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柿の種

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#エッセイ

ただの土に水をやる

2024年6月20日(木)朝の6:00になりました。 黒い大地の中に蒔かれた種子は、すでにして勝者だ。 どうも、高倉大希です。 撒いた種が芽を出すまでには、ある程度の時間が必要です。 撒いた途端に、芽が出ることはありません。 何も見えないただの土に水をやり。 次の日も、何も見えないただの土に水をやり。 明日こそは芽が出るはずだと、水をやり。 さすがにそろそろ芽が出るはずだと、水をやり。 もしかしたら、種なんて撒いていなかったんじゃないか。 そう疑いたくなっ

スキの病に冒されて

2024年6月19日(水)朝の6:00になりました。 自由であるためには、尊厳が必要なんだ。 どうも、高倉大希です。 読んでもいないのに、スキを押してきやがって。 スキの病に冒された人から、こんな声が聞こえてきます。 フォロワー欲しさに、フォローしてきやがって。 フォローの病に冒された人から、こんな声が聞こえてきます。 なぜだか、相手も自分と同じ基準でスキを押すものだと思っています。 なぜだか、相手も自分と同じ基準でフォローをするものだと思っています。 冷静

核心をついたものほど当たり前に見える

2024年6月18日(火)朝の6:00になりました。 僕はどちらかというと平凡な人間だったから、当たり前なやり方をしてみることに決めたんだ。 どうも、高倉大希です。 核心をついた取り組みが、注目を集めたとします。 するとそこには必ず、こんな声が寄せられます。 「そんなの〇〇では当たり前」 「ずっと昔から〇〇さんが同じことを言っている」 長らく教育業界に身を置いていますが、このような場面を何度見たことでしょう。 あまりにも目にするので、きっと何かしらの傾向がある

思い込みが覆ったそのときに

2024年6月17日(月)朝の6:00になりました。 誰もが自分の視野の限界を、世界の限界だと思い込んでいる。 どうも、高倉大希です。 思い込みをなくして、フラットに捉えよう。 近年、このような考え方が主流になりつつあります。 とくに異論はないのですが、このままでは思い込みが悪になってしまいます。 大切なのは、思い込みが覆る瞬間です。 思い込みが覆ったそのときに、好奇心が生まれます。 そもそもの思い込みがなければ、覆りようもありません。 選択問題で、なんとな

頭をつかわなくてもできることを増やす

2024年6月16日(日)朝の6:00になりました。 純粋な数学とは、論理的思考が織りなす詩である。 どうも、高倉大希です。 中学生になったら、数学で「式の展開」を学びます。 2と3を足して5、2と3を掛けて6。 分配法則をつかえば、必然的にそう考えることになります。 なるほど、こうやって展開すればよいのか。 授業を受けながら、中学生たちはそんなことを思うわけです。 新しく学ぶ範囲を、なぜすんなりと理解することができるのか。 それは、「頭をつかわなくてもでき

「またいつか」はいつまでもやってこない

2024年6月15日(土)朝の6:00になりました。 どこから春が巡り来るのか、知らずに大人になった。 どうも、高倉大希です。 またいつか、ゆっくり話しましょう。 またいつか、飲みにでも行きましょう。 大人になって、「またいつか」という言葉を耳にすることが増えました。 お互いに忙しいだろうという前提のもとで、生まれてくる言葉です。 大人を続けて、「またいつか」はいつまでもやってこないことを知りました。 お互いに忙しいだろうという前提のもとで、生まれてくる事実で

まとまっていないんですけど

2024年6月14日(金)朝の6:00になりました。 いいジョークは、何度も言わない方がいい。 どうも、高倉大希です。 言うまでもないことは、言わない。 書く上で、大切にしていることのひとつです。 たとえば、「まとまっていないんですけど」という枕詞はつかいません。 なぜなら、まとまっていることの方が珍しいと思うからです。 たとえば、「自戒を込めて」という枕詞もつかいません。 なぜなら、発信なんてぜんぶ自戒が込められているものだろうと思うからです。 会議で最初

悪口の効用

2024年6月13日(木)朝の6:00になりました。 言われている方が主役であり、言っている方が脇役であるという宿命がある。 どうも、高倉大希です。 悪口が、昔から苦手です。 いい人ぶっているように聞こえますが、本当に他意はありません。 どうして、人はこんなにも悪口を言うのだろう。 ずっと、疑問に思っていました。 そんなときに、1冊の本に出会います。 河合隼雄さんの「大人になることのむずかしさ」という本です。 なるほど、悪口を言うことで自分のことを守っている

優しいだけ、謙虚なだけ、素直なだけ

2024年6月12日(水)朝の6:00になりました。 わたしは、素直な悪よりも頑固な善を好む。 どうも、高倉大希です。 優しさは、大切です。 しかし、優しいだけではモテません。 謙虚さは、大切です。 しかし、謙虚なだけでは甲斐がありません。 素直さは、大切です。 しかし、素直なだけでは手応えがありません。 その人は、優しさのつもりです。 相手に気を遣わせてしまっていることに、まったく気づいていやしません。 その人は、謙虚さのつもりです。 嫌味っぽくなっ

さよならだけのインターネット

2024年6月11日(火)朝の6:00になりました。 コノサカズキヲウケテクレ、ドウゾナミナミツガシテオクレ。 どうも、高倉大希です。 ぱどタウン、みんなのチャット、アメーバピグ。 Skype、mixi、ニコニコ動画。 わたしたちの青春は、インターネットと共にありました。 それぞれのサービスから得た感動は、かけがえのない思い出です。 顔や名前を出して、発信する。 そんな行為が、死を意味していた時代の話です。 基本はみんな、匿名です。 そんな匿名のインターネ

馬鹿の山、絶望の谷

2024年6月10日(月)朝の6:00になりました。 歪んで傷だらけの春、麻酔も打たずに歩いた。 どうも、高倉大希です。 馬鹿の山を越えて、絶望の谷へ。 その先にある啓蒙の坂を登って、継続の大地へと辿り着く。 能力の低い人間は、なぜ自分の能力が高いと思い込むのか。 そんな疑問から生まれた理論が、ダニングクルーガー効果です。 何かを習得する上で、人は上記のような変遷を辿ると言われています。 きっと誰にでも、思い当たる節があるはずです。 馬鹿の山に登る前から、諦

歴史を学ぶのはもはや必然

2024年6月9日(日)朝の6:00になりました。 歴史はいつだって午前中に学ぶべきよ、何かが起こる前にね。 どうも、高倉大希です。 動画内で説明されているのに、そのことについての質問がコメント欄に投稿されている。 YouTubeやTikTokでは、このようなことがよくあります。 内容をろくに見ないまま、反射的に疑問をぶつけているわけです。 まったく最近の若者はどうなっているんだと、頭を抱えたくもなります。 しかし大きな目で見れば、わたしたちも近しいことをしてい

土日はこれを観ればいい

2024年6月8日(土)朝の6:00になりました。 鑑賞する、 味わうというのは、じつは 価値を創造することなんだよ。 どうも、高倉大希です。 ショート動画の全盛期、スワイプしているうちにあっという間に時間が過ぎます。 それだけの時間があるのなら、これを観ればいいじゃない。 本日はちょっと長めな作品を、3つほどご用意しました。 ひとつはお笑い、ひとつは演劇、最後のひとつは映画です。 せっかくの土日です。 スワイプしているうちに気がつけば夕方だなんて、悲しいでは

やる気があるから進むのではなく、進むからやる気が出る

2024年6月7日(金)朝の6:00になりました。 やる気がなくなったのではなく、やる気をなくすという決断をしただけだ。 どうも、高倉大希です。 チームで活動していると、「やる気」という言葉を耳にすることがよくあります。 あいつはやる気があるとか、あいつはやる気がないとか。 たしかに、全員がやる気まんまんなら理想的なのかもしれません。 しかし、なかなかそうもいかないのが実際のところです。 やる気の「気」は、気分の「気」です。 気分なんて、人によって違って当然で