【工房からのお便り】~パティシエたちの裏側~
ある日、工房で色々な事を行って、
「あ、なんか人だかりができてるな」って思ってたのですが、30分くらいして工房を後にしようとしても、まだその人だかりがありました。
さすがに気になって覗いてみると…
ベテランの職人達が集まり、ニコニコと見守るその先は、一人の若き後輩の姿でした。
僕「何してるんですか?」
職人A「これはね、ケーキのスポンジに生クリームを均一に塗っていくナッペという工程だよ」
職人B「ケーキを仕上げる基礎だけどね、ケーキ担当が最初にぶつかる壁なんだ」
僕「へえ~、そうなんですね。ただ、見てるだけなんですか?」
職人A「そうだよ、一生懸命練習してるからねえ。俺も入社したての頃はさ、お菓子屋といえばケーキのイメージだから、早くケーキが作れるようになりたくって、こんな風に練習したよ」
僕「そうなんですね~、それでそれで?」
職人A「ずっと練習して、やっと任されるようになって、本当に嬉しかった。でもね、いざクリスマスの忙しい時期、本番では全然うまくいかなくて、途中で担当を外されたんだ」
僕「へー、Aさんにも、そんな時期があったんですね!」
職人A「その時は、本当に悔しかったなあ。だからその後、めっちゃ練習したんだ。こんな風に頑張ってる後輩を見ると、やっぱりあの時を思い出してさ~」
僕「いいですね、でもそろそろ仕事しないと(笑)」
職人AB「そうだね(笑)」
その時のベテラン職人達は、皆ニコニコとしていたのが印象的でした。
その光景が、どうしても気になり後日、若き後輩に聞いてみることにしました。
僕「以前のナッペ練習の時って、先輩達は見守ってただけなんですか?」
後輩「そんなことないです!私が練習していると、頑張ってるねって、ナッペの基礎を先輩自ら見せてくれて、コツを教えてくれました。」
僕「そうだったんですね!ただ見てるだけって言ってたのに!」
※基本的に当社の職人たちはシャイな人が多いです(笑)
後輩「普段聞かない先輩の昔すごい練習したエピソードも聞いて、見てくれてるから、早く一人前になりたいって、さらに頑張れるんです!!」
僕「素敵や…。」
お菓子づくりにおいて、もちろん商品に対するこだわりは大事です。
しかし、イルローザのスイーツオタク達は、誰かが練習していると、ぞろぞろと集まり、惜しみなく自分達の時間を使い、技術を伝授して、応援し、後輩を盛り上げます。
毎日、先輩たちも、ぶつぶつ言いながら、余った材料で時間を見つけて、新しい技術やテレビや雑誌で見たスイーツを自由に作ったり、作ったスイーツを仲間と一緒に出来栄えを議論したり…。
真剣なんだけど、皆とってもご機嫌です。
イルローザの商品として、店頭に並んでいるお菓子も、そういった中で誕生したものも少なくありません。
この雰囲気づくりが、若手がもっと技術を高めたい!
と息を吸うように努力できるゆえんかもしれません。
「ああ、イルローザのスイーツオタク達は、本当にお菓子づくりが大好きなんだ」
と再認識した出来事でした。
職人寄りのマニアックな記事を
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
これからもイルローザの細かすぎて伝わらない
「こだわり」をお届けしていきます。
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