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辻仁成著(2018)『立ち直る力』株式会社光文社

自信をなくしたときに読むと身体に染み渡る言葉に出会える本

どうやら2018年の3月にアマゾンで購入した様子…
一昨年の暮に肺腺癌で右肺上葉切除の手術を行い、その後、自分をふるい立たせる気力と、病気に萎える気分が半々だったときに、積読本から選別して読もうと思ったけど、そのまま積読本と化していました…

先週から、少し読んでは立ち止まりを繰り返し、本日読破…

もともと著者の息子に向けて書かれた親父としての著者の言葉ではあるけれど、50歳を過ぎた読者の自分にも勇気を与えてくれる内容で、本題同様立ち直れる気分になるものです。

内容は、半ページにも満たない項目が続くのですが、その短い文章のなかに著者が伝えたいことがギュッと凝縮してあって、読むほどに諭される感覚を抱く不思議な本です。

世の中に好き好んだこと以外に色々と体験することがあり、悩んだりしながら生きていくのだけど、それを俯瞰して語ってくれるのは、少しの気付きとともに読者に向けた著者の信頼感のようなものがあるのかも知れない。

そのような中で安心して読める、そんな本だと感ました。
本書は、人生の多くを知り尽くした大の大人の人こそ一読してみると良いのかも知れません。

著者が息子に向けたように、自分の仕事仲間や後輩、次代をになう若き人達に、この本の著者と同様の目線を向けてあげると、また彼らの信頼を得られるようになることだろう…

文章の中には、時折九州弁的な表現があるけれど、著者と九州に何か相関があるのかは不明ですが、九州出身のわたしには、本書のアクセントになって親しみがもてた次第…

いつかまた自分が落ち込んだりした時には、再読してみようと思える本でした。

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