なくならないもの

どんなにハリボテで塗り潰そうとも
賞賛の声を浴びようとも
なくならないものはある

「なくならないものってあるんだね」

その言葉は、どちらにも聴こえる
いい方に考えても、悪い方に考えても
どちらにも当てはまる

理由は主語を隠しているから
ホントは隠れた部分

素直じゃない、ピュアでもない、強くもない
ずるいし、いたたまれなくもある

でも、確かにある真髄はなくならない
それが何なのかは、知る由もない

また出会ってしまった
いつも避けていたのに

久々に見たそれは
心の奥底に叫びを感じる

キライだという叫び

なくならないものだと
どこか冷めた視線で横目に見つめてるだけ
焦点の合わない目で見つめているだけ

忘れて気づかないふりをして
なんとかやり過ごしていたのに

隠しても隠しきれない思いは溢れて
いいかげん、諦めなよと言ってやりたくなるくらい

素直に嬉しいときもある
顔がほころんで暖かい気持ちになるときもある

でも深海には今も変わらず
幼い頃の自分は存在していて
傷跡は、ときどき本性をむき出しにする

「そんなことないよ」と言われて
「そんなことあるよ」と言いたい

それがなくならないもの
良くも悪くも