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花束のようなエッセイ集「モダンラブ」(本・自作品紹介)
✦本の紹介+自作エッセイを掲載しています✦
1.序章
「MODERN LOVE……」
そのタイトルに魅かれたのか
洒落たイラストの表紙に魅かれたのか
それは、一瞬の出会いでした。
「いくつもの恋 とっておきの恋
ニューヨーク・タイムズ掲載の本当にあった21の物語」
というサブタイトルが目に飛び込んできて、
本に吸い寄せられるように、ふと手に取り、そのままレジへ。
無意識のまま直観で選んだ本です。
その中身は、
NYタイムズ紙に掲載された新聞コラム(恋愛エッセイ)が
まとめられたエッセイ集。
本のまえがきで、編集者ジョーンズ氏は、
「簡単には言い表せない愛の定義を光だけでなく
闇をも探求する物語として、広義に解釈しようと決めた」
と語っています。
新聞社としてのプライドを感じるような言葉。
それは、単なるロマンスではない、
多様で意味深い愛の物語なのだと。
【ご参考】
※ 2021年に続編「モダンラブ さまざまな愛のかたち」も出版。
※ 原作「Modern Love」は、テレビドラマでシリーズ化され
Amazon prime videoでも配信。各ストーリー30分~35分程度。
(アン・ハサウェイ、デーヴ・パテールなど著名な俳優が出演)
※ 2022年秋には「モダンラブ・東京」がAmazon prime videoで配信予定。
(モダンラブをもとに作られた東京版の映画作品)
Modern Love - Official Trailer | Prime Video - YouTube
実際、本を読んでみると、
「愛とは」というテーマ性が隠された作品も多く、
作家それぞれの人生観が感じられて面白い
恋愛ステレオタイプを超えた様々な愛の形に驚かされます。
2.エッセイ紹介<ネタバレあり>
人種の坩堝、アメリカの新聞社で編集された背景からか、
「それは現実のこと?」と言いたくなるような
日本では馴染みのない話もあります。
3つの章で構成
① どこかでだれかと ②恋は難しい ③あなたが大好き
3つの章には、各々7つのエッセイが纏められています。
(合計21の話)
最初の章は、「よくある恋愛+意外な展開」で親しみを感じ、
次の章は一転、「愛の苦悩」を抱える主人公に心動かされ、
最後は、「異次元の愛」へ誘うようなストーリーに驚かされ、
と、徐々に引き込まれるような構成です。
各章で特に印象に残った一つの作品をご紹介します!
①どこかでだれかと<ネタバレあり>
自分でも経験があるようなないような……。
よくある恋愛話+意外な展開に、親しみが持てるパート。
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ドアマンは私の特別な人 著:ジュリー・マーガレット・ホグベン
頼れるの人(男性)は、身近にいる恋人ではなく、
自宅マンションのドアマンだった……。
軽薄な恋人とのすれ違いを鋭く見抜くドアマンの忠告をよそに、
妊娠してしまった主人公のマギー。
ドアマンの励ましやサポートを得ながら、
シングルマザーとして子育てをしていく決意をする。
まるでボディーガード?、友人?、父親代わりの存在?
付かず離れずの二人の関係は、マギーが転居した後も続く。
(感想)→日本ではどうだろう?
(そもそも、住居マンションでドアマンを見たことがない)
親切な管理人さんはいるけど、
毎日顔をあわせるとしても、ここまで親しくなれるだろうか……。
「愛は形じゃない」と、よく世間で言われることですが、
そのことを改めて感じさせられるストーリー。
ドアマンとマギーの関係に、真の温かさ(愛)を感じて、
じんわり心に沁みました。
② 恋は難しい<ネタバレあり>
一筋縄にいかない恋に翻弄される主人公たちの苦悩。
外から見れば分からないようなジレンマ。
それを乗り越えていく姿に勇気をもらえるパート。
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ねえ、それは君のセリフじゃないよ 著:マテソン・ペリー
風変わりだけど魅力的な彼女
(主人公は、そんな刺激的な彼女を、僕の
マニック・ピクシー・ドリーム・ガール(映画のキャラクター)と称した)
同棲をし始めるも、親密でステディな関係を望む主人公と、
自由奔放な彼女との間にすれ違いが起こる。
それでも彼女との未来を信じて、英雄になろうと奮闘する主人公。
愛の手紙、花束で彼女を救おうとするも……
魅惑的な映画には続きがあることを悟る。
(感想)→こんなふうに苦悩を引きずる?
このエッセイを読んで、Official髭男dismの
「Pretender」(歌詞)が頭をよぎりました。
恋愛に軽薄な人も、一筋で真面目な人もいるけど、
実は、裏表が真逆だったり、はたまた、両方の顔を持っていたり……。
本当の姿や葛藤は、表面から見えないことも多い。
この作品は、そんな葛藤の裏側が、具体的に描かれていて面白い。
恋の経験(失敗)から学び、次に生かそうとする過程も
ユニークに語られています。
③ あなたが大好き<ネタバレあり>
異次元の愛の世界を見ているような感覚に。
だからこそ、すべての愛が肯定されたような包容力を感じるパート。
![](https://assets.st-note.com/img/1657597687734-hrgwskzuHk.png?width=1200)
レースの終盤は甘やかに 著:イヴ・ぺル
主人公70歳、彼(サム)が80歳、あわせて150歳の
合同誕生パーティーで婚約発表。
離婚や死別を経験した後、年老いてから恋をして結婚を決めた二人。
他界した妻への忠誠心を持ち続けるサムに寄り添うように
ロマンティックなデートを重ね、幸せな日々を過ごす。
ある日、サムは天国へ
主人公は、二人で過ごした短い時間をふりかえる。
(感想)→真実の愛とは?
年老いても、愛を求める気持ちは変わらない。
それは、甘いのか、辛いのか、それとも……どんなものなのだろう?
年配の方のリアルな恋愛話など聞けないし、聞いたこともない。
それだけに、エッセイの中の老夫婦の関係に、驚きと感動がありました。
若い人と変わらないデート、もしかしたら、もっとロマンスに溢れている。
フォーチュンクッキーで愛を占うとか、
ワインとチョコレートと花を用意してとか…。
でも、その関係は、浮ついたところがなく、
お互いを尊敬している成熟した愛の形。
様々な人生経験を経て行きつく先の恋愛には、
ほろ苦い経験を積み重ね、昇華されたような幸せがある?
成熟したワインを嗜んだときに感じる
至福の恵のようなものなのかもしれない(妄想)
3.まとめ
愛が少し眩しく感じてしまうときでも共感できる
等身大で温かな作品の数々。
ロマンスある恋愛ストーリーというよりは、
(脚色の度合いは分からないものの)
新聞掲載エッセイとして、リアリティやテーマ性を感じる作品が多いです。
そして、なんと言っても、
米国発「年齢、性別、職業、価値観を超えた人生、愛の多様性」に、
触れることができます。
![](https://assets.st-note.com/img/1658222374909-BDZvHSo897.png?width=1200)
エッセイを読んで(書いて)感じたことは、
「どんな愛も、いつしか自分らしい花が咲いている」ということ。
その時はどん底だったり、不満に思っていた愛も、
形を変えて育っている。
振り返れば案外、
学びを得ていたり、ほのぼのした懐かしさに変わっていたり、
新しい出会いにつながっていたり……。
「モダンラブ」は、
愛に悩む・憧れるすべての人に光を照らしてくれる
さまざまな愛を花束にしたような彩り豊かなエッセイ集でした。
4.自作エッセイ(モダンラブ)
「モダンラブ」を読み進めるうちに……。
NYタイムズのコラムを想定して書いてみたい!と触発される。
そしてここに、
実体験に基づくショートエッセイを書くことにしました!
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恋愛エッセイを書くのは、
初めてで、恥ずかしくもあります。
それほど経験が豊富でもない私が、なぜ書くのか?
その理由は、新卒入社間もない初々しかった頃の
忘れられないデートを印象的に記録しておきたい!
と密かに考えていたからです。
このエッセイは、
素の自分語りとか、刺激的な恋愛物語ではなく、
新聞コラムの「モダンラブ」風に書いたつもりです。
(注)
このエッセイは、時効と言ってもいいデートを蘇らせたものです。
(当時の精神年齢+平成眩しき頃の価値観で書いています)
今は、地に足がついた恋愛作品も多いですが、
時に、ふわっとしたエモさも新鮮!
ということで、清々しい恋愛観をお楽しみください。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
「初ドライブデートでお洒落して」
秋深まる土曜の朝。
柔らかい光射しこむ鏡の前で、
新しいワンピースに袖を通す。
華奢なシルバーのネックレスと指輪を身につけ、
いつもよりキレイめコーディネートを。
もちろん、特別なデートのために。
![](https://assets.st-note.com/img/1657596579233-Z0lfMepABx.jpg?width=1200)
彼は、共通の友人を介して飲み会で知りあった、違う部署の同期。
話題に困ることはなかったけど、
職場では、多くをさらけ出せない緊張感もあった。
それにしても、20代前半の社内恋愛とは浮かれたものだ。
その頃の私は、恋愛を宝石のようなキラキラしたものだと思っていた。
雑誌で紹介された目新しいデートスポットを見つけては、
次のデートの場所をリクエストしていた。
でも、その日は違った。
付き合って1カ月半ほど経っただろうか。
初めて車を出してくれると言うから、
そのデートプランに身を委ねることにした。
「ピーンポーン!」
門の前に、晴れやかな表情の彼が立っている。
彼の元へと歩いていくと、視界に入ってくる目新しい物体。
「えっ?」
年季の入った薄ら白いコンパクトなスポーツカーが、
横たわっていた。
最近、全くもって見かけないタイプ(年代物)の……
「〇△■トレノ?」
「うん、兄貴のお下がり」
「お兄さんの……」
気の利いた言葉が見つからない。
「3時間かけて掃除したんだぞ~!」
と、どこか自慢気。
「すご~い!」
笑顔いっぱいの賛辞を贈るのは気後れしたけど
その功績を称えることにした。
そして、ワンピースの裾を手で押さえながら、助手席に乗り込む。
拭いきれなかったのだろう誇りっぽい燻香が漂ってきて、
とっさに、出掛けに擦り込んだ手首のアロマを鼻先に近づけた。
ローズマリーの香りで、いくらか匂いが中和される。
救われたのは、
すっきり片付けられた車内と、助手席の足元。
「兄貴汚くしててさー。廃車する寸前に、復活したよ。ハハッ」
そう笑った時の白い歯と、
使い古された車とのギャップが、不思議に感じられた。
お洒落してきた身だしなみへのコメントはもらえぬまま、
初めて目にするその車内の景色に……
「な・ん・で?」
次々湧いてくる疑問。
それを振り払うように、自分自身を納得させようとした。
① レンタカーじゃ駄目なの?
レンタカーなら掃除の手間がないし、最初からキレイだよ。
No No!→きっと、物を最後まで大切にする人なんだ!
それに、車をよく知らない私が口出しすることじゃない。
もしかしたら、値打ちあるヴィンテージ車かもしれないし。
② 自慢するポイントって掃除?
デートでは少しでも相手によく思われたいもの。
お洒落したり、カッコイイ車で登場して、相手の喜ぶ顔を想像する。
それを掃除に当てはめてみるも……理解し難い。
いやいや→きっと、掃除や修理が得意な人なんだ!
私ができないことができるのは、頼もしいこと。
DIYだって得意かもしれない。
③ ケチ or 節約家?
お金も大切だけど、TPOというものがある。
どこを節約し、どこにお金を掛けるかがその人のマネーセンスだ。
デートでそれを削るタイプなのか?
ブルブルッ→きっと、堅実な人なんだ!
それに、何か特別な計画があるのかもしれない。
本当の答えは何?
と、直球で投げかけたい衝動をゴクンと飲み込んだ。
なぜなら、彼もまた、リニューアルしたマイカーに
心躍らせているように見えたら。
「じゃあ、海ほたる行こか?」
この時ばかりは、思わず手を振り上げた。
そして、こんな光景を妄想した。
海ほたるのパーキングエリアを散策。
水面に向かって「幸せの鐘」を鳴らした後、
煌めくさざ波を見つめながら談笑。
ワンピースの裾をふわつかせながら写真撮影。
あの雑誌の中の恋人たちのように……。
20分ほど過ぎた頃、車は国道に入った。
ほぼ直線道路で、スムーズな走行。
助手席の窓を開けると、
柔らかな秋の風が頬をなでていく。
そうそう、ドライブはこうやって、
流れに身をまかせて、
外の景色を眺めるのもいいよね、と。
「ガッタン!」
突然、体が浮きあがった。
居眠り防止の障害物?
そのグワンと宙に浮く感じが心地よかった。
まるで、遊園地のアトラクションで助走し始める滑車が
最初の関門を乗り越えた瞬間のよう。
それは、アドベンチャーへの出発の鐘!
これから体験する夢のデートへの追い風のように感じた。
鼓動が高鳴っていく。
「ガッタン、ガッタン」
こんどは2回。
「お~っ、また来たか」
興奮していたのは私だけではなかった。
「ガッタン、ガタガタ、ガタガタ」
その響きは、微妙に変則的になった。
そして、徐々にその間隔が狭まっていく。
「ガタン、ガッタン、ガッタン……ガタガタ、ガタガタ……」
「あれ?おかしいね」
彼が何かを察した。
「うん、普通じゃないね」
ふいに背を正すと、
「ガッタガッタ ガタガタ ガッタガッタ」
それは緊急警報のように、不快な音をたてはじめた。
「これ、パンクだな。ちょっとヤバイ!」
と、覚悟を決めたようにハンドルを握り直す。
と、言っても、ここは国道の中央寄り車線。
どうする?
「ガタガタ ガタガタ ガタガタ……」
どんどん落ちていく車輪の速度。
だんだん増していく車体の音。
小刻みに揺れるゆがんだ視界に、為す術もない。
「もう、ここで止まるしか……」
弱気な彼の言葉に、
気安く首を縦に振れない事情もあった。
そのとき、赤い出光の看板が150mほど先に見えた。
一つ手前の信号は青。
とっさに、その看板に人差し指を向ける。
「あのガソリンスタンド入って!ハヤク!!!」
「ガタガタ ガタガタ ガタガタ……」
アクセル全開、ぐらつくハンドルを操作する彼に
タブーな言葉を口走る。
「炎上しない?この車」
「エッ?まさか、ソレはないでしょ。」
~ブ、ブブーーーッ!~
後ろからクラクションを鳴らされて
慌てて助手席の窓から手を上げた。
「今しかない!ハヤク左!ヒダリッ!」
車体は重々しく左に旋回。
「ガタガタ ガタガタ ダダダダ」
音はしだいに遅く、鈍く。
「ダダダダダッ ダッダッダッダッダッ」
「ダダダダダッ ダッダッダッダッダッ」
あと5m……
「突っ込めーーー!!!」
「ダッダッダッ!ガッタン!」
間一髪。
出光のゲートの端に、タイヤを乗り上げた。
「オーライ、ライ、ライ、ライ……」
ガソリンスタンドのお兄さんの手招きと掛け声が、
恐怖のアトラクションのフィナーレを告げていた。
その横顔は、こらえきれない可笑しさを
嚙みころしているようにも見えた。
でも、当事者の二人はそれ以上に可笑しい。
「あ~助かった~!ハハハハッ」と、安堵する彼に
私も吹き出し、車内に響く笑い声……。
「大丈夫ですか~!」
二人の世界に冷や水を浴びせるように、窓の外から声がして、
とりあえず、車から降りることにした。
お兄さんは、よじれたワンピースを見て、
「足元、気をつけてくださいね」と気遣ってくれた。
そして、その視線は
デート中に失態をおかした彼へと鋭く向けられる。
「そろそろ廃車にした方がいいですね」
彼の笑顔が萎んでいく。
結局、タイヤのパンクだけでは済まなかったようだ。
その日は、タイヤ交換の応急処置をして、
デートコースを、近くの公園に変更した。
「それにしても、あの時の絶叫、凄かったなー」
「え?」
「いつものイメージと違うからさー。ハハハッ」
そんなの当たり前だ!
こっちは、乗りたいとも思っていなかった
絶叫マシーン(廃車寸前の滑車)に乗せられたのだ。
未知の恐怖に挑むうちに、
おしとやかな猫のお面も、一瞬で吹き飛んだのだろう。
それだけではない。
憧れのキラキラデートもまた、一瞬のうちに紙くずになった。
それなのに、どうだろう?
全て洗い流された心に、受け入れ難い感情が芽生えていた。
「こんな風変わりなデートも面白い……」と。
まさか、それを計算しつくした
彼の演出だったのか……。
天才?
いや。
あのアトラクションの展開が予定されていたら、
このワンピースを見て、同情を覚えたはずだ。
これは、きっと偶然の産物。
状況が少しでも変わっていたら、私は恐らく機嫌を損ねていただろう。
① もし過去に同じようなアトラクションを経験していたら?
→もうそれほど心高鳴ることもなかっただろう。
むしろ、うんざりしていたかもしれない。
② 怪我をしていたら?
→怪我の度合いにもよるけれど、
ほろ苦い・苦い経験になっていただろう。
➂そもそも、あのハプニングがなかったら?
→それほどドキドキ、ワクワクすることもなかっただろう。
むしろ、年季の入った車ばかりが気になっていたかもしれない。
とにかく、「結果オーライ」ということにしよう!
海ほたるの眩いデートはできなかった。
ワンピースの出番はなかった。
それでも、記念すべき、初ドライブデートは
記憶に深く刻まれることになった。
友人達が幸せそうに語るお洒落なドライブデート。
雑誌や映画のようなロマンティックなドライブデート。
憧れはあったけど、そればかりじゃなかった。
無論、あの疑問の正体まで露わになった。
心を満たす宝石は、紙幣だけで買えるものではない。
そこにあるものは「希少価値」。
他にない風変わりなデートこそ面白い!
そんな新境地を切り開いた気分だった。
帰りがけの車の中。
サイドミラーに顔を映し、瞼をうつらうつらさせ、
私はまだ映画のヒロインを演じていた。
頭で思い描く理想と、心で感じる現実の狭間で足を止める。
「Coolな車って、どんな乗り心地……」
オレンジ色に染まるフロントガラスへと
目を向けようとした、その瞬間!
窓から勢いよく吹きつける向かい風が、瞼をさすった。
ふわりと舞うワンピースの裾を
慌ててショルダーバックで押さえると、
「ヒュルッ、ヒュルッ、ヒュルルル~」
秋の光に照らされた花柄の布先が、
音を立てながらはためいた。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
~Fin~
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