仲介業者なしの個人間売買による土地購入の際の注意点
こんにちは。住宅コンサルタントのならざきです!
フィックスホームは、大津市・草津市・栗東市・守山市周辺で、高気密高断熱の省エネ・エコ住宅を建てる工務店です。
土地価格の高騰で、なかなか納得できる土地探しが出来ていない、進まないという方は多いです。そんな中、「友人の両親が土地を売ってもいいと言っている」とか、「近所の人が土地を売るらしい」と言った情報を元に、知り合いなら安心ということで、土地を個人間売買で取得しようと検討する方もいらっしゃいます。
仲介業者なしの個人間売買による土地購入の際の注意点
不動産の売買には、仲介業者(不動産業者)が入るのが一般的ですが、友人や知人、近隣の方、また親子間や親族間での不動産売買が個人間売買です。不動産会社が仲介に入らない分、仲介手数料など大幅なコストダウンも可能になるのですが、その一方で気になるのは取引をする上での難しさです。
そこで今回は、土地を個人間売買で購入する時に注意しておきたいことや、メリット、デメリットについて詳しく見ていきたいと思います。
土地の個人間売買のメリットと注意点
土地の個人間売買の大きなメリットは、何と言っても「仲介手数料」が不要であるということです。一般的な仲介手数料は、「(売買価格×3%+6万円)+消費税」ですので、1,000万円の土地なら396,000円、2,000万円の土地なら726,000円の仲介手数料が、売主と買主の双方から仲介業者へ支払うことになります。それが不要だとしたら、大きなメリットになりますよね。
また個人間売買になるケースでは、売主と買主の双方が、良く知った間柄であることも多いです。代金の支払い時期や契約の内容についても、お互いの立場や事情を考慮して、不動産業界の慣例に捉われず、融通の利く取引になる場合も多いため、心理的な負担が少ないこともメリットの一つです。
ただし注意しておかなければならないのは、売買代金の授受があった時には、それが時価(通常の取引価額または相続税評価額)を大幅に下回る金額だった場合、時価と売買価格の差額に対して贈与税が掛かる可能性もありますので注意が必要です。実際に売買を行う前に、税理士などの専門家へ相談しておく方が安全です。
重要事項説明書や不動産売買契約書の作成
次に土地の個人間売買における、デメリットと注意点についてお伝えしていきます。一般的な仲介業者を入れた土地取引では、宅地建物取引業法で不動産売買の際には当事者に交付するための「売買契約書」と「重要事項説明書」を作成して、宅地建物取引士が記名・押印して重要事項説明を行うことが義務付けられています。
ただこれは、あくまで売主と買主の間に入る、宅地建物取引業者に対して課された義務ですので、個人間売買についてはこのような義務はありません。民法上では「口約束」でも契約は成立しますので、極端な話し、契約書がなくても取引を行うことは可能です。
しかしいくら親しい間柄とは言え、口約束だけで行うのは大変危険です。「言った」「言わない」による後々のトラブルを避けるためにも、取り決めの内容はしっかりと書面に記しておく必要があります。
売買契約書には、引き渡し前に天災などで物件が滅失・毀損した場合にどうするかや、瑕疵担保責任、住宅ローンの借り入れができなかった場合のローン特約についてなど、重要なポイントがいくつもあります。これらを漏れなく含めた重要事項説明書や不動産売買契約書を個人で作成するには、かなりの手間と時間を要することになるため、不慣れな中で作成するというのは現実的に無理があると言えます。
そこで、不動産売買契約書の作成については、司法書士に依頼することもできます。いずれにしても不動産売買契約が締結され、代金の支払いをすると同時に、所有権を売主から買主へ移転しなければなりませんので、登記を司法書士に依頼する場合には、不動産売買契約書の作成も司法書士へ依頼し、契約書の作成費用と、登記費用を合わせて支払うということも可能です。
ただし、重要事項説明書については、司法書士も不動産の専門家ではないため作成してもらうことが出来ませんので、その点は注意しておく必要があります。
住宅ローンが組みづらい可能性も
土地代金の支払いも住宅ローンを利用しておこなう場合、住宅ローンの審査を受ける際、必要書類として「売買契約書」と「重要事項説明書」のコピーが必要になる場合がほとんどです。
不動産売買契約書については、司法書士に作成してもらったとしても、重要事項説明書の作成は、不動産の専門家である不動産業者でなければ作成できないことも多いです。
またこれらの書類は、個人で作成できないとまでは言いませんが、「重要事項説明書」に関しては、特に物件の瑕疵(かし)の有無を判断し、銀行の保証会社が評価する上での重要な書類ですから、宅地建物取引士の責任において記名・押印のされていないものは正式書類と認められない可能性が高いため、住宅ローンを利用する金融機関の選択肢の幅が狭まる可能性があります。
銀行は、売主と買主の共謀による住宅ローンの不正利用の防止や、売買契約書の不備による契約上のトラブルなどのリスクを防止する意味でも、個人間売買では住宅ローンの審査で厳しく判断しています。
最後に
今回は、土地を個人間売買で購入する時に注意しておきたいことや、メリット、デメリットについて詳しく見てきました。土地の個人間売買は、仲介手数料が不要であることや、市場に売り出されている土地のように、早く決断しないと売れてしまうといったリスクが少ないという意味でメリットも多いですが、一方で不動産売買契約書や重要事項説明書の作成の難しさ、住宅ローンの審査に関するデメリットも存在することは事実です。
僕自身も、お客さまのご依頼で、何度も土地の個人間売買のお手伝いをさせていただいた経験があります。もし土地の購入を個人間売買で行いたいという時には、仲介手数料の掛からず信頼のできる、住宅会社や工務店の担当者に相談することも一つの方法です。何か気になることがございましたら、遠慮なくご相談ください。
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