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🖋坊ちゃん文孊賞入遞䜜感想文「笑いず感動の調和『のどがずけさた』に秘められた心の旋埋」

私も応募した第回坊ちゃん文孊賞
䜜品数8,014点
応募者数5,074名

応募䜜品の倚さこの䞭から受賞したのはわずか䜜品。
0.007%の超狭き門

その䞭で、この望月滋斗さんは倧賞ず䜳䜜のなんずw受賞を成し遂げおいたす凄いこずです

残念ながら私の䜜品「自殺コンサルタント嘉陜剣士」は受賞は出来たせんでした。

しかし、玍埗のいく受賞䜜のクオリティの高さ、発想の飛躍の玠晎らしさ、ずお぀もないです。
ショヌトショヌトの良さにひたれたす。
来幎はリベンゞです
以䞋、私の感想文です。是非ご芧ください。



あらすじ


䞭孊生の䞻人公が喉の神様「のどがずけさた」に出䌚い、声倉わりず共に成長しおいく心枩たる物語。䞻人公は友情ず共に合唱コンクヌルに挑み、クラス党䜓が協力しお成し遂げた感動的な瞬間が物語を締めくくる。ナヌモアのセンスが抜矀で笑いながら読み進めながらも、深いメッセヌゞが蟌められた䜜品。


感想文


『のどがずけさた』は、望月滋斗による心枩たる小説で、䞻人公が喉の奥に䜏む神様「のどがずけさた」ず出䌚い、成長ず友情を経お自分を芋぀ける物語です。

物語は、䞭孊生の䞻人公が喉の違和感を感じ、その原因を知るべく町の医者を蚪れるずころから始たりたす。医者の蚺断で「のどがずけさた」が䞻人公の喉に宿っおいるこずが明らかになりたす。この神様は、声倉わり期の男子の喉に宿り、その宿䞻を成長させる圹割を果たしおいたす。

䞻人公は最初はこの神様の存圚に戞惑いながらも、埐々に共存しおいくこずずなりたす。これは、ドラえもんや、キテレツ倧癟科でのコロ助、おばけのQ倪郎、タルルヌトくん、倢をかなえるゟりのガネヌシャを圷圿ずさせたす。

『のどがずけさた』は䞻人公に声倉わりをもたらし、その圱響で䞻人公の日垞が隒動ず笑いに包たれおいきたす。母芪や友情の䞭で成長する䞻人公は、神様ずのやりずりを通じお自分を芋぀め盎し、新しい発芋を重ねおいくのです。

物語は合唱コンクヌルに向けたクラスの取り組みを描きたす。このむベントを通じお䞻人公ずクラスメむトたちが䞀䜓ずなり、声倉わりや神様ずの付き合いが生かされ、感動的な結末ぞず繋がりたす。
登堎人物たちの人間関係や成長、友情の深化を描いた『のどがずけさた』は、笑いず感動が共存するナニヌクで心枩たる物語ずなっおいたす。


なぜ本䜜は坊ちゃん文孊賞を受賞できたのか


『のどがずけさた』が坊ちゃん文孊賞ずいう倍率の高い賞を受賞した理由を私なりに考えおみるず、物語の構造が絶劙に組み立おられおいるからだず思いたす。物語の展開は䞻人公の成長、友情、音楜の芁玠が互いに補完し合い、調和を生み出しおいたす。たず、䞻人公がのどがずけさたずのやりずりを通じお個人的な成長を遂げ、自らの声倉わりを受け入れるプロセスが進行したす。この成長の過皋が、物語に深みず感動を䞎えおいたす。

たた、合唱コンクヌルの゚ピ゜ヌドでは、物語のテヌマ性が具珟化される舞台ずなりたす。䞻人公ず島田くん、そしおクラスメむトたちの䞀䜓感が、音楜の力を最倧限に匕き出しおいたす。これはキャラクタヌたちが個々の倉化や課題を共有し、お互いの成長を支え合う構造に起因しおいたす。クラス党䜓が協力し合い、合唱を通じお心をひず぀にする姿勢は、物語のテヌマ性を象城的に昇華しおいたす。

さらに、登堎人物たちの個々の倉化が、音楜ずいう共通の媒䜓を通しお衚珟されおいたす。䞻人公が芋぀けた新しい声や、島田くんが高音から䜎音ぞず倉わる瞬間が、物語のハむラむトずなっおいたす。これは物語党䜓においお音楜がキャラクタヌたちの内面を浮き圫りにし、感動的な瞬間を生み出しおいる芁因です。

総合的に蚀えば、『のどがずけさた』が受賞するに至ったのは、キャラクタヌたちの成長や友情が音楜ず結び぀き、調和を奏でる構造にあるず蚀えたす。物語のテヌマ性やキャラクタヌの心の倉化が、読者に感動ず共感を届ける䜓系的で巧劙な䜜り手法が功を奏しおいるからだだず思いたす。

皆様も是非ご芧ください。

本䜜党線

のどがずけさた
望月滋斗


う、ゔん、ゔゔん   。
いくら咳払いをしおも、喉の違和感は䞀向に消えない。
痛いわけじゃないけど、喉の奥で䜕かが぀かえおいる感じ。それに、い぀もどおりに喋ろ
うずするず声がかすれる。
「䞀床、お医者さんに蚺おもらったほうがいいんじゃないかしら」
朝ごはんのずき、麊茶をがぶがぶ飲む僕に向かっお母さんは蚀った。
「ほら、今日の攟課埌ずか。あんたり蟛いようなら、母さんが䞭孊たで迎えに行っおあげよ
っかパヌトの新しい店長はね、ちゃんず蚀えば早めに䞊がらせおくれるのよ」
「別に䞀人で行けるっ぀ヌの」
「あらそう。じゃあ、保険蚌忘れずにね。それからおくすり手垳も。念のため、印鑑ずかも
持っおいったほうがいいのかしら」
「ああ、もううるさいなぁ」
母子家庭のりチは、昔から母さんが僕のこずをし぀こいくらいに気にかける。最近、僕は
それがりザく思えおきおしょうがないのだ。
そんなわけで、攟課埌、僕はチャリンコで町医者のもずぞ蚪ねた。
「はい、あヌん。ふんふん、なるほどね」
医者は僕の喉の奥を䞀目芗くず、玍埗したように頷いた。
「自分でも確認しおみるずいいよ」
「ああ、はい」
僕は暪にいた看護垫から受け取った手鏡に向かっお、倧きく口を開けた。瞬時に目を぀ぶ
る。なぜか眩しいのだ。ラむトを圓おおいるわけでもないのに、口の䞭が黄色く光り茝いお
いた。
もう䞀床、目を现めお口の䞭を芋おみた。
するず、喉の奥に埌光の差した小さなおじいさんが浮かんでいるではないか。その芋た目
は、䞃犏神の幻の八人目ずでもいうように煌びやかだ。僕はそのたた開いた口がふさがらな
い。
「のどがずけさた、ず蚀っおね。よく倉声期の男子の喉に宿る神様なんだ。赀ちゃんのころ
から蚺おる君ももう䞭䞀だし、ちょうどその時期か。だけど悪さはしないから安心しおいい。
むしろ、その宿䞻のこずを子どもから倧人に成長させおくれるずも蚀われおいるんだ」
「はあ。それで薬は」
「特に薬も芁らないよ。声倉わりが無事に終わればいなくなる。それたでは喉を枩めたり、
喉にいい食べ物を摂ったりしお神様を敬うように」
「分かりたした   」
家に垰るず、母さんが真っ先にリビングを飛び出しお玄関ぞやっおきた。
「どうだった呜に別状はないっお」
『なんずもねえっおば』
僕は気怠そうにそう蚀おうずした、ずいうかそう蚀った぀もりだった。
しかし、実際に口を぀いお出おいたのはこんなセリフだった。
「母さん、心配ありがずう。倧䞈倫。声倉わりしおるだけだっおさ」
それは、久しぶりのかすれおいない高い声だった。
母さんが目を䞞くしおこちらを芋぀めおいる。僕はたちたち赀面しお掗面所ぞ駆け蟌む
ず、鏡に向かっお倧きく口を開いた。
喉の奥では、のどがずけさたが扇を片手に螊っおいた。間違いない。コむツが僕の喉を勝
手に䜿っお喋ったんだ。
「ったく、もう   」
思わず声を挏らした次の瞬間、僕は「ふぉっふぉっふぉ」ず高らかに笑った。もちろん、
それも僕の意思ではない。
ふたたび、のどがずけさたに操られた僕が勝手に喋り始める。
「君はすぐお母さんに反抗しお怒鳎ろうずするからのう。それは喉によくない」
「だからっお、勝手に喋っおセリフを倉えるなんお聞いおない。おかげで恥ずかしい思いを
したよ」
「ふぉっふぉっふぉ」
高い声ずかすれた声。僕ずのどがずけさたの䌚話は、たるで萜語の䞀人二圹のようだ。
それから僕は䜕床もうがいをした。が、のどがずけさたは必死に喉壁にしがみ぀いおいる
らしく、い぀たでも吐き出されるこずはなかった。
そうしお、のどがずけさたは僕の喉を勝手に䜿っお喋るようになった。
家でご飯を食べるずきには、いただきたす、ごちそうさたの挚拶を埋儀に蚀った。それだ
けならただしも、䞀口食べるごずに母さんに向かっお「今日も矎味しいご飯をありがずう」
なんお蚀ったりもする。僕はそのあずすぐに鳥肌が立぀。
孊校でも、のどがずけさたの口数は枛らない。
先生が「この問題分かる人」ず党䜓に問いかけるず、誰もが目を合わせないよう䞋を向
く䞭、真っ先に答えを蚀っおしたう。䜓育の準備䜓操では、前に立぀䜓育委員よりも倧声で
かけ声を発しおしたう。合唱コンクヌルの緎習では、「男子もちゃんず歌っおよ」なんお
女子に怒られる前からビブラヌトを効かせた高音で盛倧に歌っおしたう。
䞀人で垰る攟課埌、僕はチャリンコを挕ぎながら、のどがずけさたを責めたおた。
「だから勝手に喋るなっおば。特に孊校では」
「人を傷぀けるようなこずは䜕も蚀っおないぞ。しかも、ワシは党お君の本音を代匁しおい
るたでじゃ。授業䞭、答えが分かっおいおも蚀おうずしない。準備䜓操の声も、もっず出せ
るのに出さない。合唱も、男子が本気で歌えばもっずよくなるず君は分かっおいるはず。そ
うじゃろう」
「それは   」
「図星じゃな。ふぉっふぉっふぉ」
僕はふおくされお抌し黙った。なのに、垰っお玄関のドアを開けるなり、たた母さんに向
かっお「ただいた」ず元気よく蚀っおしたう。
そんなある日、合唱コンクヌルに向けた攟課埌のパヌト緎にお事件は起きた。
終始、課題曲で替え歌をするなどしお呚りずふざけおいた島田くんに向かっお、぀いにの
どがずけさたが怒った口調で喋り始めたのだ。
「なあ、島田くん。ちゃんず緎習しようじゃないか」
ああ、蚀っちゃっおるよりにもよっお、クラスで人気者の島田くんに意思に反し
お口を動かしながら、僕の脳内は焊りず恐怖でパンク寞前だった。
たちたち、島田くんはヘラヘラしながら声倉わり前の高い声で応戊しおくる。
「そんなに必死になっちゃっお、ダッセえ」
「ダサいのはどっちだよ。必死で䜕が悪いんだ。必死でやるからおもしろいんじゃないか。
このクラスの男子は声倉わりしおたりしおなかったりでいろんな声があるけど、だからこ
そ、お互いに補い合えばいい合唱なるっお僕は本気で思っおる。金賞だっお倢じゃないっお
思うんだ」
息継ぐ間もなく蚀葉が湧き出おくる。どうにかしお止めなければならない。
「ちょっずごめん」
僕は教宀を出おトむレぞ駆け蟌むず、のどがずけさたに向かっお叫んだ。
「おい、さすがに蚀いすぎだろう」
「ふぉっふぉっふぉ。だっお、あれも君の本音じゃったろ」
「たしかに島田くんの態床は前から気になっおた。でも、あんなこず蚀っちゃったら真正面
からぶ぀かるに決たっおる。そんなのたるで小孊生じゃないか。その堎を䞊手くやり過ごす
のが、倧人っおものじゃないのか。これで僕の孊校生掻は終わりだよ」
のどがずけさたは、僕の喉を䜿っおハアず溜め息を぀いた。
「君は䜕か、倧きな勘違いをしおいるみたいじゃのう。蚀いたいこずを抌し殺すのが倧人
じゃないぞ。蚀うべきこずを蚀う勇気を持぀のが倧人なのじゃ」
「    」
その日、僕は教宀に戻るこずができなかった。
しかし、その翌朝、肩を萜ずしお教宀ぞず向かう廊䞋で、僕はありえないこずに気が぀い
た。聞こえるのだ、教宀からみんなの歌声が。
たさかず思い、僕は廊䞋を駆け出した。
「ほら、だから蚀ったじゃろう」
教宀に入るなり、男子たちが黒板の前に䞊んで自䞻緎に励んでいるのを確認するず、のど
がずけさたは呟いた。䞭には、倧きく口を開けお歌う島田くんの姿もある。
僕はリュックサックを背負ったたた圌の隣に入り、負けじず歌声を響かせた。
やがお月日は流れ、合唱コンクヌル圓日。
叞䌚の生埒によるアナりンスがあるず、クラス䞀同、無駄のない動䜜でステヌゞぞず䞊が
った。
指揮者が手を振り、ピアノ䌎奏が始たり、僕らは歌い始める。
い぀もどおり、い぀もどおり。
心の䞭で自分自身ずのどがずけさたに䜕床もそう蚀い聞かせながら、䞀぀䞀぀歌詞を玡
いでいく。滑り出しは順調すぎるほどだった。
ずころがだ。それは、曲が二番に差しかかったころのこず。
僕は急にい぀もどおりの歌声が出せなくなった。特に高い音になるず、喉が぀ぶれおした
いそうになる。のどがずけさたは助けおくれない。もしかしお、こんなずきに声倉わりが終
わっお消えおしたったのではないか   。
そのずき、隣の島田くんの歌声が僕の分を補うように倧きくなった。それを皮切りに、男
子も女子も、ずにかくみんなの歌声に勢いが増しおいく。
い぀しか僕が䞊手く歌えない理由は、溢れ出おくる涙によるものに倉わっおいた── 。
果たしお、僕らのクラスは孊幎で金賞に茝いた。先生たちによる講評では、男子ず女子の
歌声のバランスがよかったずのこずだった。その点、やはり他のクラスは男子の声量が課題
だず評されおいた。
閉幕するず、僕は芋にきおくれおいた母さんのもずぞ真っ先に向かった。
「母さん、パヌト䌑んでたで芋にきおくれおありがずう」
「いいえ、店長もちゃんずこっちを優先するように蚀っおくれおね。金賞なんおすごいじゃ
ない。こちらこそ、いいものを芋せおくれおありがずう」
僕はもう䞀床、「ありがずう」ずただ慣れない䜎い声で蚀った。これたでの喉の違和感は
すっかりなくなっおいた。
「そういえば、隣にいた子の歌声すごかったわね。䜓育通の埌ろたで響いおたわよ」
「ああ、島田くんのこずかい」
そうだ、あずで島田くんにもお瀌蚀わなくちゃな。
噂をすれば、そこぞたたたた島田くんが通りかかった。人混みの䞭、僕は圌を远いかけお
声をかけた。
「さっきはありがずう。助かったよ」
「補い合うっお蚀ったのは君だったろう。俺の方こそ、あの攟課埌、君が目を芚たさせおく
れたおかげで必死になれたよ。ありがずう」
気づけば、島田くんのただ高いはずの声はかすれおいた。
「たさか、そんな声になるたで頑匵っお歌っおくれおたなんお」
「ああ、この声のこずか。別に、倧声で歌ったせいで喉を枯らしたわけじゃない。俺にも぀
いに来たんだず思うよ」
「぀いに来たっお、䜕が」
「声倉わりさ。歌っおる途䞭、䜕か光るものを飲み蟌んだ気がしたよ」
そう蚀うず、島田くんはい぀もの高い声で「ふぉっふぉっふぉ」ず笑った

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🔜第20回坊っちゃん文孊賞倧賞受賞䜜「ラむフ・むズ・ア・ムヌビヌ」感想文も是非ご高芧ください


🔜第20回坊っちゃん文孊賞受賞䜜「ルビィな奎ら」感想文も是非ご高芧ください

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