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『ルックバック』の制作陣よ、よくぞ58分で終わらせた。


2024年7月1日(月)朝の6:00になりました。

じゃあ、藤野ちゃんはなんで描いてるの?

どうも、高倉大希です。




自分が漫画家だったとしたら、おそらく筆を折っていた。

藤本タツキ先生の『ルックバック』を、はじめて読んだときの感想です。


映画『ルックバック』


映像化されると聞いたからには、観に行くしかありません。

公開初週、さっそく映画館に足を運んできました。


もっとも気になっていたのは、上映時間です。

原作を読む限り、どう考えても数時間に引き伸ばすような作品ではありません。


学年新聞で4コマ漫画を連載している小学4年生の藤野。クラスメートから絶賛され、自分の画力に絶対の自信を持つ藤野だったが、ある日の学年新聞に初めて掲載された不登校の同級生・京本の4コマ漫画を目にし、その画力の高さに驚愕する。以来、脇目も振らず、ひたすら漫画を描き続けた藤野だったが、一向に縮まらない京本との画力差に打ちひしがれ、漫画を描くことを諦めてしまう。

公式サイト『ルックバック』STORYより


長編にすることで、この作品のスピード感が失われてしまうのではないか。

ここだけがずっと、気がかりでした。


いざ詳細を確認してみると、上映時間は58分。

子どもも大人もお年寄りも、料金は一律1700円。


制作陣よ、よくやった。

この作品は、そうでなければならないんだ。


自分の中にある消化できなかったものを、無理やり消化する為にできた作品です。描いて消化できたかというと、できたのかできなかったのかはわからないですがこの作品を映像化するにあたり、たくさんの人が関わってくれたことには感謝しかありません。

公式サイト『ルックバック』藤本タツキ先生のコメントより


観たあとの感想は、ここでわざわざ述べるまでもありません。

強いて言うなら、より納得したというくらいです。


やはりこの作品は、58分でなければならなかったのです。

もっと尺を伸ばすべきなんじゃないかとか、料金はどうするんだとか。


きっとさまざまな議論が、あったのだろうなと思います。

制作陣よ、よくぞ58分で終わらせた。


内容に関しては、たまたま読んだ本から、「死と和解できるのは創造の中だけだ」というようなセリフがあって、すごくいいセリフだと思ったんですよね。原本だと、単なる皮肉なのか、さらっと流されるようなセリフだったんですけど、自分にはすごく刺さって。

映画ナタリー『劇場アニメ「ルックバック」はすさまじい熱量』より


あとはもう、観に行ってくれ以外に言うことはありません。

少なくともnoteだなんて媒体を使っている人には、刺さるところがあるはずです。


「楽しくないし、メンドくさいだけだし、超地味だし」

「一日中ず〜っと絵描いてても全然完成しないんだよ?」


「読むだけにしといたほうがいいよね、描くもんじゃないよ」

「じゃあ藤野ちゃんはなんで描いてるの?」







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