は
BSJに従事している
可能性が高いと思います。

BSJとは社会的に無意味で
不必要で有害な仕事であるために

自分の仕事に対する自尊心や
満足感が低く

ストレスや不満を抱えやすい
と言われています。

その結果
他人に対して攻撃的で
嫉妬的になったり

自分の権力や優位性を
誇示したりすることで
自己肯定感を得ようとするからです。


そんなAさんも部下からの告発で
パワハラ認定され

それをきっかけに
数々のBSJな働きぶりが明るみになり

上司や同僚から部下から口撃を受けて
自我を喪失した結果…


鬱になりました。

私は人間が簡単に壊れていく瞬間を
間近でみたのです。



BSJに従事する人は
自分の仕事に意味や価値を感じず
ストレスや不満を抱えやすいのです。


ここで誤解なくお伝えしたいのは

悪いのは
「クソどうでもいい仕事」に
従事している人
ではありません。

「クソどうでもいい仕事」が
世の中に蔓延していること自体が
問題なんです。


このように心理的な苦痛や
健康問題を引き起こし、

社会的な問題や不平等も
生み出している事実なのです。



◆なぜ私たちは「クソどうでもいい仕事」をしなければならないのか?


一番の理由は経済的な必要性です。

私たちは生活費や
借金を払うために
収入が必要です。

ブルシット・ジョブでも、
それなりに給料がもらえる場合が
多いからです。


もう一つは、社会的プレッシャーです。

人々は、仕事をしていないと
怠け者だと思われたり

自分の価値がない
感じたりするかもしれません。

仕事は人間の尊厳
自分らしさに関わるものだという
考え方が強いからです。


これはデヴィッド・グレーバーは
学生時代にレストランで
バイトしていたときのエピソードです。

デヴィッド・グレーバーは
仲間と一緒に、
速くて上手に仕事をしました。

でもボスは喜ばずに怒りました。


なぜならば
仕事が早く終わると
暇そうに見えるからです。

そこで
デヴィッド・グレーバーたちは
わざと遅く仕事をするように
したのです。


特に日本では

「愚直にひた向きに
 努力することは尊い」


という努力信仰の価値観
形成されています。


これからの社会は
AIやロボットのおかげで
週15時間程度の労働
済む時代が来るのにも関わらず

このまま
日本人の価値観が変わらなければ

週40〜80時間まで
かさ増しして労働することで


人としての尊厳を保とうと
するかもしれません。


最大の問題は
BSJが世界を支配する人たちの
利益になっていることです。


なぜならば
人々が無意味な仕事に
忙殺されていると

自分の時間や力を使って
社会を変えようとしなくなるからです。



◆どうやったら「クソどうでもいい仕事」がなくなるのか?

デヴィッド・グレーバーは、
ユニバーサル・ベーシックインカム(UBI)
と呼ばれるアイデアを提案しています。

これはすべての成人に
基本的な生活費を支給するもので

従業員と雇用主の関係を変える
可能性があります。


このプログラムの財源は、
機械やAIによる自動化によって
儲かった企業から税金を集めることで
賄われます。

その結果、
人々は経済的な不安から解放され、

自分の好きなことに
時間を使えるようになります。


例えば
芸術やボランティア活動など、
意義のある活動に
取り組むことができます。


UBIが導入されても、
人々は堕落したりはしないでしょう。


なぜならば現在の社会では、
多くの人々が
働きすぎている
ことが
明らかだからです。

実際にUBIを試した都市では、
良い結果が出ています。


AIやロボットが普及して
UBIが実施されると

雇用主は意味のある仕事を
提供しなければならなくなります。

そうすると賃金が上がります。

魅力的な意味のある仕事に
人が集まるようになります。


社会に意味のある仕事が増えるのです。



このデヴィッド・グレーバーの提案は
確かに魅力的です。

ですが実現には
時間と労力がかかるかもしれません。


そこで、いまの私たちでできる
現実的な方法
も考えてみましょう。


私も経営に関わるものとして
考えてみました。


例えば
無駄な会議や資料作りなど

⚫︎「仕事のための仕事」を
削減することも一つの方法です。

会議や資料作りは、
必要な情報の共有や
意思決定のために
行うべきものですが、

しばしば時間と労力の
無駄になっています。

これらの活動の目的と
効果を明確にして

必要最小限の人数と
内容に絞ることで、

生産性を向上させることができます。


さらに、

⚫︎DXやAIの活用によって
効率化を図ることも大切です。

技術の進歩によって、
人間が行う必要のない仕事は
AIやロボットに任せることができます。


日本は中間業者が多い理由は
昔からの仕事のやり方や制度
のせいだと言えます。

しかし、
ネットやDXが進んだおかげで、

間に入ってお金をもらう人が
いなくても
売り買いできるようになりました。


現に不動産仲介人や
旅行代理店などは

オンラインで直接物件や
航空券を探せるようになったため

需要が減少しています。



今後、間に入ってお金をもらう人は

自分たちの仕事が大切だと証明するか、

あるいは
仕事がなくなるか

そのどちらかだと言えます。



⚫︎会社も売上至上主義をやめるべきです。

売上至上主義は、
仕事の価値を売上で決めます。

社会に有益でも
売上に貢献しない仕事は無視されます。


売上至上主義は、
従業員の幸福
モチベーションも低下させます。

従業員は数字に追われ
自分の仕事に意味を感じなくなります。


競争や圧力が高まります。

ストレスや不安に苦しみます。


売上至上主義は、
経営者や管理者の行動も影響します。

経営者や管理者は
自分の地位や権力を保持するために

他の人たちに
無意味な仕事を割り当てます。


これにより
労働者の時間や力を
無駄に消費します。


私はキャリアコンサルタントとしても
クソどうでもいい仕事を
なくすための方法を考えてみました。


クソどうでもいい仕事とは、
自分がやっている仕事に
価値を感じられないことでした。


そこで考えてほしいのは

すべての仕事には必ず相手がいます。

その相手とは
お客様かもしれませんし、
取引先、上司
または部下かもしれません。


あなたの仕事が
クソどうでもいい仕事かどうかは、
その相手が判断します。


したがって、
仕事の相手を注意深く観察しましょう。


相手があなたの仕事に興味を持ち、
感謝し、尊敬するかどうかを
見極めましょう。

相手が無関心であったり、
軽視したり、
批判したりする場合、

それはあなたの仕事が
クソどうでもいい仕事
なのかもしれません。


そのような仕事には
「やめる勇気」を持ちましょう。


クソどうでもいい仕事を
なくすためには、

自分の仕事に価値を見出し、
誇りを持つことが大切です。

「自分の仕事が社会に貢献している」

と感じられるようにして
情熱を注ぎましょう。

そうすれば、
相手もあなたの仕事に興味を持ち、
感謝し、尊敬するようになります。



クソどうでもいい仕事を
なくすことができるのは
他の誰でもありません。

クソどうでもいい仕事に
従事する
私たちだけです。


余談ですが、
もしも自身が働く意味に迷っていたら

ヒントになるであろう
2冊の本の記事をご案内します。



◆〈まとめ〉今の日本のままでは「意味のある仕事」が増えない

ここまでを簡単にまとめてみます。

今、日本ではたくさんの人が
「クソどうでもいい仕事」と呼ばれる
あまり意味のない仕事をしています。

これにはいくつかの理由がありました。

⚫️お金が必要だから
お金を稼ぐために、
クソどうでもいい仕事をしている人もいます。

⚫️社会のプレッシャー
社会では、働かないと怠け者だとか、
自分の価値がないと思われることがあります。
そのため、仕事は人にとって大切なものとされています。

⚫️意味のある仕事が報酬不足
実は「意義のある仕事」をしても、
それに見合ったお金をもらえないこともあります。


では最後にもう一つだけ書きます。

経済学では
人々の豊かさを測るために
GDP(国内総生産)
というものを指標します。

これは、
国のお金の合計を表すものです。

問題はこのGDPが
そのお金の質や意味について
考慮していないことです。

つまり、
お金がどう使われているかを考えずに
単にお金の量だけを計っているのです。


そもそも経済とは、
人々がお互いに助け合うために使う
仕事とお金の等価交換のことです。

ですから人々が

意味のある仕事をたくさん増やして

その仕事にお金をたくさん払えば

本来は経済は成り立つはずです。


しかし現在の日本では

それだけでは成り立たずに

国が借金をして仕事を作っています。


政府は、そのお金をたくさん使って、
例えば道路や橋を作ったりしています。


でも、これらの仕事は、
実は本当に必要なものではないのに、

たくさんのお金が使われている
場合があるのです。



ここが重要です。

社会にクソどうでもいい仕事が
蔓延しているせいで

政府も「クソどうでもいい仕事」を
作っているのです。


しかし、
もしも政府が無駄なお金
使わなかったら
どうなってしまうでしょうか?


経済そのものが
停滞してしまうでしょう。

お金が足りなくなってしまい
年金や医療など、

大切なものが
提供できなくなるかもしれません。


いま私たちはその国の借金のために、
増税を求められています。

やりたくもない
「クソどうでもいい仕事」に従事して

みせかけだけのGDPを水増しして

その埋め合わせの
国の借金のために
増税させられる。


これは本末転倒
ことではないでしょうか?

「クソどうでもいい仕事」が
経済を健康にするのではなく
むしろ問題を増やしているのです。

だから私たちは
「クソどうでもいい仕事」
増やすのではなく、

「意味のある仕事」
増やしていくことに
お金や労力を使うべきなのです。



最後までお読みいただき
ありがとうございました。

クソどうでもいい仕事に対する
意見や感想は
スキとコメント欄で教えていただけると
嬉しいです。

いつもtwitterじゃなかった
Xに記事をご紹介していただける方へ
感謝しております。


▪️▪️参考文献


この記事が参加している募集

読書感想文

記事がお役に立てたら100円サポート願います。 noteで頂いたサポートとAmazonアフィリエイトは児童養護施設を退所する子どもたちの就労支援団体ブリジッフォースマイルさんに毎月寄付させていただきます。https://www.b4s.jp/action/contribution