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まちづくりのための合意形成とは〜割とスルーされてる可哀想な私の討論をここで昇華🥺

はいたい、鎌倉アップデートチャレンジのマコちゃん!こと、鎌倉市議会議員の藤本あさこです☺️(長い
パンクとサブカルをこよなく愛し、権威に一ミリも魅力を感じない、それでいて平和的対話を続けている稀有な政治家(知人からの評価)です😂
最近よく聞かれるので補足すると、「鎌倉市」は神奈川県にある大仏と海のある町です🌊

今(というかここ5年くらい)、鎌倉市は市役所の位置を現在地の鶴岡八幡宮の近くから、湘南モノレールの「湘南深沢」駅に移転しようとしていること、ご存知でしょうか?
市がこの計画を作ったのは5年くらい前なのですが、その時に議会の承認をとっていなかったので、今になって焦って議案で出してきた・・という感じみたいです。
市役所移転のような市民全体に関わる大きな議案で、5年も前から検討がされてきており、それをいざ議案提出したら否決される・・・というのは全国自治体の政策推進を見てもなかなかないことかと思います。
これはひとえに「合意形成の大失敗」と言えるケースでしょう。

今、全国的に「まちづくり」がブームなんですが、それを実際にやってみて難しさを感じている方は少なくないと思います。そう、住民や行政が関わる場合は市民、市内企業、行政、議会など含めたステークホルダーの合意形成がハードルとなっています。

基本的に世の中、同じ考えの人はいないのです。これがそもそもの前提であり、それぞれの利害のベクトルもサイズも異なります
それを「俺はこう思うから!これが一番いい!そう思わないやつはアホ!」みたいな話し方をするといきなり終わるわけですw(最近散見されますね🥺)

あと今回の鎌倉市の失敗の一因でもあるのですが、複数課題の解決をごっちゃにすると、うまくいくものもいかなくなります。
この課題についてはどう解決する?では、こちらの課題には?と、しっかりと課題を切り分けて問題解決していくことは重要です。

また、最近流行っているコミュニケーション手法としては「対話」ですね。(これも、ただのおしゃべりや意見交換ではなく、利害の衝突がある場合にどのように相手の話を聞き、こちらの意見も主張するかは非常に高度な技術が必要とされる)
しっかり話し合いをして落とし所を見つけていこう、というのは多くの方が想像される手法かな、と思います。
とはいえ「合意形成に大成功!」したケースというのも実際にはこの世界にまだ存在してないとは思いますが、日々私たちは努力していくわけです。

今回の鎌倉市のケースも、昨年末のタイミングでの合意形成には至らなかったわけですが、とはいえそれで終わりではないので、また引き続きみんなが参加してしっかり意見を言って話し合って策をつくっていく、しかないのです。

以下、私が本会議場で訴えた、公式文書に残っている文章です。
鎌倉市の発行する広報誌には載っていませんが、私は公式にこのような意見を残しておりますので、ぜひここでご覧いただきたく・・・成仏させたい😂

ちなみにこの前段の想いとしてはこちらのnoteにも綴ってあります。


議案第51号「鎌倉市役所の位置を定める条例の一部を改正する条例の制定」についての討論全文

○13番(藤本あさこ議員)  議案第51号鎌倉市役所の位置を定める条例の一部を改正する条例の制定について討論いたします。
 本件について意見を、一市民としてに加えて、これまで私がコンサルタントとしてプロジェクトマネジメントに従事してきた視点を含めて述べさせていただきたいと思います。 

 まず1点目に、これまで市役所の移転は平成30年に計画決定したと言われてきましたが、それは市役所の計画として決定したというだけで、議会の明確な承認というものではありませんでした
 これはつまり鎌倉市を企業として例えると、例えば何か新しい建物を建てるなどのときに役所や省庁に承認を取るのですが、こういったプロセスがまだ実行されていなかったということです。
 皆様にも考えてほしいのですが、一般的に事業を進める際に、こういった許認可取得は最初のフェーズに来るのではないかなと思います。
それをせずに、社内で計画策定しただけで移転を決定したというのはおかしな話です。
 本決定させるためには、こういった許認可の取得をして初めて公に言えることではないでしょうか。10年かけて計画策定して、いよいよ最後に認可申請して、はねられてしまったらどうなるのか。計画は遅延して、実現しない可能性すらあります。なので、こういったことはしないのが通常のプロジェクトの進め方だと思います。
 市は認可が下りていない事業に関して、既にあらゆるところで、市役所は深沢に移転すると広報しており、これまでの「広報かまくら」を読んだ市民も移転するのだなと思ってしまいます。
 許可が取れてない事業に関して、先にこのような形で広めてしまうのはいかがかなと思います。
 これまでの広報についても、まだ本決定はしていませんがといった注意書きがされないと、市民は勘違いしてしまうのではないかなと思います。
 あわせて、深沢エリアの開発に関する課題も、あたかも市役所が移転されないと深沢の開発も進まないかのように説明している広報に関しても、市民の混乱を招いていると感じました。
 正確な情報を市民に提供しないと、当然ですが、市民は正確な判断ができません。市役所の深沢移転について民意を得ているとおっしゃっていましたが、果たして正確な情報を基に市民が判断できたかは懐疑的です。

 2点目として、今回の位置条例の議案が本議会で提出されましたが、本来的にはこの時期に出す予定ではなかったと伺いました。
 前述したように、こういった大型のプロジェクトを進めるのであれば、外部への申請が必要になるタスクについては、しっかり計画の中でマイルストーンとして置かれているはずです。たとえ1回で通らなかったとしても、バッファーとしての期間を持って、例えばここまでには外部承認を得た上で進めていくといったフェーズがつくられるべきです。
 そういった計画が立っていないということを今回知りました。
 さらに聞くと、本来であればもっと先にする予定だったということですが、前述しましたが、先になればなるほどこういった外部の許認可が下りなかった場合の事業ダメージは大きくなります。
 こういった外部承認は先に取っておくべきであって、後回しにしているプロジェクトは問題で、もしこのような危ない進め方をしているプロジェクトがあったら、私が社長だったら止めます。
 
 あまりにも進め方が危険過ぎます。

 この条例を議案として本議会に出してきたのも、9月の定例会で同僚議員の皆様からの一般質問での意見によるものということですが、そもそもこういった大きなプロジェクトを推進するに当たり、こういったマイルストーンを計画として設置できていないプロジェクト自体、失敗ではないかと思います。
 今後進めるに当たっても、外部のステークホルダーが入ってくるマイルストーンは必ずバッファーを持って、自身でイニシアチブを持って設定すべきで、それができてないプロジェクトは周囲に振り回されて変更が多く発生し、また、費用も膨らむ傾向にあります
 今回のプロジェクトは他者も多く入ってくるので、不安が大きいです。

 正直、私が議員になってからこれまでの政策推進については懐疑的です。
 海水浴場開場に関する議論や、生涯学習センター指定管理者に関する問題や、大河ドラマ館の運営など、結果ではなく、こういったプロセスに問題があったと感じています。
 課題が何なのか、その解決のための手法は全て抜け漏れなく検討されたのか、その手法は最適であるのか、どういった評価軸を設定し、どういった評価がされたのか。
 3点目としては、こういったプロセスが不明瞭であって、事後に確認しようにも見返せない形の事業の進め方に不安を抱いております。
 この進め方を今回の大型事業でも実行すると、やはり今後も費用が膨れ上がって、想定外の変更が発生したり、また、完成した後も、なぜこんなに想定の変更があったのかなどといったことを顧みることができなくなると懸念しています。
 このような不確実で見通しの不透明な事業をそのまま進めることは、未来の市民に対しても不誠実ではないかと考えます。
 本事業を進めるに当たり、事業を遂行できるような体制整備が必須の急務と考えます。

 この事業は鎌倉の未来を大きく変えるものだと思います。50年後の鎌倉市民が振り返ったときに、その歴史に納得できるものであってほしいと思います。
 また、会派として、第3の拠点としての深沢エリアとしては理解できるものの、その場所への市役所機能の設置はまだ時期尚早ではないかという声も出ています。

 以上、討論といたします。


200億円かかる大型事業はこの先も少ないと思うので、ここはしっかりやっていただきたいです。


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