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「違和感の正体」(2021年11月)

●11月2日/2nd Nov
ポッドキャスト 「まなざしの革命放送」
Vol.005 統計データは信用できるのか
私たちは実感できない何かを把握する時に統計や数値を頼りにします。でもその数字は本当に信用できるのでしょうか。多くの人が気になっている統計について少し考えてみます。

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●11月4日/4th Nov
SNSはメモ代わりに使ってきたし、読んで考えさせられるという声もあったので、10年ぐらい続けてきたが、昨今の情報規制にもうそろそろ限界を感じる。大事なことは「まなざしの革命放送」で言うとして、メモは別で取るのも一つの手か。

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●11月5日/5th Nov
ポッドキャスト 「まなざしの革命放送」
Vol.006 人生に意味はあるのか
選挙前後の殺伐とした社会の話題が続いたので、今回は少しだけ哲学的な話をしようと思います。
私たちの人生には意味が必要ですが、今の社会ではその行動に意味が見出せないようなことも多くなっています。生きることの意味とは一体何であり、そこには本当に意味があるのかを少し考えてみます。

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●11月7日/7th Nov
今頂いたメールに、なんという光栄なことかと涙が出そうになる。先日の放送では生きていることに意味を込め過ぎることの罠を確認したが、それでも人生には生きていて良かったと思える瞬間は度々あるものだ。心より感謝。

●11月7日-2/7th Nov
COP26でまたグレタが吠えたか。そろそろ何かおかしいと思う人が増えてるくんじゃないかと。

●11月10日/10th Nov
ポッドキャスト 「まなざしの革命放送」
Vol.007 偶然か計画か
日々様々な出来事が起こりますが、その出来事は偶然に起こったことなのでしょうか。それともその裏側には何らかの意図があるのでしょうか。京王線での事件から考えてみます。

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●11月12日/12th Nov
最近よく見る妙な事件は、果たして偶然に起こっているのか。

●11月13日/13th Nov
本日は修士論文の中間発表の日。4人の社会人大学院の発表があったが、この時期なのにデータがまだ集まっていなかったり、調査計画そのものが組み立っていなかったりというものも見られた。自分が一体何をどこまで明らかにしようとしているのかが理解できている人は少ないが、研究目的をきっちりと考え込めないままで調査だけ進めると後で整合性が取れなくなる。論文は本やエッセイ、レポートなどとは全く違うものだ。
だから講義や演習では論文指導について何度も同じポイントを伝えるが、それでもほとんどの学生は何を言われているのかピンと来ていないのだろう。実際に抽象的に聞いているのと、いざ自分が書く段になり、向き合うのとでは全然理解の度合いが違う。研究はアイデンティティと大きく関係している。
感覚的には2年で修士卒業というのは中途半端に思える。初年度は講義に追われ、2年度目に修士論文を書き上げるつもりで書いて結論見てから、もう一度クオリティを上げて組み立てるのにあと半年から一年ぐらい必要なのだろう。修士課程を通して本当に身につけないといけないのは論理的思考であり、論文執筆はその訓練でもある。それが身についた人とそうでない人は、その後の発言の重みや思考の深みが全く変わってくるだろう。適当に論文を仕上げて修士だけ取ればいいという考えでいるの、後で後悔するかもしれない。

●11月14日/14th Nov
ポッドキャスト まなざしの革命放送
Vol.008 お金がないと生きていけないのか
私たちは生きていく上で「お金」が必要だと思っていますが、一体お金とは何なのでしょうか。それがないと私たちは本当に生きていくことができないのでしょうか。当たり前になっているお金について少し考えてみます。

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●11月16日/16th Nov
なるほど。違和感の正体がだんだん明らかになってきた。和を以って...という心には、「内容」ではなく「合意」の方に重きを置くということが少なからず含まれているのだな。皆で合意をして決めたなら、内容がどうであろうとそれに従おうというマインドが根底にあるのか。最も大事なのは和を乱さないということであり、最も避けられるのは事を荒立てること。だから内容がいくら正鵠を射ていても、それが和を乱すことならば排除される。
 つまり真っ当なことであっても、怒りのトーンや強い語気で事を荒立てるのであれば耳は傾けられない。その反対に柔和なトーンで、相手に同調しながらであれば、いくら愚かなことであっても耳は傾けられる。そんなマインドが根底にあるとすれば、ディベートとかディスカッションが馴染まずコンセンサスの方に行くのは無理もない。だとすれば一番良いのは、和を乱さずに真っ当なことを伝えることになるか。ただ真っ当なことというのは多くの人が聞きたくないことが多いのでそれが一番難しいのだろう。

●11月18日/18th Nov
ポッドキャスト まなざしの革命方法
Vol.009 我々はなぜ孤独なのか
今夜は街の灯りを一望できる小高い丘に張った野営地からお送りします。月明かりと焚火に照らされて、一人になることの意味、孤独を埋めようとする人間、生命のネットワークの気づき、といった生き方についての少し哲学的な話をします。

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●11月19日/19th Nov
今夜は600年に一度の満月で皆既月蝕。2時間で新月から満月まで辿る満ち欠けを、革命放送のベースキャンプにしている野営地で眺める。ポッドキャストを始めてから今夜で丁度ひと月。そんな晩に、ウェブページに新刊本の「まなざしの革命」の情報を公開しました。
『まなざしの革命
  世界の見方は変えられる』
ハナムラチカヒロ
河出書房新社
1800円(税抜)
2022年1月24日刊行
常識・感染・平和・情報・広告・貨幣・管理・交流・解放――9つのキーワードを巡り解き明かされるこの社会の「仕組み」と私たちの「盲点」とは?ハナムラチカヒロが贈る決定的思考法。

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●11月20日/20th Nov
半年に一度の博士の合同ゼミ終了。5時間ぶっ通しで頭を使う。なにせ社会人大学院の博士課程の皆様はテーマがバラバラなので、発表者ごとに頭を切り替えなばならない。
身体論を話していたと思うと経済波及効果の話題が来て、寺と地域社会の話をしていたと思うと、街頭テレビの歴史になる。歴史的市街地の再生を考え始めた所で、ラグジュアリーホテルのブランディングの話になる、という具合に話題が次々と変わる。
それを短い発表の間に瞬時に掴んで的確に返すという論理スポーツのようなことをもう10年も続けていると、どんな研究テーマが来ても打ち返せるようになってしまった。きっと学生の皆さんに鍛えられているのだな。

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●11月21日/21th Nov
ポッドキャスト 「まなざしの革命放送」
Vol.009 我々はなぜ孤独なのか
こうしたSNSで発信したり、人と会ったりするように、私たちは人との繋がりを求めて色々なことをします。でも一方で、私たちはそんなことで孤独が埋まるのでしょうか。そもそも孤独でなかったことなどあったのでしょうか。
私たちの根底にはそれぞれが個体として一人で生きるという埋められない孤独があるのですが、果たしてそれは私たちが一人で生きているということと同じなのでしょうか。
そんなことを今回の革命放送のポッドキャストでは、野営地にしているベースキャンプで話しました。孤独の意味について考えたい方は是非お聴きいただければ何かの気づきになるのではと思います。

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●11月21日/21th Nov
初稿の校正中。本の中の事実関係の根拠データを校正者が調べて用意してくれたが、500ページ以上の資料が送られてきた。改めて校正者って偉大だなと思う。特に今回の本は内容的にフェイクニュースなどについて取り扱っている部分もあるので、それぐらい根拠資料を用意せねば説得力を持たない。
 今トランプ大統領をめぐる第4章を校正しているが、特にこのあたりはメディアの報道が必ずしも正しいとは限らないのが難しいところ。かといってインターネットにも色んな情報が錯綜しているので、何が真実かを判断するのは簡単ではない。一人では不安になることもあるが、編集者や校正者が寄り添ってもらえることが、著者としてどれほど心の支えになるか。心より感謝。

●11月23日/23th Nov
ポッドキャスト 「まなざしの革命放送」
Vol.010 無関心の果てに何がやってくるのか

今夜の革命放送のご案内は、ヒップホップのリリック風に。
「ニュースでは難しい政治の話。聞いても意味がわからない経済の数字。そんなことより自分の気持ちが大事。面倒な情報は全部シャットアウトして好きなものだけスマホに映そう。そんな気持ちになりがちな時代。
でも、そうやって知らんふりしている間に何が起こるのかは分かっちゃいない。その好きなものは本当に自分で選んだものなのかい。
ニュースでは腹立たしい政治の話。聞いても落ち込むばかりの経済の数字。そんなことよりも理想が大事。馬鹿な大人たちを全部シャットアウトして正しいものだけ社会に残そう。
でも、そうやって拳振り上げている間に裏で糸引いてる誰かが笑っている。その正しい理想は本当に自分で選んだものなのかい。」
まなざしの革命放送
Vol.010  無関心の果てに何がやってくるのか
私たちの心の状態は政治経済などの社会の大きなシステムと実は関係しています。私たちは欲深く怒りに満ちた性格なのではなく、そうなるようにシステムに導かれてきた部分もあるのです。そんな私たちに、今訪れているのは無知・無関心で、それはなぜそうなるのでしょうか。そしてその先に何が待っているのでしょうか。

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●11月23日/23th Nov
本は著者一人で作るのではなく、様々な人が関わっている。想いを受け止めた編集者は、出版社で月に何十冊も挙げられる企画会議に通さねばならない。その後も営業の人はどうすればその本が売れるのかに頭を捻り、校正者は間違いがないかを丹念にチェックし、デザイナーは本屋で目に留まる姿を模索する。
本に言葉を寄せてくれる推薦者は全て読んだ上で、一言でそれを現すフレーズをつむぐ。そうやって著者の想いを様々な人々が受け止めて、それをリレーのように繋いでようやく一冊の本が世に送り出される。
それで終わりではなく、出版前からこうしてSNSなどで見守り応援してくれる方々がいて、本を取り寄せてくれる本屋さんがいて、出版されてからも読んで想いを受け止めてくれる読者がいる。どれ一つ欠けても本は完成しない。
バトンを最後に受け取るのは読者ではあるが、その読者は自分の人生における行動として次のバトンを別の人に渡す。本は読んで終わりではなく、その人の中で何かが変わって、それが社会に影響していくところまで繋がっている。だからこそリレーのスタートを切る著者がメッセージの本質を間違えてはならないという覚悟が生まれる。最初のメッセージに共感して、色んな人がバトンを繋いでいくのだから。

●11月24日/24th Nov
元々はTwitterで呟いていて、文字数が足りなくなったのでFacebookに移行したが、またTwitterをメインにしていこうかと。個人アカウントもあるけど、出版まではこちらのアカウントをメインにしていきます。もし良ければこちらをフォロー下さい。

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●11月26日/26th Nov
僕がバルセロナ大学に居た頃の学生で、教え子的に色々話した彼と久しぶりに会った。20代が社会をどう見てるのかのリアルな声が聞けた。メインストリームにいる大人たちはもうまなざしが固定化してしまって、この馬鹿げたゲームから今更下りれない。ならば若者達にこの本届けて気づいてもらうしかない。

●11月26日/26th Nov
本日から社会人大学院の都市文化デザイン演習。
Urban data scapeという枠組みで、都市の文化力をどのように指標化していくのかをトレーニングしていく。
一通りガイダンスした後で、調査しようがないような大きな現象をどのように推計してデータ化するのかというトレーニングとして、物理学者のエンリコ・フェルミが得意としていた「フェルミ推定」をトレーニング。数学的思考が得意な人は難なく出来るが、分からない人はサッパリ分からない。

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●11月28日/28th Nov
ポッドキャスト 「まなざしの革命放送」
Vol.011 死という問題は解決できるのか

『「問題を解決する」という言葉は魅力的ではあるが、ある意味で薄っぺらい言葉でもある。』というフレーズを次の本の中でも書いた。
我々には問題を解決することなど出来ず、死ぬまで問題を回避し続けるしかないのではないか。そして最後にはどうしても回避することができない「死という問題」がやってくる。
この世界の全てが原因と結果の法則で成り立っており、本来は問題も解決もありえない。ただ因果の法則で流れているだけであり、何かを問題だとするのは我々の都合であり心でしかない。だから問題を問題にすることを止めれば、問題は解決するのだが、我々には問題を手放すことなど出来るのだろうか。
我々にとって問題とは一体何を指すのか。それが解決するとはどういうことなのか。最大の問題である死を解決することは出来るのか。11回目の革命放送ではそんなことを話しました。
「問題を解決する」という前に私たちは「問題とは何か?」を理解していないかもしれません。私たちにとって最大の問題とは死ですが、人は果たして死んで終わりなのでしょうか。

●11月29日/29th Nov
経済学研究科の社会人大学院の講義。修士論文の指導をするこの演習講義では、徹底的に研究目的の設定についてのトレーニングをする。
毎年この講義では、学生が発表する前半1時間の間に、学生が作ったレジュメを受けて、こちらから指導のためのペーパーを作成して、その上で時間内で関連する論文を7〜8報探してきて、後半にそれを紹介する。
今年は最終年度ということもあり、またこれまで指導してきた学生の理解なども勘案して、かなり詳しめに論文の見方や考え方などを指導する。
分かった気になるようなキーワードや概念ほど、それが一体なんなのかを批判的に眺めて分析せねばならない。厳密に言葉を吟味し、問いを設定することを徹底的にトレーニングすると、いかに世間では適当に言葉や概念が使い回されているかが見えてくるだろう。

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●11月29日/29th Nov
「まなざしの革命」第一章より
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まなざしの革命放送

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