見出し画像

【映画rie】ちょっと乗れなかった理由 『 フランシス・ハ 』

◆フランシス・ハ(Frances Ha)
ノア・バームバック監督
2012年アメリカ合衆国映画

個人的な話だが、2011年からしばらくの間、子供が小さいこともあったし、東京から熊本への大きな引っ越し。田舎暮らしでネット環境が不十分などなどが重なったせいか、音楽も映画も その時期の情報が スコンと抜け落ちている。フランシス・ハは ちょうどその時期の映画で、よく目にするけどスルーしていた一作。

つかみどころのないイメージでいたが実際そうで。

この監督の映画とは知らずに 過去に何本か観ていた。ヤング・アダルトニューヨーク。マリッジ・ストーリー。デ・パルマ。主演・脚本のグレタ・ガーウィグのレディ・バードも一応見ていたので、なるほどという世界観。私小説的。

この監督の映画は、いつもウディ・アレン要素を何割か感じさせる。フランシス・ハもそうで、アレン映画の主人公男性を現代女性に置き換えた作品にも見える。

ヒロインはそんなに上手くいっていないダンサーで、お金や生活に困ってる、という点はウディ・アレンの逆張りとも取れる。(アレン映画は業界人の小金持ちニューヨーカーが基本設定。お金では あまり悩まない)

美しい映像と気の利いた編集は気持ちが良いものの、ウディ・アレンの主人公の時に感じていた、"風変わりな人物なのに自分事に感じる" あの作用が、私には最後まで訪れなかった。

ガチャガチャした 大人になりきれない女性が、NYで すぐバレるような、"のび太君的見栄" をはりながら生活してる。で終わってしまった。


彼女のガチャガチャ感、のび太感は自分みたいで恥ずかしかったし。ATMで現金をおろす時の手数料数百円を渋ったり。周りの人が手を差し伸べてくれるのに、つまらない意地で反射的に断ってしまったり。と、細部は色々身につまされる。一人暮らしあるある、共同暮らしあるある でもあり 遠いNYを意外と身近に感じられたりする点は面白いのですが。

他の名作とされているノア・バームバック監督作品も、私にとっては意外とそんな印象で、分かるわーが色々あるのに、最終的に感情移入が いつも出来ない。結局のところ、気取った感じが先に立ってしまうのだと思う。

毎回リファレンスとなる過去の名作映画の影を感じる。それは全然悪くないんだけど、結局、だったらリファレンス元、マリッジストーリーだったら、クレイマークレイマー観れば良かったかな、という気持ちに どうしてもなってしまう。

私の意地が悪いのか、他の人も そう感じるのか。自分でも音楽を作ったりしてるので 人の事ばかり偉そうに言っていられる身分ではないし、段々歯切れも 悪くなりますが。名作は越えるのが難しいから名作な事も重々ね。。。

右がフランシス。左が元ルームメイトで、付き合っていたソフィー。この女優ミッキー・サムナーはスティングの娘さんとの事。街や部屋に自然に溶け込んでる人だったので、結構びっくりした。http://www.webdice.jp/dice/detail/4373/

奥ゆかしさを感じさせる撮影や編集が、私自身もともと好きなだけに、この合わなさは残念だけど、乗れないのだから、仕方なーい。


フランシス・ハ
(Frances Ha)
ノア・バームバック監督
2012年アメリカ合衆国映画

ロマンティックじゃないNYのはずが…意外とロマンティックだった。
スタイリッシュな映画が好きな人に良さそう。
50点

……………………..

🟢spotify( podcast )
映画を軸にしたポッドキャスト"食わずぎらい映画。ときどき音楽"
週一でUPしています。20分程の雑談です。

🟢spotify (flexlife)


🔴 youtube 


🔵 twitter
https://twitter.com/flexlife1


謝謝

この記事が参加している募集

多様性を考える

おすすめ名作映画

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?