🍋エモ短歌　檸檬置く残し手紙の代わりとしふっと香って消え去った君【解説脚本・解説ポエム付き】

2024年1月28日 14:01

こんばんは。今日もう疲れさまです！
お〜いお茶佳作特別賞3年受賞している歌人の粕谷経です。
今回はシナリオセンターでの課題（別れのセリフ、男が女に別れを告げるシーン）として書いた「檸檬」を短歌にしました。
重入れのある脚本なので、短歌とポエムにして見ました。
是非最後までお楽しみください！！

解説脚本

檸檬

人　物

渡辺　登（３５）フランス語の翻訳家

森山　緑（３５）渡辺の恋人で図書館の司書

本文

◯喫茶店

渡辺登（３５）と森山緑（３５）が向かい合って座っている。

緑にウェイターがコーヒーを差し出さす。

ウェイター「お砂糖とミルクは？」

緑「ありがとう、ブラックで構いません」

ウェイターが渡辺に紅茶を差し出す。

ウェイター「檸檬とミルク、お砂糖は？」

渡辺「ありがとう、ミルクだけ」

緑「なんで、檸檬を家のテーブルに残して出て行ったの？檸檬好きじゃないのに」

渡辺「緑は檸檬好き？」

緑「好きでも嫌いでもないけど」

渡辺「檸檬ってさ、フライにそっと添えたり、紅茶の中でふっと香ったりするだけじゃない」

緑「うん・・・、まあそうかな」

渡辺「そうして暫く使われると冷蔵庫から気付くと消えてなくなってる。そんな男になりたくてね」

緑「儚いね」

渡辺「うん、さよなら」

解説ポエム

檸檬

掌にしっくりと馴染む檸檬

たった一つの檸檬を掌に包み込む

僕は今秋の中にいる

黄色く熟した手の中の檸檬と一緒に

溢れ出しそうな果汁を包み込む黄色い皮膚を

手の中に抱えている

溢れ出しそうな果汁はいつ破裂してもきっとおかしくない

鼻の近くに檸檬を寄せる

強い香りと酸味が僕の口の中に広がる

唾液が口の中に溢れる

机にそっと檸檬を置いてみる

手榴弾の代わりに

まな板の上に場所を移した檸檬を想像してみる

君の儚い白い手が檸檬をひとたちで真っ二つに割る

一度も見たことがないのに不思議だね

僕はその光景を掌に掬える位はっきりと明確な意思として捉えることができる

僕は今日君から去る

残し手紙を何度も書こうと思った

でも、最初のたった１文字がどうしても浮かばなかった

もし、最初のそのたった１文字が書くことができたなら

いくらでも僕は流暢に筆を進めることができただろう

でも、どうしてもそのたった１文字が浮かばなかった

何も書かれていない紅葉の便箋の傍に僕はそっと檸檬を置く

そして、君がその檸檬を鼻に近づける姿をそっと想像する

檸檬を使うたびに思い出して欲しいんじゃなくて

ふっと香って消え去りたかったんだ

なぜだかわかるかい？

僕は君を愛してしまったから

檸檬置く
残し手紙の代わりとし
ふっと香って僕は消え去る

ハローバイバイ僕の友達
ハローバイバイ僕の恋人

終

最後まで読んでいただきありがとうございました！！！！

今後も、随時オリジナル短歌や脚本、小説を掲載していきますので「スキ」や「フォロー」どうぞよろしくお願いします！コメントには必ずお返し致します。【フォロー】には必ず【フォローバック】いたします！！

詳しい自己紹介と作品総目次が載ったサイトマップこちら
是非ご覧ください！ひとつは気になる作品が見つかるはず！！
各マガジン一番人気記事は以下の通りです。
是非ご高覧ください！1日１本〜3本随時更新していくの、マガジン登録もぜひよろしくお願いします！！

オリジナル短歌（解説ポエム付き）人気TOP3

1位

２位

３位

オリジナル短歌マガジン

★各マガジン人気NO.1記事

📕大人のポエム絵本　第1位記事

📗短編小説　第１位記事

📕オリジナル脚本　第１位記事

🖼絵・イラスト　第１位記事

👦プロフィールと🗺サイトマップ

マガジン登録お願いします！！皆様にとって面白い・有益な情報を毎日1本から3本書いていきます！！よろしくお願いします！！
3月末までは全て無料でお読みいただけますので今のうちに是非ご登録お願いします！！

★マガジン登録お願いします！

最後まで読んでいただきありがとうございました！！！！
今後も、随時オリジナル短歌や脚本、小説を掲載していきますので「スキ」や「フォロー」どうぞよろしくお願いします！コメントには必ずお返し致します。【フォロー】には必ず【フォローバック】いたします！！
引き続きどうぞよろしくお願いいたします🙇‍♂️

粕谷　経

この記事が参加している募集

今日の短歌

37,399件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？