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内浦穂高
2024年1月30日 18:09
私のうたは地に根ざす命に根ざして花咲かす言葉が命を吸いとって 烈火の如く咲き誇る私のうたはアポトーシス飽き飽きするほど冷ゆる日に遥か向こうへと地を張って 笑顔が生る日を追いかける這いつくばって匍匐前進 回復したら歩き出して血を吐いたならまた倒れて 這いつくばって明日を目指すいつかこの身が朽ちたのならぴくりとすら動かなければその頃新たな葉脈が黄金色に包まれて
2024年1月25日 13:34
ごうごうと風が荒れ狂う枯れ葉を蹴散らし迫り来る布団にくるまり身を抱く 僕の元へと訪れる野太く重い回転の重力は虎の唸り声起床を急かす母でなく復帰を急かす父の声無慈悲に優しい大人らの 分厚く硬い怒鳴り声布団を擦り抜け 耳元で訴えかける風の声あと30分 あわよくば 1時間くらいやすませてかすれた声は風に消え布団も寝巻きも剥ぎ取られため息で風に返事をし耳栓を
2024年1月24日 23:35
貴女は母か 或いは姉か 或いは可愛い妹か私ははしゃぎ ぺたぺた歩き 草原の風に撫ぜられる弁当箱のおにぎりは 塩っけのみの白い肌艶やかな雲に頬を寄せ 羊の音色に包まれる三色団子の柔らかな温もりを吸って目を閉じるさらさらり さらさらり時折 か細く むず痒く 愛しい香りが広がってコツンと小さく音を立て 額が2つ重なった世界に転げ落ちた知恵の輪どうか永久に放っといて
2024年1月24日 20:48
ずうっと酒を飲んでたい 熱った体で過ごしたい 頭に麻酔を流したい 酔生夢死の蝶の羽 ふんわりふわりと宙を舞う頭の痛みは夢に溶け 心は自由に踊り出す今日の快楽 明日の罪命の薪に火を焚べる焦げ臭く言葉が夜に舞う誰も知らない独り言星空だけが話し相手明日は酒をやめなきゃな悲しませぬよう生きなきゃな月に飛び立つ蝶の羽炎に抱かれ宙を舞う
2024年1月9日 22:28
春風がペダルを転がし桜のトンネルに包まれ青空に吸い込まれた日にこころは陽射しを見つめてた耳を澄ませば 麗らかな 少年少女の愛と哀クレッシェンドの歌声で遠い過去から訪れるつられて歌う青き歌 涙を流すはこの心浮世は構わず月を見るコスモスも果てた冬の旅また少しすれば春が来て心がこころを思い出すあなたの声が聞こえた時言葉が生命を駆け抜ける永遠となった一瞬
2024年1月8日 11:27
スマホは旨味が詰まってる世界の旨味が詰まってる笑顔の人から死体まで世界の全てが注がれる注がれた鍋を凝視して老いも若きも下を向く電車の中から旅館までもはやスマホが現実で花鳥風月は鍋の具材そうして旨味の奪い合いそろそろ吐き気がしてきたよギトギトしすぎてもういっぱい素朴な世界をゆっくりと味わうくらいが丁度いいお口直しには森林浴 お空と木々が暖かい鳥
2024年1月6日 21:41
私はもっと生きていたい生きていたいから歩きたい億劫だけれど歩きたいけど生きてるフリはしたくない虚構と虚無には耐えられない力を込めて強引に頭と枕を引き剥がす酒を片手に夜の道 ふらりふらりと千鳥足想いと夜空はふけるもの退屈な部屋は可惜夜に星舞う冷気を我が胸に私は命を感じてる今をこころに感じてる昨日も明日もありはせず夜空に世界を感じてるあぁ今だけは