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見掛け倒しのシンプル


2024年3月19日(火)朝の6:00になりました。

シンプルにするためには、懸命に努力して思考を明瞭にしなければならない。

どうも、高倉大希です。




白Tを着て、デニムを穿く。

おなじ格好のはずなのに、めちゃくちゃカッコいい人とそうでない人がいます。


顔が整っているとかいないとか、そういう話ではありません。

全身から放たれるオーラのようなものが、まるで違っているのです。


同じように見えるのに、実際はまったく違う。

シンプルほど、難しいものはありません。


抽象の世界での「単純化」は、短絡的思考とはまったく対極のもので、対象が複雑であればあるほどよく、それをいかにシンプルにするか、まさに「具体と抽象とのギャップの大きさ」を追求することです。一方の「短絡的な思考」は、具体の世界だけで一つのサンプルを見て、「〇〇人は××だ」というような結論を簡単に出してしまうようなことを指します。

細谷巧(2014)「具体と抽象 世界がわかって見える知性の仕組み」dZERO


ゴルフはね、野球と違って止まっているボールを打つでしょ。

だから、とても簡単なスポーツなわけ。


でもね、まったくもって思った方向に飛ばないの。

ゴルフをやると、いかに自分ができないかを痛感することになるよ。


先日、先輩から「ゴルフをやってみないか」と誘われました。

まったくやる気はなかったのに、この話を聞いて一気に興味をもちました。


ここで言いたいのは、人間は無知である、ということではない。人間は自分が思っているよりも無知である、ということだ。私たちはみな多かれ少なかれ、「知識の錯覚」、実際にはわずかな理解しか持ち合わせていないのに物事の仕組みを理解しているという錯覚を抱く。

スティーブン・スローマン、フィリップ・ファーンバック(2021)「知ってるつもり 無知の科学」早川書房


近年は、誰かの真似をすることが随分と手軽になりました。

見掛けを寄せようと思ったら、簡単にできてしまいます。


ユニクロに行けば、それらしいコーデを安価で組むことができます。

100均に行けば、本当にこれが100円なのかと驚くような商品が手に入ります。


言うなれば、高見えする安いモノが流通するようになったわけです。

これにより、見掛け倒しのシンプルが世に蔓延ることとなりました。


シンプルを実現するのはシンプルじゃない。スティーブ・ジョブズは「思考を整理し、シンプルにするには努力がいる」と述べている。アラブには、明快な文章についてこんな表現がある。「理解するのに技術はいらなくても、それを書くには名人の技がいる」

ナシーム・ニコラス・タレブ(2017)「反脆弱性 上」ダイヤモンド社


決して、誰かの真似をすることが悪いわけではありません。

ものごとの多くは、誰かの真似からはじまります。


肝心なのは、そのシンプルが見掛け倒しであることを自覚しておくことです。

そのためにも、本物のシンプルには触れておかなければなりません。


違いがわからなければ、この世はびっくりするくらいに単調なものになります。

「ヤバい」と「エモい」の二単語だけで、生きていきたいかという話です。






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