高橋フィジ@キャリア相談×読書

物理学超伝導体の作製方法を研究し、 卒業後物理学の高校教諭として勤務。 その後キャリア支援を本業とするため、キャリアアドバイザーとなる。現在も本業の傍ら、進学校を中心として高校向けの進路支援を行っている。

高橋フィジ@キャリア相談×読書

物理学超伝導体の作製方法を研究し、 卒業後物理学の高校教諭として勤務。 その後キャリア支援を本業とするため、キャリアアドバイザーとなる。現在も本業の傍ら、進学校を中心として高校向けの進路支援を行っている。

最近の記事

構想メモ「何の車乗ってる?」これは不幸の種だ。

「何の車乗ってる?」 この問いは、同世代の中で価値観の一つとして、僕が最もくだらないと感じるものだ。 高校時代、アルバイトを始めた友達や、親から少し多めにお小遣いをもらっていた人たちが、ハイブランドの財布を持ち始めた頃を思い出す。 「何の財布使ってる?」と問う、その風景と同じだ。 もちろん、これは嫉妬に基づく話ではない。 「努力が足りなくて、お金を稼げないからくだらないと言っているのだろう?」と思う人がいるかもしれないが、そうではない。 もし努力してもお金が稼げないのなら

    • 読書:ポジティブ心理学 ミハイ・チクセントミハイ、セリグマンから学ぶ人生の満足度と相関。

      1.何の要素が人生における満足感に繋がるのか 2.3つのよいこと 3.遺伝的特性と満足度 1.何の要素が人生における満足感につながるのか 本書では「経済的成功」が人生における満足度につながると言う結論を出してはいない。 様々な研究結果を元に、客観的に満足度と行為についての、データを取っているので、ぜひ手に取って欲しい。 読むほどに、YouTubeのショート動画、TikTok、職場など巷で言われる「こうすると人生もっと良くなる」内容の出典元であるように思えた。 人生の満

      • キャリア相談日記:ただ土日休みで働きたいだけなのに。

        担当している方は20代の女性。 高校卒業後、果物ジュースの販売業をしており、2年ほどで転職を考えている。 住まいは地方。 友達が多くいるし、彼氏も近くに住んでいるから、引っ越しはしたくない。 「なんで転職を考えたのですか?」 話を聞いていくと転職を考えたきっかけは、 大きく2つ。 1つは、このまま接客をしていて自分のキャリアが不安になったということ。 もう1つは、土日休みにしたいということ。 彼氏や友達が土日休みの仕事をしているから、自分もそれに合わせたい。 接客など

        • 豊かさの逆襲。「脳化社会」を超える新しい生き方のヒント。

          これまで養老武先生が述べていた「脳化社会」というキーワードから考察した記事を作成してきました。 ここでは「脳化社会」とは何か?ということについて書いています。 その点に関して警鐘が鳴らされている状態で、より豊かに生きるということをテーマにして考えると我々に何ができるか? これを主題としてこの記事を作成しています。 脳化社会の限界:本当の豊かさを求めて 「脳化社会」は、技術と情報処理の効率性を追い求めることで、私たちにかつてない利便性を提供しました。しかし、それは同時に私

          速すぎる未来の罠。技術革命が私たちに仕掛けた心理トラップとは?

          技術は味方か敵か?私たちの脳は疲れている 現代社会を見渡してみると、驚くべきスピードで技術が私たちの生活に浸透し、変革をもたらしています。スマートフォン、AI、ビッグデータ、そしてインターネット。それらの技術によって、かつては考えられなかったような利便性が実現しました。しかし、この「技術革命」には罠があります。私たちの脳は、便利さに引き換えに、かつてない負荷を受けているのです。 情報はどこからでも手に入るし、常に誰かとつながっている感覚。それは一見素晴らしいように見えます

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          脳化社会とは?人間と社会が歩んできた発展のサイクルを探る。

          養老孟司先生が仰っていた「脳化社会」というワードが頭に残っている。 感覚的に幼少期を過ごし、学校で論理を覚え、社会では感覚を仕事にする人、論理を仕事にする人、その両方を仕事にする人と分かれていく。 現代はどちらかというと論理を重んじられている傾向がある。資本主義が主流であるために、その主義に従って動くと、何も考えなければ基本的には効率を求めるようになる。 効率を上げれば「幸せになれるのか?」というテーマは深い。おそらく否ということもあるからだ。資本主義は人の幸せとは完全

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          働くに幸せを。労働の歴史から考える。

          「働く幸せ」をテーマに最近考えている。 自分の友人が「働くに幸せはない。労働は苦役。」と言い切っている。それはそれで面白いのだが、調べるとそれは、少し前にマルクスがそうなることを明確に示唆していた。 しかしながら調べてみると、 資本主義が主流となる少し前は 「労働が楽しい」と考えていた人もいたようだ。 おそらく今も、労働を楽しいと感じている人と、労働はしんどいと感じている人、またはその両方を行き来している人がいると思う。 これまで労働についていくつもの思想家や研究者が意

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          GDP上がらないことってそもそも課題か?

          これまでの経済の変遷とGDP(国内総生産)について、一般的な理解を深めるために、以下の要点を押さえながら進めていきます。 経済の変遷の概要 経済は人類の発展に伴って複雑化し、異なる時代ごとに大きな変化を遂げてきました。 大まかな流れは以下のように分類できます。 古代~中世: - 経済活動は主に農業と物々交換に依存していました。中央集権的な帝国や封建制度のもとで、地域的な経済活動が中心でした。 産業革命(18~19世紀): - イギリスで始まった産業革命により、経済は農

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          学んだことがすぐに使えなくなる時代

          学んだ知識が、変化の激しい時代において、無駄になる。 これは、多くの方が抱えている不安であるように思う。 学んだことがすぐに使えなくなる時代 実際に『LIFESHIFT』にも書かれているように「1869年のアメリカにおけるGDPの中での農業の割合は40 %であったが、2013年に農業はGDPの1 %」となった。 これは150年間での遅い変化に感じるが、工業に置き換えて考えていくと、さらにその後工場勤務にて働いていた人のほとんどはロボットに置き換えられてしまった。 ホワイ

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          読書:手ぶらで生きる。

          この本は2018年にミニマリスト しぶさんによって書かれた本。 2020年にこの本を読み、再読した。 流行してから、廃れることなく、未だ根付きながら、導入する人が増えている「ミニマリスト的思考」をライフスタイルに落とし込んで、記述した本である。 ミニマリスト的な考え方とはなんなのか? ミニマリスト的な考え方を具体で記述されているが、その中でも改めて面白いと感じたポイントを3つ示す。 1 1点豪華主義 2 時間を最大化する(あくまで手段) 3 人間関係を複数持つ 1  

          読書:世界一流エンジニアの思考法

          1 生産性を高める方法 2 得た情報を整理、記憶するための最良の方法 3 何らかの専門的技術を高める方法 この3つに得た学びを集約し示す。 1生産性を高める方法について 著者がマイクロソフトでエンジニアとして勤務をしている。 周囲には、優秀な社員が多くおり、その社員との交流から得た知見を本書ではまとめてある。 その中で「生産性を高める方法」について記述されていた。 「シングルタスク」「基礎を固める(活用レベル1を増やす)」「メンタルモデルを作る」 という3つの具体的な

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          「事実」より「仮説」

          圧倒的なデータを有していることが、大企業や歴史の長い企業の強みである。 そのデータをどう扱うか、ということをテーマに「データサイエンティスト」が引く手数多の状態である。 実際に私が所属する企業でも圧倒的なデータ量が強みであり、それをどう活用するかという点に関心が集まっている。 社内プロジェクトにおいて、 「組織内でのナレッジを共有する文化が定着しているが、どういう情報を学ぶか?」という点についてはしばしば課題になる。 脱属人化は、組織としてのテーマであるが、 個人とし

          ビジョンとともに働くということ 山口周×中川淳

          ビジョン、パーパース、ミッション、さまざまな言葉で表現されているが、これらは、企業のありたい姿、あるいは個人のありたい姿、成し遂げたいことを指す際に使われる。 現企業の事業部長の仕事として、 「ビジョンを定める」というものがあった。 半年間の期間を経て、外部の専門家とのやりとりを重ね、 事業のビジョンを定められた。 定着度合いや、その意義が、事業にどう反映されるのか、 結果はまだ先であるが、 大企業でもベンチャー企業でも、今や伝統の長い中小企業でも、 「うちも、ビジョン

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          個人のコンセプトだけ決めるということ

          「何か資格取得したいけれど、どうしよう?」 「仕事における目標がなくモチベーションが上がらない」 「何か頑張りたいけれど、何をしよう?」 そのように考えたことはないだろうか。 私自身、転職相談を受けているが、よく聞くのは前者の資格取得についての相談。 確かに、変化の激しい時代に、長い時間をかけて、専門性を獲得するというのは、 少し怖い気持ちもわかる。 この問いに対して、考えをまとめたい。 VUCAの時代だから、コンセプトだけ決める。 これは現在独立研究家の山口周さんが澤円

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          この求人を見たら「あ、倍率高いな」と察してしまう

          日々、仕事として求人を見ている。 求人を見ると、 会社単位ではどのポジジョンで強化をしようとしているのか。 業界単位ではどの業界の人員が不足しているのか。あるいは増員しようとしているのか。 ということが見えてくる。 それ以上におもしろいものが、 今どういう企業に応募が集まりやすいのか? というところである。 この傾向を知ることは、 ポテンシャルの高い未経験者を採用したい企業には、目から鱗のような情報になると思う。 結論、 社会貢献性の高い仕事や企業に応募者が集中する傾

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          読書:その仕事、全部やめてみよう 小野和俊

          気づきを3つ示す。 1.ラストマン戦略を立てる。 2.品質過剰ではなく「遊び心」。 3.来るべき時に向けて技術習得しておく。 1.ラストマン戦略を立てる。について。 この本で最も面白いと感じた部分はここ「ラストマン戦略」を立てるということ。 これは、組織において、最も得意とする能力やスキルを意図的に身につけるということ。 「野菜屋に入って、肉に詳しくなる。」 こういう進み方でも問題ないという。 野菜屋に入って、自分より野菜に詳しい人はたくさんいる。 しかし、肉に詳しい人

          読書:その仕事、全部やめてみよう 小野和俊