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個人のコンセプトだけ決めるということ

「何か資格取得したいけれど、どうしよう?」
「仕事における目標がなくモチベーションが上がらない」
「何か頑張りたいけれど、何をしよう?」

そのように考えたことはないだろうか。
私自身、転職相談を受けているが、よく聞くのは前者の資格取得についての相談。
確かに、変化の激しい時代に、長い時間をかけて、専門性を獲得するというのは、
少し怖い気持ちもわかる。
この問いに対して、考えをまとめたい。

VUCAの時代だから、コンセプトだけ決める。
これは現在独立研究家の山口周さんが澤円さんとの対談の際に話をしていた内容。

これと類似していて異なる発想であるのが、
計画をすることを良いと考え、
10年後の具体的な目標を立て、逆算をし、今何をするべきか?ということ

一見、合理的な方法に思えるが、
これが通用するのは、予想が比較的可能な時代である場合だ。
実際にこの方法で成果を上げた方は多くおり、
サッカー選手の三笘薫選手も著書で目標ノートを書き、逆算して何をすべきかを常に考え、練習メニューなど「今やるべきこと」を考え実行してきた、ということが書かれている。

しかし、これは「サッカー選手として世界で活躍する」という前提があり、
サッカー選手として活躍するフィールドが10年後も必ずあることを前提として努力をしている。もちろん、サッカーは人気が途絶えず、今も活躍するフィールドは十分にある。
ところが、ビジネスでは前提が異なる。

このような目標を立てている人は少ないと思うが、
仮に「ある組織の中で10年後部長まで昇格する」という目標を立てるとする。
しかしながら、10年後、会社が存続していないというケースも考えられる。
最悪の場合、今自分が専門性を磨いている業界の市場が圧倒的に縮小しているケースも想像できる。

このように、具体で目標を設定し過ぎてしまうと、
前提が崩れた時に、行き場を見失ってしまうケースに繋がる。
もちろん、そこまで目標を立てて具体の行動を積み重ねたのであれば、個人の何らかのテクニカルスキル、ポータブルスキルは身についていることと考えられるが、当人としては、その目標を追ってきたのだから、いきなり「他に通用できるよ」と励まされても悲しいだけであると思う。
サッカー選手として世界で活躍するために、サッカーを10年間極めたら、
突然10年後にサッカー人気が世からなくなってしまった時に、足腰は鍛えられているから、今人気の違うスポーツにいこう、と気持ちをすぐに切り替えられる人はそう多くないと思う。

これが若ければ時間をかけて、他のテクニカルスキル(専門的なスキル)を身につけようと頑張れるかもしれないが、40代となって、一からテクニカルスキルを身につけよう、と考えられる人は少ないだろう。

であるから、
抽象的な個人のコンセプトを決めよう、ということが今、大切なことだ。
学習することが好きなのであれば
「学習することが仕事に繋がるようになればいいな」という粒度。
かなり抽象度は高い例であるが、目標を具体にあえてしないという発想が面白い。
似ている概念としては「Doing(やること)」よりも「Being(ありたい姿)」を作ろうという発想である。
それに対して、有効であると考えられるアクションを考えて実行していく。

今の時代の目標設定の仕方として、とても有用な考えであると感じている。

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